共に戦う
「手伝いに来ました!」
ラフな部屋着姿のセナは、ヒル魔の部屋を訪れた。
ヒル魔は一瞬驚いたような顔になったが、すぐに「ああ」と頷いた。
ヒル魔はセナの所属チームのトライアウトに合格した。
プラクティス・スクワッド、つまり練習生として。
ここからアクティブロースター、レギュラー入りを目指す。
つまり昨年のセナと同じ立場だ。
そしてヒル魔は選手寮へ引っ越してきた。
基本的には練習生のための施設であり、セナも1年間滞在した。
ちなみにセナは今年もここに住むことにしている。
チームに問い合わせたら、部屋に空きがあるので問題ないそうだ。
つまりセナとヒル魔は同じ部屋の下で暮らすことになったのだ。
「これ、全部掛けちゃっていいですか?」
セナはダンボール箱を指さしながら、聞いてきた。
中には見覚えのあるヒル魔の私服が入っている。
ヒル魔は「ああ」と頷くと、セナはそれらをクローゼットのハンガーに掛け始めた。
セナはヒル魔の引っ越しの手伝いに来たのだ。
荷を解き、備え付けの家具に収納。
それをしながら、ちらりとヒル魔の方を覗き見る。
かつて彼のトレードマークだった逆立てた金髪はもうない。
黒に戻された髪は、短く切られている。
見慣れないその姿に、ついつい目がいってしまうのだ。
そのヒル魔はキッチンにいた。
持ち込んだカップや皿を片付け、棚にコーヒーメーカーを置く。
程なくして、コーヒーの芳醇な香りが立ち込めた。
それを嗅ぎながら、セナは思わず微笑する。
日本のヒル魔のマンションで振る舞われた懐かしい香りだったからだ。
セナが服を掛け終わった頃、テーブルにコーヒーのカップが置かれた。
ヒル魔の部屋で使っていたペアのマグカップだ。
その脇にはヒル魔は使わないスティックシュガーとミルクピッチャーもある。
セナは「懐かしいです」と笑いながら、椅子に座った。
部屋に備え付けの椅子は、シンプルな木製。
かつてのヒル魔の部屋の豪華なソファに比べれば、座り心地は悪い。
だが生粋の庶民のセナは、これで充分だ。
「いただきます」
セナは手を合わせると、ミルクと砂糖をたっぷり入れたコーヒーを飲んだ。
向かいに座るヒル魔のコーヒーはブラック。
言葉もなくても、2人の間に穏やかな空気が流れる。
「ところでヒル魔さん」
「何だ?」
「とりあえず我々は共に戦うってことでいいんでしょうか?」
セナはコーヒーを味わいながら、そう言った。
ヒル魔の行動には、正直驚いている。
このチームに来たことも、寮に入ったことも、髪を切ったことも。
だけど今、重要なのはこれから先だ。
同じチームにいる意味を最大限に活かすには、どうすればいいか。
「正解だ。」
ヒル魔はニンマリと笑った。
髪型が変わったって、不敵な笑みはそのままだ。
セナは「聞かせてください」と身を乗り出した。
ヒル魔より少し先んじているとはいえ、セナの立ち位置だって盤石ではない。
2人でいることで、勝率が上がるなら大歓迎だ。
何より恋人が近くにいる心強さを最大限に活かすのだ。
「それじゃこれからの戦略を話す。」
ヒル魔はコーヒーのカップを置き、セナを見た。
その力強い瞳は今もセナを魅了してやまない。
ラフな部屋着姿のセナは、ヒル魔の部屋を訪れた。
ヒル魔は一瞬驚いたような顔になったが、すぐに「ああ」と頷いた。
ヒル魔はセナの所属チームのトライアウトに合格した。
プラクティス・スクワッド、つまり練習生として。
ここからアクティブロースター、レギュラー入りを目指す。
つまり昨年のセナと同じ立場だ。
そしてヒル魔は選手寮へ引っ越してきた。
基本的には練習生のための施設であり、セナも1年間滞在した。
ちなみにセナは今年もここに住むことにしている。
チームに問い合わせたら、部屋に空きがあるので問題ないそうだ。
つまりセナとヒル魔は同じ部屋の下で暮らすことになったのだ。
「これ、全部掛けちゃっていいですか?」
セナはダンボール箱を指さしながら、聞いてきた。
中には見覚えのあるヒル魔の私服が入っている。
ヒル魔は「ああ」と頷くと、セナはそれらをクローゼットのハンガーに掛け始めた。
セナはヒル魔の引っ越しの手伝いに来たのだ。
荷を解き、備え付けの家具に収納。
それをしながら、ちらりとヒル魔の方を覗き見る。
かつて彼のトレードマークだった逆立てた金髪はもうない。
黒に戻された髪は、短く切られている。
見慣れないその姿に、ついつい目がいってしまうのだ。
そのヒル魔はキッチンにいた。
持ち込んだカップや皿を片付け、棚にコーヒーメーカーを置く。
程なくして、コーヒーの芳醇な香りが立ち込めた。
それを嗅ぎながら、セナは思わず微笑する。
日本のヒル魔のマンションで振る舞われた懐かしい香りだったからだ。
セナが服を掛け終わった頃、テーブルにコーヒーのカップが置かれた。
ヒル魔の部屋で使っていたペアのマグカップだ。
その脇にはヒル魔は使わないスティックシュガーとミルクピッチャーもある。
セナは「懐かしいです」と笑いながら、椅子に座った。
部屋に備え付けの椅子は、シンプルな木製。
かつてのヒル魔の部屋の豪華なソファに比べれば、座り心地は悪い。
だが生粋の庶民のセナは、これで充分だ。
「いただきます」
セナは手を合わせると、ミルクと砂糖をたっぷり入れたコーヒーを飲んだ。
向かいに座るヒル魔のコーヒーはブラック。
言葉もなくても、2人の間に穏やかな空気が流れる。
「ところでヒル魔さん」
「何だ?」
「とりあえず我々は共に戦うってことでいいんでしょうか?」
セナはコーヒーを味わいながら、そう言った。
ヒル魔の行動には、正直驚いている。
このチームに来たことも、寮に入ったことも、髪を切ったことも。
だけど今、重要なのはこれから先だ。
同じチームにいる意味を最大限に活かすには、どうすればいいか。
「正解だ。」
ヒル魔はニンマリと笑った。
髪型が変わったって、不敵な笑みはそのままだ。
セナは「聞かせてください」と身を乗り出した。
ヒル魔より少し先んじているとはいえ、セナの立ち位置だって盤石ではない。
2人でいることで、勝率が上がるなら大歓迎だ。
何より恋人が近くにいる心強さを最大限に活かすのだ。
「それじゃこれからの戦略を話す。」
ヒル魔はコーヒーのカップを置き、セナを見た。
その力強い瞳は今もセナを魅了してやまない。
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