アイシ×おお振り×セカコイ×黒バス×図書戦【お題:仄かに暗い15題-2】

【衝動】

「うそ、マジで!?」
久しぶりの面々再会した律は、声を上げた。
彼らは相変わらず年齢を感じさせず、その瞳は生き生きとしている。
だがその中に、風貌が変わり過ぎている者が混ざっていたのだ。

その夜「カフェ・デビルバッツ」は貸し切りだった。
雪名皇の個展が終了し、関係者が集まって打ち上げが行なわれたのだ。
ホールのレイアウトはこの日に限って、大幅変更だ。
椅子を取っ払い、テーブルを動かして、立食パーティとしたからだ。

「雪名君!個展の成功、おめでとう!」
遅れて到着した律は主役である雪名を見つけ、ツカツカと歩み寄った。
律本人は特に考えていないが、何しろ美貌の御曹司。
雪名と話したくて取り巻いていた者たちも、ついつい場所を開けてしまう。
今の律にはそれくらいの存在感があった。

「これ!お祝い!」
律が差し出したのは、大きなフラワーアレンジメントだった。
大輪のバラをあしらった、わかりやすく高そうなものだ。
この場合、花は単に花の意味合いではない。
実際、花などはウンザリするほどたくさん贈られて、ありがたくも何ともないだろう。
だが「小野寺出版の御曹司」から「高価な花」であることが重要なのだ。
この事実は関係者に広まり、今後の画家、雪名皇の将来に影響を及ぼす。

「ありがとうございます!」
雪名は満面の笑顔でフラワーアレンジメントを受け取った。
その瞬間、そこここからスマホのシャッター音が響き、フラッシュが光る。
美貌の2人、しかも将来有望な画家と社長令息。
話題性もビジュアル的要素もほぼ満点だ。
ひとしきり撮影が終わると、ようやく律もグラスを取って雪名と乾杯することができた。

「あれ?木佐さんは?」
ワインで人心地ついた律は、会場をキョロキョロと見回した。
そこには懐かしい見知った顔ぶれも多い。
だが誰よりも雪名のそばにいるであろうパートナー、木佐の姿が見えないのだ。

「よぉ、遅かったな。」
声をかけて来たのは、高野だった。
律は「どうも」と挨拶しながら、尚もキョロキョロする。
それを察した高野が「木佐!」と声を上げて、手を振った。
それに気付きに「高野さん!律っちゃん!」と駆け寄って来た人物を見て、律は固まった。

「うそ、マジで!?」
律が声を上げたのも、無理はない。
しばらく会わない間に、かつての同僚、木佐翔太の髪は肩まで伸びていた。
それをしっかりと巻いて、さらにうっすらとメイクまでしている。
服装はカジュアルなパンツスタイルで、男でも女でも通用するものだ。
結果として木佐は性別、年齢不詳の不思議な仕上がりになっていた。

「似合う?個展の成功の願掛けで髪を伸ばしててさ。」
「メイクまでして」
「そろそろこういうことしないと、年齢はごまかせないからさぁ。」

カラカラと笑う木佐に、律は唖然呆然だ。
すると「うわ、木佐」「やり過ぎじゃない?」「でも綺麗だし」などと声がかかる。
いつの間にか、羽鳥と吉野、桐嶋と横澤まで集まって来ていたのだ。

「俺も伸ばそうかな。実は結構伸びちゃってて」
そんなことを言い出したのは、少女漫画家吉川千春こと吉野千秋だ。
締め切りに追われて、切る暇がなかった髪はヘアワックスで固めていた。
羽鳥が「似合うかもな」などと言い出したことで、律はまた驚いた。
何しろ羽鳥は常識人であり、普段ならそんなことは言わない。
どうやらかなり飲んでおり、酔いにまかせた衝動的な発言だろう。

律が高野を見ると、木佐の髪を面白そうに見ていた。
恋人のために髪を伸ばすって、何だかんだで萌えるシチュエーションだ。
だが会社勤めの律には難しいだろう。
そんなことを考えながら、ふと横澤の方を見た律はまたしても驚く。
横澤が律の視線に気づき「何だ?」と聞いていたが、律は「いえ、別に」とやり過ごした。

白髪が増えてて、驚きました。
律は心の中でそう思ったが、どうにか飲み込んだのだ。
衝動的にそんなことを言ったら文句どころでは済まないことを、律は経験から学んでいたのである。

*****

「ヒル魔、何かフク!」
赤の帝王は店に入るなり、そう叫んだ。
店の奥、指定席に陣取りパソコンを叩いていたヒル魔は「あ?」と声を上げた。

チーム「VORPAL SWORDS」再結成。
今バスケ好きの間では、もっぱらそれが話題になっている。
日本人ならスポーツに詳しくなくても「キセキの世代」という名は知っている。
10年に1度と言われた天才たちが、同じ年に5人も現れた。
そこに「キセキならざるキセキ」火神と「幻の6人目(シックスマン)」黒子が加わったチームだ。

バスケットボールという種目は、体格や身体能力的に日本人は不利とされている。
だが高校時代「VORPAL SWORDS」は、アメリカの代表チームに勝っているのだ。
当時は大きなニュースになったし、日本中が盛り上がった。
だがなぜか彼らの中でバスケを職業としたのは、2人だけ。
強さとミステリアスさを兼ね備えた彼らの再結成となれば、話題になるのは当然だった。

彼らは日本のプロバスケットリーグ、Bリーグ選抜と戦うことになった。
ここ最近は今1つ、バスケ人気が停滞している。
アメリカのNBAで選手登録している日本人も、しばらく出ていない。
そこで盛り上げるイベントとして計画されたのだ。

試合の様子はCS放送ではあるが、生中継されることになった。
そして今日はその宣伝のための番組を撮影することになった。
場所はなんと「カフェ・デビルバッツ」3号店の2階。
カジノ仕様に設えられた空間で、インタビューと写真撮影となったのだが。

「黒子、何だよ!それ!?」
簡単な打ち合わせをして、そろそろ撮影開始の時間。
思わず声を上げたのは火神だ。

「こればっかりは火神が正しいぞ。テツ」
「オレもそう思うのだよ。」
「悪いけど、オレも~」
「黒子っち。こればっかりはオレもっす。」

青峰、緑間、紫原、黄瀬までもが、火神寄りだ。
撮影のスタッフたちもわかりやすく困惑している。
そこへ少し離れて私用の電話をしていた赤司が「何の騒ぎだ?」と輪の中に加わった。

「黒子っち、この服でテレビに出るっていうんすよ!」
「いくら何でもおかしいだろ!」
「っていうか、ダサい」
「無理でしょ」
「目立つし、浮くぞ。」
「・・・でもボク、スーツとか持ってないんで!」

そう、黒子以外の6人は上質なスーツやブランド物のウェアで決めていた。
撮影衣装は自前ということで、それなりの準備をしてきたのだ。
だが黒子だけは白いシャツとジーパンだ。
しかも元々安価で、さらに着古された感が満載だったのだ。

「確かにそれはダメだろう。」
さすがの赤司も呆然としながら、ダメ出しをした。
だが黒子は「黒のシャツならいいですか?」などと真剣に聞いてくる。
赤司は衝動的に「んなわけないだろ!」と声を上げていた。

わかっているのだ。
黒子はこういうことにトコトン無頓着であることは。
そして予想するべきだった。
だが今はそんなことを言っている場合ではない。
赤司はすかさず「ちょっと待ってろ!」と叫ぶと、店を飛び出す。
そして「カフェ・デビルバッツ」のメインダイニングに飛び込んだのだ。

「ヒル魔、何かフク!」
「あ?フク?」
「服だよ。お前の私服を貸せ!」
「何だと?」

事情を聞いたヒル魔もセナも大爆笑だ。
だが何とかヒル魔の私服を借り受けることで、事なきを得た。
黒子とヒル魔はタイプこそ全然違うが、体型はよく似ているのだ。
こうして黒子はヒル魔のアメリカンテイストのスーツに身を包んで、撮影に臨んだのだった。

*****

「このところ貸し切り、続くよな。」
阿部はテキパキと食器を並べながら、そう言った。
三橋は料理を丁寧にさらに盛り付けながら「そ、だね」と頷いた。

この日も「カフェ・デビルバッツ」は貸し切り営業だ。
午後2時でランチタイムの営業を終えた後、店を閉めた。
そしてここから阿部と三橋の戦いは始まった。
今夜は貸し切り営業に備えて、阿部と三橋はその準備に取り掛かった。

このところ貸し切りが続いている。
阿部の言葉は、まさにその通りだった。
つい先日は、雪名皇の個展の打ち上げだった。
今夜が再結成した「VORPAL SWORDS」の試合が行なわれる。
そして試合後の打ち上げは、ここで行なわれることになっていた。
さらにもうしばらくすると、ヒル魔やセナがアメフトの試合をすることになっている。
その打ち上げも「カフェ・デビルバッツ」で行なう予定だった。

「雄大、君、これ、運んで!」
三橋は雄大に声をかけた。
今日はもちろん黒子はいないし、セナと鈴音も試合観戦に出かけている。
だいぶお腹が大きくなった郁は、もう産休に入っている。
つまり頼れる面々がいない状況で、阿部と三橋はバイトたちを仕切って準備をしていたのだった。

「黒子君、ヒル魔さんの服が似合ってたな。」
「うん。意外、と。」
阿部と三橋はそんな会話を交わしながらも、準備の手は止まらない。
それは先日コインランドリーの2階で、テレビの撮影をしたときのこと。
私服でいいと言われた黒子は、普段着のシャツとジーパンのままだった。
だが残りの面々にダメ出しされ、ヒル魔の服を借りることになったのだが。

そして今日もその服を着て、黒子は会場入りしている。
チケットはすでに完売しているそうだし、多くの人が集まることが予想される。
そんな場にヨレヨレのシャツとジーパンで来るなと、黒子は赤司に念押しされたのだ。

「セナさん、悔しがってたなぁ」
「そ、だね」
阿部と三橋は顔を寄せて、笑い合った。
ヒル魔が黒子に服を貸したことで、一番大きな反応をしたのはセナだった。

ヒル魔とセナは身長が数センチ違うだけで、体型はよく似ている。
だからこそ服の貸し借りができるのだ。
しかも気配が消せる黒子は、違和感なく着こなした。

ちなみにセナはヒル魔との身長差は約15センチ。
しかも童顔であり、ハードボイルドな雰囲気のヒル魔の服はどうにも合わない。
セナはそれを大いに悔しがったのだ。

「第一クォーター、終わったぞ!」
打ち上げ準備には参加せず、ホールの隅でパソコンを見ていたヒル魔がそう言った。
黒子たち「VORPAL SWORDS」の試合をチェックしているのだ。
この時点で、Bリーグ選抜にリードを許していた。
いくら10年に1度の天才集団でもブランクが長いし、そもそもアラフォーなのだ。

「どうですか?」
「6点差で負けてる。でもまだわからんだろう。」
「ですよね。」
「オレ、らも、頑張る!」

阿部と三橋は拳をコンと合わせると、再び打ち上げ準備に戻る。
その様子を見ていたヒル魔は「頼もしくなった」と呟いた。
三橋や阿部がここに出入りするようになったのは、高校生の頃だ。
線が細く頼りない少年たちが、今やバイトを使いこなす頼もしいスタッフとなった。

「みんな、がんばろ、お!」
三橋が声を上げれば、バイトたちから「はい!」と元気のいい返事が聞こえた。
ヒル魔は不意に泣き出したいような衝動に狩られて、動揺する。
だがそれを誰にも気づかせることなく、パソコン画面を凝視した。
画面の中ではコンビプレーで得点した火神と黒子が、拳を合わせていた。

*****

「次はオレらの番か」
ヒル魔は晴れやかな笑顔で、パスを投げた。
綺麗なスパイラルのかかったボールは、阿部の手の中に納まった。

黒子たちの試合は終わった。
結果は惜しくも負けてしまったが、最後までどちらが勝つかわからない大接戦だ。
アラフォー集団が20歳そこそこの若手メイン、しかもBリーグ選抜相手に善戦したのだ。
バスケファン、特にオジサン世代は大いに盛り上がったのだった。

打ち上げも楽しかった。
天才たちは大いに飲んで、食べた。
それにかつてのバスケで戦った仲間たちも集まり、大賑わいだ。
料理や酒はたっぷり用意していたのに、綺麗になくなった。
もしかして「カフェ・デビルバッツ」の酒のストックがなくなるのではないか。
阿部も三橋も本気でそんな心配をしたほどだ。

だが余韻に浸っているヒマはない。
次はヒル魔やセナたちが、アメフトの試合をする。
不祥事で出場停止になってしまったとある大学チームと試合をするという趣旨だった。
かつての高校ユースメンバーが集まることになり、ヒル魔もセナもトレーニングの日々だ。

セナは毎日のように合同練習に参加していた。
無様な試合はできない。
アイシールド21の名を汚すわけにはいかない。
だから空いた時間は自主トレも重ねて、鍛えぬいている。

黒子たちの試合は、セナにとっても良い刺激だった。
店のことを考えれば、テレビ観戦で充分だったのだ。
それでも阿部や三橋に頼んで、店を休んで生観戦に行った。
どうしても試合を見たいという衝動に駆られたのだ。
種目は違うけれど、本気で戦う黒子たちを見ればモチベーションが上がる気がした。
それは当たっており、今セナはアメフトをしたいという意欲が最高潮に漲っている。

一方ヒル魔は合同練習には参加しなかった。
正確に言えば、したくてもできないのだ。
満足に走れないし、動けない。
試合だって、フル出場は到底無理だ。
だからワンポイントのプレーに絞って、ひたすらパス練習を繰り返した。

ヒル魔の相手をするのは、三橋と阿部と黒子だ。
ほんの真似事ではあるが、アメフトのボールの扱い方は習っている。
だからパスキャッチやボールだしくらいは、何とかできるのだ。
三橋がスナップして、阿部が受ける。
そして黒子はその流れをブロックする敵選手役。
これでまぁ何とかパス練習の形にはなるのだ。

「ヒル魔さん、これで20球ですけど。体調どうですか?」
「まだ行ける・・・と言いたいが、ちょっときつい。」
「じゃあ、少し休みましょう。店の中に」

阿部はヒル魔の体調を見ながら、練習をコントロールしてくれていた。
ヒル魔は「付き合わせて悪いな」と苦笑する。
だが阿部は「オレらも楽しんでますから」と笑った。
三橋がすぐにタオルとドリンクを持って、駆け寄って来る。
そして水分を取り、汗を拭いたところで、黒子がベンチコートを着せかけてくれた。

「迷惑かけて、悪いな。」
「いえいえ。」
「全然です。」
「オレ、楽しい!」

彼らはこうして、まるでままごとのようなアメフトを楽しんだ。
おそらくヒル魔がアメフトをするのは、これが最後だろう。
誰もがそれを感じ取っており、それをしっかり目に焼き付けておきたいと思っていたのだ。

*****

「いいなぁ。」
ベットに横たわった郁は、パソコンを見ながらそう言った。
堂上はそんな妻を見ながら「アメフトがか?」と聞き返した。

このところ「カフェ・デビルバッツ」は賑やかだ。
雪名皇の個展の打ち上げの後は、黒子たちのバスケの試合。
そして今度はヒル魔とセナがアメフトの試合に出る。
彼らはまるで青春時代に戻ったかのように、生き生きしていた。
そして年齢を重ねて動かなくなった身体を酷使して、トレーニングに励んでいる。

そんな中、出産が迫った郁は産休に入った。
仕事を休んで、3号店の三階である自宅でのんびりと過ごしている。
食事は黒子が届けてくれるし、鈴音と篠岡が交代で頻繁に顔を出してくれる。
こうして彼らは子供の誕生を待ちわびていた。

そんな中、郁は時折窓から見ていた。
道向こうのメインダイニングの裏手で、ヒル魔がアメフトの練習をしているのを。
阿部や三橋、黒子も加わって、ヒル魔のパス練習に付き合っている。
楕円のボールがどうしてまっすぐ前に飛ぶのかと思う。
だがヒル魔は美しいフォームで、綺麗な軌道のパスを投げていた。

黒子たちの試合も、テレビで見た。
録画をして、堂上と共に何度も見直した。
バスケの試合は展開が早くて、見ているだけでも忙しい。
そんな中、黒子はしっかりとパスを回し、時にシュートを決めていた。

「いいなぁ。」
「アメフトがか?」
「何だか置いて行かれた気分かも。」
郁はポツリとそう呟いた。
みんなが生き生きと楽しんでいるのに、郁は家の中から動けない。
もうすぐ我が子に会える喜びに比べたら、本当に些細なこと。
だけどやはり少しだけ羨ましいと思ってしまう。

「まぁあと少しの辛抱だろ。」
堂上は子供のように頬を膨らませる妻を見ながら、苦笑した。
ヒル魔やセナたちがついに試合に出場するこの日、堂上は休日だった。
というか、休まざるを得なかったのだ。
班員である十文字、黒木、戸叶から休暇の申請が出ていたのだ。
彼らも元アメフト選手であり、試合を見に行きたいのはいわずもがな。
それならばとこの日を休みにして、堂上は郁に付き添っている。

「あ、ヒル魔さんが出る!」
パソコンで試合を観戦していた郁は、声を上げた。
黒子たちの試合はCSとはいえテレビ放送されたが郁はこの試合はネット中継だけだ。
堂上と並んで座り、身を寄せ合うようにして、パソコン画面を覗き込んでいる。

「ああ、またセナ君のタッチダウンだ。」
「ええと、タッチダウンって」
「6点だ。その後トライフォーポイントはキックで1点。」
「あ、キックは武蔵さんだ!」

面倒見の良い堂上は、アメフトのルールを交えながら郁に試合展開を説明していく。
サッカーなどと違い、アメフトの試合はパッと目にはわかりにくいのだ。
郁はアメフトのルールはよくわからず、堂上の解説を聞きながら頷いている。
そして試合は前半終了時点で21-17、セナたちがわずかにリード。
そして第3クォーター終了直前、ついにヒル魔がフィールドに立った。

「Set!Hut!」
パソコンからヒル魔の凛とした声が響く。
そしてボールを受け取ると、綺麗なフォームでパスを投げた。
スタジアムが大きく沸いた瞬間、郁は「痛い!」と声を上げた。

「どうした?郁」
「・・・多分、陣痛、だと思う。」
郁は腹を押さえながら、堂上の手を握った。
堂上は思い切り快哉を叫びたい衝動を抑えながら「わかった」と頷く。
そして郁を安心させるように、そっと手を握り返した。

この日「カフェ・デビルバッツ」には2つの嬉しい出来事が重なった。
1つはヒル魔がクォーターバックとしてフィールドに立ったこと。
そして2つめは堂上夫妻に待望の子供が生まれたことだ。
その夜の打ち上げは大いに盛り上がった。
そして「カフェ・デビルバッツ」はまた新しい時代を迎えようとしていた。

【続く】
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