愛してる5題
【涙もでない】
*4巻の終盤の杏ちゃん登場後、横澤さんの家に行く高野さんを律っちゃんが引き止めなかったという設定です*
涙もでない。もう絶対に恋で泣くことはない。
高野政宗はぐったりとベットに沈む恋人への想いを打ち消すように、そう思った。
律に親が決めた婚約者がいるのは知っていた。
だがそこに律の気持ちはないものと思っていた。
この現代に政略結婚なんて、ナンセンスだ。
それに律は反抗的な態度は見せても、心の底では高野を愛してくれていると信じていた。
だがマンションの前で婚約者だという女が待っていたあの日、その自信は揺らいだ。
小さくて、かわいくて、フワフワした印象の女。
甘えた様子で律にじゃれ付く様子は、まるで少女のようだった。
律の横には、ああいう女の方が似つかわしいのだろう。
何よりも衝撃を受けたのは、律が少しも嫌がる素振りを見せなかったことだ。
連絡もなく現れた彼女に困惑こそしたものの、笑顔で話をしていた。
その夜、高野は半ばヤケになり、横澤の家に向かった。
横澤相手に酒を飲み、愚痴り、そして久しぶりに身体を重ねた。
快楽すらない、ただ苛立ちをぶつけるような情事に、横澤は付き合ってくれた。
これでもうすっぱりと忘れられる。
そう思った高野に、横澤は意外な提案をした。
小野寺律を婚約者から奪ってしまわないか?俺とお前で。
言われた瞬間、何を言っているのかよくわからなかった。
だが常軌を逸した横澤の目の色から、その意図を悟る。
横澤は2人がかりで、律を貶めようと言っているのだ。
非常識で甘美な悪魔の誘惑に、高野はあっけなく折れた。
こんなことして、楽しいですか?
事を成し遂げた後、律は冷ややかに高野と横澤を罵った。
それはそうだろう。
高野と横澤は帰宅した律の腕を掴んで、部屋に引きずり込んだ。
強引に服を剥ぎ取ると、縛り上げて、その身体を陵辱したのだ。
しかも怪しげな玩具や薬で散々嬲って、快楽に堕としてから、交互に犯した。
すごく楽しいぜ。政宗の心を踏みにじったお前をいたぶるのは。
横澤は挑発するようにそう答えると、律の目の前にデジタルカメラをかざしてみせる。
律が2人に犯される様子は、しっかりと撮影されていた。
それをネタに口止めをして、さらにこの関係を続けることを強要した。
こうして横澤と高野は、律を所有することに成功したのだった。
それからこうして時々律を呼び出して、2人がかりで身体を玩んでいる。
最初は少々罪悪感もあった高野だが、今はもうない。
律は毎回憎しみを含んだ目で、高野を睨みつけてくれるからだ。
こんなに関係がこじれた今、もう律と恋愛することは諦めた。
高野と律を繋ぐものは、もう憎しみしかないだろう。
律の中にはその憎しみが、尽きることなく渦巻いているように見える。
こうしてまだ気持ちがつながっていることを確認するのだ。
それでもさすがに事が終わった後、ぐったりしている律を見るとかわいそうになる。
男2人の容赦ない性交の相手をするのは、つらいのだろう。
だが高野は1度たりとも、律の身体を労わるようなことはしなかった。
涙もでない。もう絶対に恋で泣くことはない。
高野はぐったりとベットに沈む恋人への想いを打ち消すように、そう思った。
*****
涙もでない。美しい初恋は永遠に失われてしまったのだから。
小野寺律は、どこか白けた気分でそう思った。
自分の運命が圧倒的に変わってしまったのは、いつのことだろうか?
会社から帰ったとき、高野の部屋に引っ張り込まれて、横澤と高野にのしかかられたあの日?
いや杏がマンションに訪ねてきたあの日かもしれない。
あの時から高野は急によそよそしく、冷たい表情になったのだから。
2人は律を裸に剥いて、恥ずかしい格好に縛り上げた。
そして薬や玩具、そして自分たちの指や舌で散々に嬲って、律を追い上げた。
何度も達した後、2人の欲望を受け止めさせらせる。
男のしてのプライドを踏みにじる卑劣なやり方で、レイプされてしまったのだ。
さらに写真と動画を撮影されて、公表されたくなかったらこれからも相手をしろと言われた。
それ以来、律は時々高野の部屋に呼び出されて、2人に抱かれている。
怒りの気持ちはもちろんある。
確かに杏のことで、高野は不愉快な思いをしたかもしれない。
だがその報復としては、酷すぎるのではないかと思う。
それに横澤がからんでくる理由だって理解できない。
だから呼び出されるたびに、2人を睨みつけてやる。
お前たちのやっていることは愚かしい暴挙なのだと、侮蔑を込めて。
だがそれとは別に身体は実に正直に、快楽に溺れていた。
元々自分の身体が男に抱かれて感じる淫蕩なものだという自覚はあった。
それが2人がかりの手練手管で嬲られてはもうたまらない。
律は2人を軽蔑しながら、実はその2人に抱かれることを待ち焦がれている。
それにしても横澤さんって、受けだったんだ。
2人との関係に慣れてきた律は、今さらながらにそんなことを考えている。
学生時代に「寝た」ことがあるとは聞いた。
だがそっちが攻めで、受けなのか、想像するだけで寒気がした。
そんな疑問も同時に相手をしたことで、氷解した。
終始攻めに迷いがない高野に対して、横澤の攻めは少々ぎこちない。
きっと男相手に攻め慣れていないのだ。
そんなどうでもいいことを考えながら、ずるずると2人との関係を続けている。
この関係に終止符を打つことは簡単だ。
会社社長である父親に泣きつけばいいのだ。
上から手を回して、横澤と高野を丸川から追放するか。
それとも裏から手を回して、2人を人知れず社会から抹殺するかもしれない。
小野寺家に実はそういう力があることを、律は骨身に沁みてよく知っている。
何せ小さい子供のうちに、そういう権力者の家同士で子供の結婚を決めてしまう一族なのだ。
それをしないのは、この快楽をもっと貪りたいから。
律は自分にそう言い聞かせるように、2人との情事に溺れている。
そしてかなり少なくなっている憎しみを必死にかき集めて、2人を睨む。
こんなことをしているのは自分の意思ではないと言い訳するように。
なぜそこまでしてこの関係を続けるのか。
律はその答えにあえて目を背けて、考えないようにしている。
2人とも好きになってしまっているなんて、ありえないし、馬鹿げている。
高野はもう以前の彼ではないし、横澤にいたっては意味不明としか言いようがない。
涙もでない。美しい初恋は永遠に失われてしまったのだから。
小野寺律は、どこか白けた気分でそう思った。
*****
涙もでない。嬉しいのか悲しいのかよくわからない。
横澤隆史は、自分の勝ちとしか思えない展開なのに、困惑していた。
高野の前に律が現れたとき、もう横澤の勝ちはなくなった。
律は横澤より華奢で、見目形も麗しい青年だ。
高野の腕の中にいるのは、律の方がふさわしいだろう。
何よりも当の高野が、律しかもう眼中にないという感じだった。
そんな横澤に巡ってきた些細なチャンス。
律の婚約者だという女がマンションに来たと言う。
横澤は、ショックを受けて自分の部屋にやって来た高野を言葉巧みに誘導した。
酒を飲ませて、ベットに誘い、久しぶりに身体を重ねた。
そして事が終わった後に持ちかけたのだ。
小野寺律を婚約者から奪ってしまわないか?俺とお前で、と。
まさか高野が首を縦に振るとは、夢にも思わなかった。
かくして高野と2人がかりで、律を手に入れた。
今では律は、高野と2人で飼うペット-ソラ太のような存在だ。
恋敵として認識していた時にはただただ憎かったが、ベットの中で快感に震える姿はかわいいと思う。
なるほどこうして高野を誑し込んだのか、などと想像すると楽しささえ感じる。
だが不思議なことに、少しもいい気分にはなれないのだ。
片想いという圧倒的な負けから状況は一転したのだ。
高野は結局律だけを愛しているのは変わらないようだから、勝ちとは言い難いだろう。
それでも高野と定期的に情事に及ぶわけだから、引き分けくらいには巻き返したはずだ。
今日も所用でエメラルド編集部に顔を出した横澤は、腑に落ちない。
高野も律も何事もないように仕事をしていたし、横澤も事務的な伝言をしたりする。
だが以前とは確実に何かが変わっており、それが何だかわからないのだ。
横澤。ちょうどよかった。次回の書店でのイベントの件だけど。
エメラルド編集部を出た横澤は、呼び止められて足を止めた。
声をかけたのはジャプンの編集長の桐嶋禅だ。
月末にジャプンの作家のイベントがブックス「まりも」で開催される件だろう。
横澤は「はい、その件は」と言いながら、手帳を開く。
そして短く2、3言の業務連絡を交わすと、足早に営業部に戻った。
横澤は知らない。
もし思いつきで不埒な計略を仕掛けなければ、この桐嶋が自分の恋人になったことを。
そして桐嶋と娘の日和と、歪だけれどそれなりに楽しい日々を送れたのだ。
そしてもし今、横澤が桐嶋に今の自分の心境を打ち明けていたら。
きっと桐嶋はこう忠告しただろう。
横澤は結局高野と律との関係と引き換えに、友人としての高野を失ったのだ。
それがプラマイゼロもしくはマイナスだから、少しもいい気分になれないのだと。
横澤が自分でそれに気付けるか、新しい恋に踏み出すことができるのか。
今のところは桐嶋も横澤も知る由もないことだ。
【終】
*4巻の終盤の杏ちゃん登場後、横澤さんの家に行く高野さんを律っちゃんが引き止めなかったという設定です*
涙もでない。もう絶対に恋で泣くことはない。
高野政宗はぐったりとベットに沈む恋人への想いを打ち消すように、そう思った。
律に親が決めた婚約者がいるのは知っていた。
だがそこに律の気持ちはないものと思っていた。
この現代に政略結婚なんて、ナンセンスだ。
それに律は反抗的な態度は見せても、心の底では高野を愛してくれていると信じていた。
だがマンションの前で婚約者だという女が待っていたあの日、その自信は揺らいだ。
小さくて、かわいくて、フワフワした印象の女。
甘えた様子で律にじゃれ付く様子は、まるで少女のようだった。
律の横には、ああいう女の方が似つかわしいのだろう。
何よりも衝撃を受けたのは、律が少しも嫌がる素振りを見せなかったことだ。
連絡もなく現れた彼女に困惑こそしたものの、笑顔で話をしていた。
その夜、高野は半ばヤケになり、横澤の家に向かった。
横澤相手に酒を飲み、愚痴り、そして久しぶりに身体を重ねた。
快楽すらない、ただ苛立ちをぶつけるような情事に、横澤は付き合ってくれた。
これでもうすっぱりと忘れられる。
そう思った高野に、横澤は意外な提案をした。
小野寺律を婚約者から奪ってしまわないか?俺とお前で。
言われた瞬間、何を言っているのかよくわからなかった。
だが常軌を逸した横澤の目の色から、その意図を悟る。
横澤は2人がかりで、律を貶めようと言っているのだ。
非常識で甘美な悪魔の誘惑に、高野はあっけなく折れた。
こんなことして、楽しいですか?
事を成し遂げた後、律は冷ややかに高野と横澤を罵った。
それはそうだろう。
高野と横澤は帰宅した律の腕を掴んで、部屋に引きずり込んだ。
強引に服を剥ぎ取ると、縛り上げて、その身体を陵辱したのだ。
しかも怪しげな玩具や薬で散々嬲って、快楽に堕としてから、交互に犯した。
すごく楽しいぜ。政宗の心を踏みにじったお前をいたぶるのは。
横澤は挑発するようにそう答えると、律の目の前にデジタルカメラをかざしてみせる。
律が2人に犯される様子は、しっかりと撮影されていた。
それをネタに口止めをして、さらにこの関係を続けることを強要した。
こうして横澤と高野は、律を所有することに成功したのだった。
それからこうして時々律を呼び出して、2人がかりで身体を玩んでいる。
最初は少々罪悪感もあった高野だが、今はもうない。
律は毎回憎しみを含んだ目で、高野を睨みつけてくれるからだ。
こんなに関係がこじれた今、もう律と恋愛することは諦めた。
高野と律を繋ぐものは、もう憎しみしかないだろう。
律の中にはその憎しみが、尽きることなく渦巻いているように見える。
こうしてまだ気持ちがつながっていることを確認するのだ。
それでもさすがに事が終わった後、ぐったりしている律を見るとかわいそうになる。
男2人の容赦ない性交の相手をするのは、つらいのだろう。
だが高野は1度たりとも、律の身体を労わるようなことはしなかった。
涙もでない。もう絶対に恋で泣くことはない。
高野はぐったりとベットに沈む恋人への想いを打ち消すように、そう思った。
*****
涙もでない。美しい初恋は永遠に失われてしまったのだから。
小野寺律は、どこか白けた気分でそう思った。
自分の運命が圧倒的に変わってしまったのは、いつのことだろうか?
会社から帰ったとき、高野の部屋に引っ張り込まれて、横澤と高野にのしかかられたあの日?
いや杏がマンションに訪ねてきたあの日かもしれない。
あの時から高野は急によそよそしく、冷たい表情になったのだから。
2人は律を裸に剥いて、恥ずかしい格好に縛り上げた。
そして薬や玩具、そして自分たちの指や舌で散々に嬲って、律を追い上げた。
何度も達した後、2人の欲望を受け止めさせらせる。
男のしてのプライドを踏みにじる卑劣なやり方で、レイプされてしまったのだ。
さらに写真と動画を撮影されて、公表されたくなかったらこれからも相手をしろと言われた。
それ以来、律は時々高野の部屋に呼び出されて、2人に抱かれている。
怒りの気持ちはもちろんある。
確かに杏のことで、高野は不愉快な思いをしたかもしれない。
だがその報復としては、酷すぎるのではないかと思う。
それに横澤がからんでくる理由だって理解できない。
だから呼び出されるたびに、2人を睨みつけてやる。
お前たちのやっていることは愚かしい暴挙なのだと、侮蔑を込めて。
だがそれとは別に身体は実に正直に、快楽に溺れていた。
元々自分の身体が男に抱かれて感じる淫蕩なものだという自覚はあった。
それが2人がかりの手練手管で嬲られてはもうたまらない。
律は2人を軽蔑しながら、実はその2人に抱かれることを待ち焦がれている。
それにしても横澤さんって、受けだったんだ。
2人との関係に慣れてきた律は、今さらながらにそんなことを考えている。
学生時代に「寝た」ことがあるとは聞いた。
だがそっちが攻めで、受けなのか、想像するだけで寒気がした。
そんな疑問も同時に相手をしたことで、氷解した。
終始攻めに迷いがない高野に対して、横澤の攻めは少々ぎこちない。
きっと男相手に攻め慣れていないのだ。
そんなどうでもいいことを考えながら、ずるずると2人との関係を続けている。
この関係に終止符を打つことは簡単だ。
会社社長である父親に泣きつけばいいのだ。
上から手を回して、横澤と高野を丸川から追放するか。
それとも裏から手を回して、2人を人知れず社会から抹殺するかもしれない。
小野寺家に実はそういう力があることを、律は骨身に沁みてよく知っている。
何せ小さい子供のうちに、そういう権力者の家同士で子供の結婚を決めてしまう一族なのだ。
それをしないのは、この快楽をもっと貪りたいから。
律は自分にそう言い聞かせるように、2人との情事に溺れている。
そしてかなり少なくなっている憎しみを必死にかき集めて、2人を睨む。
こんなことをしているのは自分の意思ではないと言い訳するように。
なぜそこまでしてこの関係を続けるのか。
律はその答えにあえて目を背けて、考えないようにしている。
2人とも好きになってしまっているなんて、ありえないし、馬鹿げている。
高野はもう以前の彼ではないし、横澤にいたっては意味不明としか言いようがない。
涙もでない。美しい初恋は永遠に失われてしまったのだから。
小野寺律は、どこか白けた気分でそう思った。
*****
涙もでない。嬉しいのか悲しいのかよくわからない。
横澤隆史は、自分の勝ちとしか思えない展開なのに、困惑していた。
高野の前に律が現れたとき、もう横澤の勝ちはなくなった。
律は横澤より華奢で、見目形も麗しい青年だ。
高野の腕の中にいるのは、律の方がふさわしいだろう。
何よりも当の高野が、律しかもう眼中にないという感じだった。
そんな横澤に巡ってきた些細なチャンス。
律の婚約者だという女がマンションに来たと言う。
横澤は、ショックを受けて自分の部屋にやって来た高野を言葉巧みに誘導した。
酒を飲ませて、ベットに誘い、久しぶりに身体を重ねた。
そして事が終わった後に持ちかけたのだ。
小野寺律を婚約者から奪ってしまわないか?俺とお前で、と。
まさか高野が首を縦に振るとは、夢にも思わなかった。
かくして高野と2人がかりで、律を手に入れた。
今では律は、高野と2人で飼うペット-ソラ太のような存在だ。
恋敵として認識していた時にはただただ憎かったが、ベットの中で快感に震える姿はかわいいと思う。
なるほどこうして高野を誑し込んだのか、などと想像すると楽しささえ感じる。
だが不思議なことに、少しもいい気分にはなれないのだ。
片想いという圧倒的な負けから状況は一転したのだ。
高野は結局律だけを愛しているのは変わらないようだから、勝ちとは言い難いだろう。
それでも高野と定期的に情事に及ぶわけだから、引き分けくらいには巻き返したはずだ。
今日も所用でエメラルド編集部に顔を出した横澤は、腑に落ちない。
高野も律も何事もないように仕事をしていたし、横澤も事務的な伝言をしたりする。
だが以前とは確実に何かが変わっており、それが何だかわからないのだ。
横澤。ちょうどよかった。次回の書店でのイベントの件だけど。
エメラルド編集部を出た横澤は、呼び止められて足を止めた。
声をかけたのはジャプンの編集長の桐嶋禅だ。
月末にジャプンの作家のイベントがブックス「まりも」で開催される件だろう。
横澤は「はい、その件は」と言いながら、手帳を開く。
そして短く2、3言の業務連絡を交わすと、足早に営業部に戻った。
横澤は知らない。
もし思いつきで不埒な計略を仕掛けなければ、この桐嶋が自分の恋人になったことを。
そして桐嶋と娘の日和と、歪だけれどそれなりに楽しい日々を送れたのだ。
そしてもし今、横澤が桐嶋に今の自分の心境を打ち明けていたら。
きっと桐嶋はこう忠告しただろう。
横澤は結局高野と律との関係と引き換えに、友人としての高野を失ったのだ。
それがプラマイゼロもしくはマイナスだから、少しもいい気分になれないのだと。
横澤が自分でそれに気付けるか、新しい恋に踏み出すことができるのか。
今のところは桐嶋も横澤も知る由もないことだ。
【終】