小早川セナと瀧鈴音が付き合っている。
その噂を耳にした黒木と戸叶は、思わず顔を見合わせた。

セナと十文字が付き合っていることを、黒木と戸叶は知っていた。
十文字がセナに好意を持っていることはバレバレだった。
最初は何をわざわざ男を選ぶのだろうと思った。
苦労するのは目に見えている。
ちなみに不本意ではあるが、３兄弟と言われる彼らの中で１番モテるのも十文字だ。
だから早くフラれるなり諦めるなりして普通の恋愛をすればいいと思った。

だがデスマーチの時に、自然と２人が寄り添うようになった。
だから聞いた。うまくいったのかと。
十文字は笑って「そうだ」と答えた。

正直複雑な思いはある。
それでも十文字の横で笑うセナの笑顔は不思議と綺麗に見えた。
それにそんなセナを見つめる十文字の顔もかつてないほど幸せそうだ。
だからこれでいいのだと思った。
大っぴらにできない男同士の恋愛だけど、自分たちは応援してやろうと思っていた。