サディスト5題
【跪け】
コイツ、絶対にドSだ。
小野寺律はその男を睨みつけながら、そう思った。
律はもう何日もこの部屋から外に出ていない。
目の前のこの男に、閉じ込められてしまったからだ。
律の記憶が正しければ、多分もう4日目だ。
だがもう自信がない。
何しろこの部屋は分厚い遮光カーテンで窓を塞がれている。
光もほとんどなく時計も置かれていないので、時間の感覚もなくなっていた。
ここがどこであるかはわかっている。
都心にあるタワーマンションの最上階で、楽勝で2世帯は住めるだろう広い部屋。
律は金目的で男をナンパし、男に誘われるままにこの部屋に来た。
長居するつもりはなかった。
もちろん男に抱かれるなんて、冗談じゃないと思った。
男がシャワーを浴びている間に、財布を奪って逃げるつもりだったのだ。
だがまんまとはめられ、怪しい薬を盛られて、めちゃめちゃにされた。
裸に剥かれ、いいように嬲られ、一晩中激しく揺さぶられたのだ。
だが男は朝になっても、律を解放しなかった。
お前が気に入ったから、ずっとここで飼うことにした。
男は信じられないようなセリフをほざくと、そのまま律を閉じ込めてしまったのだ。
律はそこからずっと服はおろか下着さえ与えられていない。
唯一身に着けさせられたのは、まるで犬か猫を思わせる緑色の首輪だけだ。
男は「お前の目の色と同じ色にしたぞ」とすっかりご満悦だった。
律にとっては屈辱以外の何者でもなく、こんなものは外してしまいたい。
だが首輪には鍵がついていて、外れない。
しかも時々、男の気分次第で首輪に鎖をつけられて、ベットの足に繋がれたりもした。
*****
律は男の名前を知らないし、男も律の名前を知らない。
男は名乗らなかったし、律は名を聞かれたけど答えなかったからだ。
律が閉じ込められているのは、男の寝室だ。
他にも部屋があるようで、時折に人が出入りしている気配があった。
そして利益がどうしたとか、株価がどうだという会話が漏れ聞こえてくる。
それでいて男本人はあまり外出をしない。
だから律はこのマンションは男の住まい兼仕事場であるらしいと推理している。
当初は男の仕事仲間であろう人物に、何とか助けてもらえないかと期待を持った。
だがそれは不可能であるとすぐに諦めた。
そういう来客があるときには、律はガッチリと拘束されてしまうからだ。
手足をグルグルに縛り上げられ、口にはいわゆるギャグと呼ばれる口枷を嵌められ、ベットに固定される。
声も出せず指先くらいしか動かない状態で、助けを求めることは不可能だった。
このままここで死ぬ。
律は本気でそう思っていた。
男は律に食事や水を与えようとしたけど、律は頑として口にしなかった。
だから元々細身だった身体は、さらに体重が落ちたと思う。
もうここから出る体力も残っていないだろう。
だが今の律はもうそれでかまわないと思っている。
それほどこの監禁生活は、律を絶望へ追い込んでいた。
*****
そして今も、男は律の身体を嬲って遊んでいた。
男はベットにどっかりと座り、後手に縛られた律はその足の間に座らされていた。
両手は後手に縛られている上に、上半身もグルグルと縄が回されている。
足は男の縛られていないが、男の両膝を跨ぐ形で大きく開かされていた。
いい感じに、開いてきたな。
男が両手で律の乳首を捏ね回しながら、耳元でそう囁いた。
意地悪く耳に吐息を吹きかけることも忘れない。
律はというと、それだけで身体の中心に熱が集まり、息が上がってしまう。
男は少し触るだけで快感を拾うようになった律の身体を評して「いい感じに開いた」などと言ったのだ。
律が絶望している最大の原因はこれだった。
いいようにされながら、身体は明らかに変化している。
男の性癖は偏狂的で加虐的、わかりやすく言えばマニアなドSだ。
例えばこの拘束にしたって、妙なこだわりがあったりする。
手首は傷がつかないように、やわらかいリストバンドのようなタイプの手錠を使う。
だが身体にきつく巻かれているのは、麻縄だ。
しっかりと痕が残るし、水を含むと縮む素材なのがつらい。
攻められて汗ばむと、締め付けがきつくなるというえげつないアイテムなのだ。
その上、胸を強調するような卑猥な形に縛り上げる。
すべてそんな調子で、男は周到に律を拘束して、ねちっこくいたぶった。
指や舌、時には玩具で律の身体を「開発」していくのだ。
こんな風にされて感じるようになってしまった自分は、どうしようもなく汚い。
男はそんな律の葛藤さえも見通して、楽しんでいる。
律にはもうこの先生きていく気力などすっかりなくなっていた。
俺みたいな男を相手に、こんなことして楽しいですか?
律は憎まれ口を叩くと、首だけ振り返って男を睨み上げた。
反抗的な態度を取り続けることだけが、律に残された最後のプライドだ。
いつまでもつかまったく自信はなかったが。
*****
お前のいやらしい姿を見るのは楽しいよ、小野寺律君。
男は勝ち誇ったように答えると、律の身体がギクリと跳ねた。
律は「どうして名前を。。。」と言いかけるが、すぐに「あっ」と身を捩る。
男は両手に指にはめるサック型のバイブレーターを装着しており、それを作動させたからだ。
すでに散々刺激された乳首への、無慈悲な機械の振動。
悶える律に、男は楽しくてたまらないという顔で笑う。
調べるの苦労したぜ。お前、何も持ってねーから。
律は快感で朦朧とする頭で、懸命に考える。
監禁された時に着ていた服や持ち物は、全て男に取り上げられていた。
そこに身元を示すようなものはなかったはずで、そのことを言っているのだろう。
だが結局、律の素性を調べ上げてしまったらしい。
小野寺律。25歳。親父さんはあの小野寺物産の社長だって?
男は淡々と問いかけながら、律を嬲る手も休めない。
素性まで調べ上げられたことに不気味さを感じるものの、律には逃れるすべはなかった。
それでもかろうじて何とか男を睨み続けている。
快感で潤んだ瞳でそれをされても逆効果なのだが、律はそれには気付いていない。
お前のいやらしい画像とか動画とかが出回ったら、どうなるんだろうな。
小野寺物産の社長の息子って注釈つけたら、動画サイトで評判になるかな?
親父さんトコに持っていけば、買ってくれる?
からかうような男の口調に、律は一瞬、血の気が引く。
ここ何日かの間に、男は律の痴態を撮影もしていた。
嫌だと抵抗しながら、撮られながら嬲られてることに不覚にも興奮したのだ。
いつも以上に乱れた律を、男は大いに楽しんでいた。
父や会社は関係ない!
思わず律が声を上げた瞬間、男はバイブレーターが作動したままの右手を伸ばした。
熱を持って勃ち上がってしまった律の身体の中心に、与えられた振動。
律はあっけなく達して、男の腕の中に堕ちた。
*****
バラされたくなかったら、跪け。
俺の奴隷になって、何でも言うことをきくと誓うんだ。
男は指のバイブレーターを外すと、背後から両腕を回して律をそっと抱きしめた。
残酷な言葉に反して、まるで大切な恋人のような優しい手つきだ。
嫌だと言ったら、どうなるんです?
律は弱々しく震える声で、そう聞いた。
男は律を立たせると、細い裸身を反転させた。
律はフラつきながらも何とか足を踏ん張る。
男はベットに座ったままなので、律が男を見下ろす形になった。
その時はお前の画像と動画をネットにバラまく。
もちろん実名、住所、素性つきでな。
マニアサイトに送ったら、お前は変態のアイドルになれるかもな。
まぁ家族は悲惨だろうけど。
男は涼しい顔で言い放った。
律は怒りと屈辱で膝が震えたが、男はそれすらも楽しそうだ。
諦めて俺のものになれ。
そうすれば本格的に調教して、とことん快感を開いてやる。
徹底的に仕込んでやるから。
男は真面目な顔で、恐ろしいことを言った。
律は「そんな」と小さな声で抗議しても、男の表情は揺るがなかった。
もう逃げられない。
律は観念して目を閉じた。
親や会社のことを考えれば、もう選択の自由などない。
だがそれ以上に律を叩きのめしたのは、変化してしまった身体だった。
それに「調教」という言葉に、身体の芯が疼いてしまう。
この男に仕込まれ、開かれることを想像しただけで、心が甘く痺れていく。
もう1度「跪け」と命令が下される。
律は涙を溢しながら、ついにその場に膝をついた。
男は「高野政宗だ」と名乗り、誕生したばかりの美しい奴隷を抱き寄せた。
【続く】
コイツ、絶対にドSだ。
小野寺律はその男を睨みつけながら、そう思った。
律はもう何日もこの部屋から外に出ていない。
目の前のこの男に、閉じ込められてしまったからだ。
律の記憶が正しければ、多分もう4日目だ。
だがもう自信がない。
何しろこの部屋は分厚い遮光カーテンで窓を塞がれている。
光もほとんどなく時計も置かれていないので、時間の感覚もなくなっていた。
ここがどこであるかはわかっている。
都心にあるタワーマンションの最上階で、楽勝で2世帯は住めるだろう広い部屋。
律は金目的で男をナンパし、男に誘われるままにこの部屋に来た。
長居するつもりはなかった。
もちろん男に抱かれるなんて、冗談じゃないと思った。
男がシャワーを浴びている間に、財布を奪って逃げるつもりだったのだ。
だがまんまとはめられ、怪しい薬を盛られて、めちゃめちゃにされた。
裸に剥かれ、いいように嬲られ、一晩中激しく揺さぶられたのだ。
だが男は朝になっても、律を解放しなかった。
お前が気に入ったから、ずっとここで飼うことにした。
男は信じられないようなセリフをほざくと、そのまま律を閉じ込めてしまったのだ。
律はそこからずっと服はおろか下着さえ与えられていない。
唯一身に着けさせられたのは、まるで犬か猫を思わせる緑色の首輪だけだ。
男は「お前の目の色と同じ色にしたぞ」とすっかりご満悦だった。
律にとっては屈辱以外の何者でもなく、こんなものは外してしまいたい。
だが首輪には鍵がついていて、外れない。
しかも時々、男の気分次第で首輪に鎖をつけられて、ベットの足に繋がれたりもした。
*****
律は男の名前を知らないし、男も律の名前を知らない。
男は名乗らなかったし、律は名を聞かれたけど答えなかったからだ。
律が閉じ込められているのは、男の寝室だ。
他にも部屋があるようで、時折に人が出入りしている気配があった。
そして利益がどうしたとか、株価がどうだという会話が漏れ聞こえてくる。
それでいて男本人はあまり外出をしない。
だから律はこのマンションは男の住まい兼仕事場であるらしいと推理している。
当初は男の仕事仲間であろう人物に、何とか助けてもらえないかと期待を持った。
だがそれは不可能であるとすぐに諦めた。
そういう来客があるときには、律はガッチリと拘束されてしまうからだ。
手足をグルグルに縛り上げられ、口にはいわゆるギャグと呼ばれる口枷を嵌められ、ベットに固定される。
声も出せず指先くらいしか動かない状態で、助けを求めることは不可能だった。
このままここで死ぬ。
律は本気でそう思っていた。
男は律に食事や水を与えようとしたけど、律は頑として口にしなかった。
だから元々細身だった身体は、さらに体重が落ちたと思う。
もうここから出る体力も残っていないだろう。
だが今の律はもうそれでかまわないと思っている。
それほどこの監禁生活は、律を絶望へ追い込んでいた。
*****
そして今も、男は律の身体を嬲って遊んでいた。
男はベットにどっかりと座り、後手に縛られた律はその足の間に座らされていた。
両手は後手に縛られている上に、上半身もグルグルと縄が回されている。
足は男の縛られていないが、男の両膝を跨ぐ形で大きく開かされていた。
いい感じに、開いてきたな。
男が両手で律の乳首を捏ね回しながら、耳元でそう囁いた。
意地悪く耳に吐息を吹きかけることも忘れない。
律はというと、それだけで身体の中心に熱が集まり、息が上がってしまう。
男は少し触るだけで快感を拾うようになった律の身体を評して「いい感じに開いた」などと言ったのだ。
律が絶望している最大の原因はこれだった。
いいようにされながら、身体は明らかに変化している。
男の性癖は偏狂的で加虐的、わかりやすく言えばマニアなドSだ。
例えばこの拘束にしたって、妙なこだわりがあったりする。
手首は傷がつかないように、やわらかいリストバンドのようなタイプの手錠を使う。
だが身体にきつく巻かれているのは、麻縄だ。
しっかりと痕が残るし、水を含むと縮む素材なのがつらい。
攻められて汗ばむと、締め付けがきつくなるというえげつないアイテムなのだ。
その上、胸を強調するような卑猥な形に縛り上げる。
すべてそんな調子で、男は周到に律を拘束して、ねちっこくいたぶった。
指や舌、時には玩具で律の身体を「開発」していくのだ。
こんな風にされて感じるようになってしまった自分は、どうしようもなく汚い。
男はそんな律の葛藤さえも見通して、楽しんでいる。
律にはもうこの先生きていく気力などすっかりなくなっていた。
俺みたいな男を相手に、こんなことして楽しいですか?
律は憎まれ口を叩くと、首だけ振り返って男を睨み上げた。
反抗的な態度を取り続けることだけが、律に残された最後のプライドだ。
いつまでもつかまったく自信はなかったが。
*****
お前のいやらしい姿を見るのは楽しいよ、小野寺律君。
男は勝ち誇ったように答えると、律の身体がギクリと跳ねた。
律は「どうして名前を。。。」と言いかけるが、すぐに「あっ」と身を捩る。
男は両手に指にはめるサック型のバイブレーターを装着しており、それを作動させたからだ。
すでに散々刺激された乳首への、無慈悲な機械の振動。
悶える律に、男は楽しくてたまらないという顔で笑う。
調べるの苦労したぜ。お前、何も持ってねーから。
律は快感で朦朧とする頭で、懸命に考える。
監禁された時に着ていた服や持ち物は、全て男に取り上げられていた。
そこに身元を示すようなものはなかったはずで、そのことを言っているのだろう。
だが結局、律の素性を調べ上げてしまったらしい。
小野寺律。25歳。親父さんはあの小野寺物産の社長だって?
男は淡々と問いかけながら、律を嬲る手も休めない。
素性まで調べ上げられたことに不気味さを感じるものの、律には逃れるすべはなかった。
それでもかろうじて何とか男を睨み続けている。
快感で潤んだ瞳でそれをされても逆効果なのだが、律はそれには気付いていない。
お前のいやらしい画像とか動画とかが出回ったら、どうなるんだろうな。
小野寺物産の社長の息子って注釈つけたら、動画サイトで評判になるかな?
親父さんトコに持っていけば、買ってくれる?
からかうような男の口調に、律は一瞬、血の気が引く。
ここ何日かの間に、男は律の痴態を撮影もしていた。
嫌だと抵抗しながら、撮られながら嬲られてることに不覚にも興奮したのだ。
いつも以上に乱れた律を、男は大いに楽しんでいた。
父や会社は関係ない!
思わず律が声を上げた瞬間、男はバイブレーターが作動したままの右手を伸ばした。
熱を持って勃ち上がってしまった律の身体の中心に、与えられた振動。
律はあっけなく達して、男の腕の中に堕ちた。
*****
バラされたくなかったら、跪け。
俺の奴隷になって、何でも言うことをきくと誓うんだ。
男は指のバイブレーターを外すと、背後から両腕を回して律をそっと抱きしめた。
残酷な言葉に反して、まるで大切な恋人のような優しい手つきだ。
嫌だと言ったら、どうなるんです?
律は弱々しく震える声で、そう聞いた。
男は律を立たせると、細い裸身を反転させた。
律はフラつきながらも何とか足を踏ん張る。
男はベットに座ったままなので、律が男を見下ろす形になった。
その時はお前の画像と動画をネットにバラまく。
もちろん実名、住所、素性つきでな。
マニアサイトに送ったら、お前は変態のアイドルになれるかもな。
まぁ家族は悲惨だろうけど。
男は涼しい顔で言い放った。
律は怒りと屈辱で膝が震えたが、男はそれすらも楽しそうだ。
諦めて俺のものになれ。
そうすれば本格的に調教して、とことん快感を開いてやる。
徹底的に仕込んでやるから。
男は真面目な顔で、恐ろしいことを言った。
律は「そんな」と小さな声で抗議しても、男の表情は揺るがなかった。
もう逃げられない。
律は観念して目を閉じた。
親や会社のことを考えれば、もう選択の自由などない。
だがそれ以上に律を叩きのめしたのは、変化してしまった身体だった。
それに「調教」という言葉に、身体の芯が疼いてしまう。
この男に仕込まれ、開かれることを想像しただけで、心が甘く痺れていく。
もう1度「跪け」と命令が下される。
律は涙を溢しながら、ついにその場に膝をついた。
男は「高野政宗だ」と名乗り、誕生したばかりの美しい奴隷を抱き寄せた。
【続く】
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