アイシ×おお振り×セカコイ【お題:囚われたお題】
【牢屋の中】
あの少年はどこに消えてしまったのだろう。
青年はずっとそのことを考え続けている。
その少年は高校の2年後輩だった。
図書室でよく顔を合わせていて、次第に挨拶をするようになった。
2人の距離は少しずつ狭まり、学校帰りに食事をしたり、家に呼んだりもした。
だが青年は3年生、じきに高校を卒業する。
少年は「先輩と同じ大学に行きます!」と宣言した。
今思えば、キラキラした大きな瞳の少年に恋をしていたと思う。
そして少年も同じ気持ちであったと信じている。
大学に入ってからは、なかなか会えなかった。
やはり高校と大学では、生活体系が違いすぎるのだ。
それでも毎日、メールは欠かせなかった。
大学構内の写真を送ったりすると「もうすぐ俺も行きます!」と返信が来た。
青年も2人で一緒にキャンパスを歩くのを楽しみにしていたのだ。
最後のメールは合格発表の日の朝だ。
これから見に行く、見たらメールすると書かれている。
だがそれ以降、少年と連絡が取れなくなった。
メールも電話も通じない。
たまりかねて少年の自宅にまで行った。
すると家政婦と思しき女性に「この家に子供はいません」と言われた。
信じられない。
休日にデートして、何度も送り届けた家なのだ。
少年がこの家に入っていくのを、何度も見ているのに。
青年は大学を卒業した。
一緒にキャンパスを歩く夢は、ついに叶わなかったのだ。
そして社会人となった今も、あの少年のことを忘れられずにいた。
「りつ」
青年は携帯電話を見ながら、今日も呟く。
唯一残された画像だけが、少年は幻ではなかったと教えてくれる。
*****
「監禁された少年、か。」
蛭魔が難しい顔で考えている。
彼の頭脳は常人の何倍もの考察力を備えている。
それは超能力をも上回る、稀有な才能だ。
強烈な予知夢を見たレンは、半日以上眠っていた。
そしてようやく目を覚ました後は、猛烈な勢いで食事をしている。
小さな身体に似つかわしくない食欲に、見た者は驚く。
だが仲間たちの間ではすっかりお馴染みの食事風景だ。
今も蛭魔も阿部もセナも動じることなく、その横でコーヒーを飲んでいた。
脳を使うと、異常に食欲が増進するらしい。
彼らはそれをレンよりセナで、実感していた。
知り合ってからその能力を開花させたセナは、それまでは小食だった。
だが最近はその数倍も食べるようになった。
「その少年を助けたいのか?」
阿部が取りまとめるようにそう言うと、レンが「うんうん」と頷く。
その拍子に口から米粒がいくつか飛んだ。
それが少しも下品に見えないのは、レンの育ちのよさだ。
「でもその子、どこの誰かもわからないんでしょ?それだけじゃ。。。」
セナがレンの茶碗におかわりをよそってやりながら、ため息をつく。
飯をいっぱいに頬張りながらのレンの説明から、わかることは少ない。
監禁された少年がいるということ。
そして少年は能力者で、その力が覚醒したら大変なことになるということだけだ。
「場所、は、わかる!」
おかわりもあっと言う間に平らげたレンが、元気よく叫んだ。
それを聞いた一同はどっと脱力する。
一番重要な手がかりをなぜ一番最後に言うのか、と。
「どこなの?」
短気な蛭魔や阿部が声を荒げる前に、セナが慌てて口を挟む。
そうしながらレンの食後の茶を淹れ始めた。
能力を多く使った後は、和食と緑茶。
レンもセナもどうでもいいようなポリシーを共有していた。
*****
「三星、神社。奥の、離れ」
レンは「ご馳走様」と箸を置き、両手を合わせた後、そう言った。
3人は思わずレンの表情を見た。
茶をすするレンの表情に、少しだけつらそうな色が見えた。
三星神社はレンの実家だ。
レンの実家、三橋家は予知能力者の家系で、それによって富を得ている。
事前に起こることを予知し、それを政財界の有力者に「予言」し、報酬を得る。
世界を揺るがすような事象を事前に知ることは、巨万の富を生み出すのだ。
レンは生まれてからずっと三星神社に軟禁状態で、能力を磨くことを課せられた。
一族の中でも強大な力を持つレンは、次期後継者のはずだったのだ。
「監禁されてるの、元、俺の、部屋。牢屋の中、だ。」
「レンの使ってた部屋?牢屋?」
「外から、だけ、鍵、かかる。高い窓、で、外、見えない。」
蛭魔も阿部もセナも、一気に緊張が高まった。
レンの実家、三橋家は。日本を影から牛耳っていると言っても過言でない。
その三橋家が能力者を監禁しているという事実は重い。
彼らの狙いはまだわからないが、どう想像してもいい結論に向かわないのだ。
「偽造パスポートが必要だな。」
阿部は軽い口調で呟くと、立ち上がった。
レンの従兄弟たちもまた予知能力者なのだ。
こちらが少年の身柄の強奪を考えていることは、じきに予知されてバレる。
権力者に人脈を持つ彼らは、当然彼らの日本への入国を厳しくチェックするだろう。
「俺はその間に情報を集める。」
蛭魔が阿部に続いて、立ち上がった。
トラブルシューターとして一緒に仕事をする2人には、独自の間合いがある。
特に相談しなくても、目を合わせるだけで役割分担ができるのだ。
「僕たちは充電だね。」
セナがレンの湯飲みに、おかわりの茶を注ぎながらそう言った。
レンがうんうんと頷く。
蛭魔が作戦を立て、阿部がルートを作る。
セナとレンはいつでも効果的に能力が使えるように、今のうちに休養だ。
彼らの戦いが今、始まろうとしていた。
*****
「廉が気付いたかもしれません。」
一族の主である老人にそれを告げたのは、レンに面差しがよく似た女性だった。
その横にひかえる若い男もまたレンによく似ている。
三星神社の広い本堂の祭壇の前に、和装の老人が座っている。
その正面に座るレンに似た女性は老人の孫で、レンの従姉妹の瑠里だ。
横の男は瑠里の弟の琉だった。
レンが出奔した後、この2人が三橋家の後継者だった。
「で?どこまで気付いた?」
「わかりません。廉が予知したことしか。」
瑠里の言葉に、老人の表情が不機嫌に歪んだ。
レンの祖父である老人は「三橋家始まって以来」と評された強い予知能力を持っていた。
だが年齢のせいか、長年の酷使のせいか、今はもう未来が見えない。
老人の2人の息子は、能力がほとんど覚醒しなかった。
だが孫の1人、レンに祖父と同じ程度の能力があった。
これで一族は安泰と思った矢先、レンは三橋家から逃げたのだ。
残り2人の孫にも能力はあったが、2人合わせてもかつての老人やレンには及ばない。
「律はまだ覚醒しないか?」
「まだです。」
今度は琉が答える。
瑠璃も琉も、老人が静かに怒っていることに恐怖を感じていた。
「あの男たち、蛭魔、だったか?律を奪いに来るか?」
「来ます。」
瑠里が即答した。
レンは間違いなく「律」を助けたいと願い、彼らはそれを叶えるために動くはずだ。
予知ではなく、幼い頃から知る従兄弟の性格を思えばわかるのだ。
「とにかく律を逃がすな。奪われたら三橋家は終わる。」
老人はそう言い放つと、立ち上がった。
瑠里と琉は床に手をつき、深々と頭を下げた。
*****
「レン、お前が言ってる少年って、これか?」
蛭魔がノートパソコンの画面をレンに向けた。
レンはコクコクと力強く、何度も首を縦に振る。
画面の中には、学生服を着て恥ずかしそうに正面を見ている少年がいた。
「それにしても、よく見つけたな。」
「蛭魔さん、ドヤ顔は入りませんよ。」
阿部の賛辞に、セナの冷ややかな警告が重なった。
レンはじっと画面の中の少年を見つめている。
蛭魔の捜査方法は、至極単純なものだった。
三橋家がまだ能力が覚醒していない者を監禁しているのは、その能力を欲しているからだ。
つまり偶然見つけたのではなく、わざわざ捜した可能性が高い。
そして彼らが能力者を捜すとしたら、絶対に闇雲に街を捜すはずがない。
何しろ予知能力を受け継ぐ家系なのだ。
絶対に欲しい能力を持つ家系の、血を引く者を捜すはずだ。
「レンの従兄弟のパソコンもハッキングしたぞ。」
蛭魔は事もなげに言い切った。
日本から遠く離れたアメリカで、超能力者の血筋を捜すには、それが一番手っ取り早い。
そこで能力差の家の血縁者を根気よく辿り、姿を消している少年を見つけた。
彼は3年前、高校卒業間近に死んだとされている。
追跡できた能力者の血を引く者で、ここ最近若くして姿を消しているのは彼だけだ。
もちろんそこに行き付くまでには、いくつものパソコンのセキュリティを破っている。
「名前は小野寺律。小日向っていう能力者の家系の血縁者。わかったのはそこまでだ。」
「小日向?」
レンはそれを聞いて、息を飲んだ。
その名前に、覚えがあるのだろう。
「レン、その小日向さんって何の能力の家系なの?」
「パ、パイロキ、ネシス」
それを聞いて、今度は3人が息を飲んだ。
パイロキネシスは、火を発生させることのできる能力だ。
「そりゃまた、穏やかじゃないな。」
蛭魔が誰にともなくそう呟いた。
牢屋の中の少年が覚醒したら、惨劇が起こるのは間違いない。
何としてもそれを阻止しなければならなかった。
【続く】
あの少年はどこに消えてしまったのだろう。
青年はずっとそのことを考え続けている。
その少年は高校の2年後輩だった。
図書室でよく顔を合わせていて、次第に挨拶をするようになった。
2人の距離は少しずつ狭まり、学校帰りに食事をしたり、家に呼んだりもした。
だが青年は3年生、じきに高校を卒業する。
少年は「先輩と同じ大学に行きます!」と宣言した。
今思えば、キラキラした大きな瞳の少年に恋をしていたと思う。
そして少年も同じ気持ちであったと信じている。
大学に入ってからは、なかなか会えなかった。
やはり高校と大学では、生活体系が違いすぎるのだ。
それでも毎日、メールは欠かせなかった。
大学構内の写真を送ったりすると「もうすぐ俺も行きます!」と返信が来た。
青年も2人で一緒にキャンパスを歩くのを楽しみにしていたのだ。
最後のメールは合格発表の日の朝だ。
これから見に行く、見たらメールすると書かれている。
だがそれ以降、少年と連絡が取れなくなった。
メールも電話も通じない。
たまりかねて少年の自宅にまで行った。
すると家政婦と思しき女性に「この家に子供はいません」と言われた。
信じられない。
休日にデートして、何度も送り届けた家なのだ。
少年がこの家に入っていくのを、何度も見ているのに。
青年は大学を卒業した。
一緒にキャンパスを歩く夢は、ついに叶わなかったのだ。
そして社会人となった今も、あの少年のことを忘れられずにいた。
「りつ」
青年は携帯電話を見ながら、今日も呟く。
唯一残された画像だけが、少年は幻ではなかったと教えてくれる。
*****
「監禁された少年、か。」
蛭魔が難しい顔で考えている。
彼の頭脳は常人の何倍もの考察力を備えている。
それは超能力をも上回る、稀有な才能だ。
強烈な予知夢を見たレンは、半日以上眠っていた。
そしてようやく目を覚ました後は、猛烈な勢いで食事をしている。
小さな身体に似つかわしくない食欲に、見た者は驚く。
だが仲間たちの間ではすっかりお馴染みの食事風景だ。
今も蛭魔も阿部もセナも動じることなく、その横でコーヒーを飲んでいた。
脳を使うと、異常に食欲が増進するらしい。
彼らはそれをレンよりセナで、実感していた。
知り合ってからその能力を開花させたセナは、それまでは小食だった。
だが最近はその数倍も食べるようになった。
「その少年を助けたいのか?」
阿部が取りまとめるようにそう言うと、レンが「うんうん」と頷く。
その拍子に口から米粒がいくつか飛んだ。
それが少しも下品に見えないのは、レンの育ちのよさだ。
「でもその子、どこの誰かもわからないんでしょ?それだけじゃ。。。」
セナがレンの茶碗におかわりをよそってやりながら、ため息をつく。
飯をいっぱいに頬張りながらのレンの説明から、わかることは少ない。
監禁された少年がいるということ。
そして少年は能力者で、その力が覚醒したら大変なことになるということだけだ。
「場所、は、わかる!」
おかわりもあっと言う間に平らげたレンが、元気よく叫んだ。
それを聞いた一同はどっと脱力する。
一番重要な手がかりをなぜ一番最後に言うのか、と。
「どこなの?」
短気な蛭魔や阿部が声を荒げる前に、セナが慌てて口を挟む。
そうしながらレンの食後の茶を淹れ始めた。
能力を多く使った後は、和食と緑茶。
レンもセナもどうでもいいようなポリシーを共有していた。
*****
「三星、神社。奥の、離れ」
レンは「ご馳走様」と箸を置き、両手を合わせた後、そう言った。
3人は思わずレンの表情を見た。
茶をすするレンの表情に、少しだけつらそうな色が見えた。
三星神社はレンの実家だ。
レンの実家、三橋家は予知能力者の家系で、それによって富を得ている。
事前に起こることを予知し、それを政財界の有力者に「予言」し、報酬を得る。
世界を揺るがすような事象を事前に知ることは、巨万の富を生み出すのだ。
レンは生まれてからずっと三星神社に軟禁状態で、能力を磨くことを課せられた。
一族の中でも強大な力を持つレンは、次期後継者のはずだったのだ。
「監禁されてるの、元、俺の、部屋。牢屋の中、だ。」
「レンの使ってた部屋?牢屋?」
「外から、だけ、鍵、かかる。高い窓、で、外、見えない。」
蛭魔も阿部もセナも、一気に緊張が高まった。
レンの実家、三橋家は。日本を影から牛耳っていると言っても過言でない。
その三橋家が能力者を監禁しているという事実は重い。
彼らの狙いはまだわからないが、どう想像してもいい結論に向かわないのだ。
「偽造パスポートが必要だな。」
阿部は軽い口調で呟くと、立ち上がった。
レンの従兄弟たちもまた予知能力者なのだ。
こちらが少年の身柄の強奪を考えていることは、じきに予知されてバレる。
権力者に人脈を持つ彼らは、当然彼らの日本への入国を厳しくチェックするだろう。
「俺はその間に情報を集める。」
蛭魔が阿部に続いて、立ち上がった。
トラブルシューターとして一緒に仕事をする2人には、独自の間合いがある。
特に相談しなくても、目を合わせるだけで役割分担ができるのだ。
「僕たちは充電だね。」
セナがレンの湯飲みに、おかわりの茶を注ぎながらそう言った。
レンがうんうんと頷く。
蛭魔が作戦を立て、阿部がルートを作る。
セナとレンはいつでも効果的に能力が使えるように、今のうちに休養だ。
彼らの戦いが今、始まろうとしていた。
*****
「廉が気付いたかもしれません。」
一族の主である老人にそれを告げたのは、レンに面差しがよく似た女性だった。
その横にひかえる若い男もまたレンによく似ている。
三星神社の広い本堂の祭壇の前に、和装の老人が座っている。
その正面に座るレンに似た女性は老人の孫で、レンの従姉妹の瑠里だ。
横の男は瑠里の弟の琉だった。
レンが出奔した後、この2人が三橋家の後継者だった。
「で?どこまで気付いた?」
「わかりません。廉が予知したことしか。」
瑠里の言葉に、老人の表情が不機嫌に歪んだ。
レンの祖父である老人は「三橋家始まって以来」と評された強い予知能力を持っていた。
だが年齢のせいか、長年の酷使のせいか、今はもう未来が見えない。
老人の2人の息子は、能力がほとんど覚醒しなかった。
だが孫の1人、レンに祖父と同じ程度の能力があった。
これで一族は安泰と思った矢先、レンは三橋家から逃げたのだ。
残り2人の孫にも能力はあったが、2人合わせてもかつての老人やレンには及ばない。
「律はまだ覚醒しないか?」
「まだです。」
今度は琉が答える。
瑠璃も琉も、老人が静かに怒っていることに恐怖を感じていた。
「あの男たち、蛭魔、だったか?律を奪いに来るか?」
「来ます。」
瑠里が即答した。
レンは間違いなく「律」を助けたいと願い、彼らはそれを叶えるために動くはずだ。
予知ではなく、幼い頃から知る従兄弟の性格を思えばわかるのだ。
「とにかく律を逃がすな。奪われたら三橋家は終わる。」
老人はそう言い放つと、立ち上がった。
瑠里と琉は床に手をつき、深々と頭を下げた。
*****
「レン、お前が言ってる少年って、これか?」
蛭魔がノートパソコンの画面をレンに向けた。
レンはコクコクと力強く、何度も首を縦に振る。
画面の中には、学生服を着て恥ずかしそうに正面を見ている少年がいた。
「それにしても、よく見つけたな。」
「蛭魔さん、ドヤ顔は入りませんよ。」
阿部の賛辞に、セナの冷ややかな警告が重なった。
レンはじっと画面の中の少年を見つめている。
蛭魔の捜査方法は、至極単純なものだった。
三橋家がまだ能力が覚醒していない者を監禁しているのは、その能力を欲しているからだ。
つまり偶然見つけたのではなく、わざわざ捜した可能性が高い。
そして彼らが能力者を捜すとしたら、絶対に闇雲に街を捜すはずがない。
何しろ予知能力を受け継ぐ家系なのだ。
絶対に欲しい能力を持つ家系の、血を引く者を捜すはずだ。
「レンの従兄弟のパソコンもハッキングしたぞ。」
蛭魔は事もなげに言い切った。
日本から遠く離れたアメリカで、超能力者の血筋を捜すには、それが一番手っ取り早い。
そこで能力差の家の血縁者を根気よく辿り、姿を消している少年を見つけた。
彼は3年前、高校卒業間近に死んだとされている。
追跡できた能力者の血を引く者で、ここ最近若くして姿を消しているのは彼だけだ。
もちろんそこに行き付くまでには、いくつものパソコンのセキュリティを破っている。
「名前は小野寺律。小日向っていう能力者の家系の血縁者。わかったのはそこまでだ。」
「小日向?」
レンはそれを聞いて、息を飲んだ。
その名前に、覚えがあるのだろう。
「レン、その小日向さんって何の能力の家系なの?」
「パ、パイロキ、ネシス」
それを聞いて、今度は3人が息を飲んだ。
パイロキネシスは、火を発生させることのできる能力だ。
「そりゃまた、穏やかじゃないな。」
蛭魔が誰にともなくそう呟いた。
牢屋の中の少年が覚醒したら、惨劇が起こるのは間違いない。
何としてもそれを阻止しなければならなかった。
【続く】