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最初に遥の姿を見た時から薄々勘づいていた。恐らく一目惚れなのだろうと。でも遥といた時の潔を見ればひと目で彼女のことが好きなのだろうと思ったし、同じく一目惚れでもしたのだろう國神だったり、よく分からないが遥に興味を持っているだろう蜂楽。こんなにも彼女に行為を寄せている人がいるのをわかっていて、自分まで好きだと認めるのが嫌だったのだ。




それに友人の好きな人を好きになってしまって険悪な関係になってしまうのも避けたかった。けれど自分の気持ちを認めてしまえばとてもすっきりとしてしまって目の前にいるこの人が欲しいと思ってしまう。




やはり我慢なんて性にあわない。遥を好きな人が周りにいるからなんだというんだと思い始めてしまった千切は、抱き上げているというのに少し空いた空間が気になってしまって、もっと遥に近づきたいと背中に当てていた手を自分の方へと引き寄せ隙間のないほどに密着させる。




『千切子さん、？』




小さく囁かれる。




「豹馬。本当は千切豹馬だから、豹馬って呼んで遥。」




『豹馬、くん。』




外にいるふたりにバレないよう小さく会話をしてさらに近くなった遥の顔を見て愛おしさがまた込み上げてくる。




ずっと恥ずかしそうにしている遥。どうしたらいいのか分からないといった顔で千切をずっと見つめていて彼女も彼女で不安なのだろう。
そんな遥が行き場の無くしていた腕を何を思ったか千切の首に回し胸に顔を埋めた。




何だこの可愛い生き物襲って欲しいのか。




一瞬本当に理性が吹っ飛んでしまいそうになった千切。
ただでさえ胸板に触れている柔らかな胸とはだけかけているバスタオルから覗く谷間を必死になって感じても見てもいないものにしようとしているのにこっちの気も知らないで。




そうは思うがやはりその行動が嬉しいものは嬉しくて千切も遥の首元に顔を埋めると優しく彼女の背中を壁に押し付けて、自分で支えなくても遥が落ちないようにする。自由になった手で遥の顔を上げさせると、そこにはぼーっとした表情があってその様子のおかしさにもしかしてと記憶が蘇る。




そういえば遥はここを出る時のぼせてきたと言っていたはずだ。それからもう数十分は経っている。ずっとこの暖かい空気の中でシャワーもずっと出しっぱなし。やっぱりそういうことかと濡れて顔に張り付いている髪を退けてやる。