プレーオフ
「Touchdown!」
審判のコールを遠くに聞きながら、セナは顔を顰めた。
点こそ取ったものの、素直には喜べない。
この先のことを思えば、代償は大きかった。
年が明け、NFLはプレーオフに突入した。
2つのカンファレンスの上位チームが、それぞれトーナメント形式で戦う。
勝ち残ったカンファレンス優勝チームがスーパーボウルに進む。
セナのチームはプレーオフを勝ち進み、本日は準決勝だ。
この試合に勝ち、さらに決勝戦に勝てば、カンファレンス優勝。
あと少しで憧れのスーパーボウルに手が届くのだ。
だがその大事な試合、セナはベンチスタートだった。
残念ながら、今のセナのポジションは盤石なものではない。
チームには絶対的なエースランニングバック、パンサーがいる。
そして今、セカンドのポジションを争っている状況だ。
毎試合出場はできていないが、時折出してもらっている。
日本人としては快挙なのだが、セナはもちろん満足していない。
そして試合は進み、最終クォーター。
点差は3点、負けていた。
ここで負ければ、今シーズンはここで終わり。
だが残り時間を考えれば、充分逆転できるチャンスはある。
ここでセナに声がかかった。
期待されているのは、もちろん逆転すること。
得意のチェンジオブペースで試合をかき回し、チャンスを作るのだ。
「Set Hut Hut!」
コールがかかるなり、セナは走り出した。
先程までとは違う動きに、相手チームの選手は合わせにくそうだ。
セナはそのチャンスを見逃さない。
マークについた選手の隙を突き、ボールを受け取った。
こういうとき、セナの強みが生きる。
小柄であるから、狭い隙間も通りやすいのだ。
ゲームクロックを確認すれば、残り10分を切っている。
この先はわかりやすい。
点を取れば勝ち、取らなければ負けだ。
セナは華麗にカットを決め、一気にゴールラインを目指した。
だけど全力疾走ではなく、残り時間を使い切るようなペース配分も必要。
スリリングな展開に、会場は盛り上がる。
スタジアムを揺らすような大歓声は、まさにNFLの世界だ。
だがゴールラインを駆け抜ける寸前、敵のラインバッカーにタックルされた。
さらにボールを奪おうと手を伸ばしてくる。
セナは体勢を崩しながら、ゴールラインの向こうに倒れ込んだ。
正直言って、この倒れ方はあまりカッコ良くない。
かなり形は悪いが、それでも何とかタッチダウンだ。
「Touchdown!」
審判のコールを遠くに聞きながら、セナは顔を顰めた。
右の足首がひどく痛む。
おそらくタックルされたときに、捻ったのだ。
そしてここで試合終了のホイッスルが鳴った。
「まいったな。」
セナはヨロヨロと立ち上がりながら、ため息をついた。
試合には勝てた。
そして決勝点を自分の手で取ったものの、素直には喜べない。
この先のことを思えば、代償は大きかった。
シーズン残り2試合、このタイミングでケガなんて間が悪すぎる。
審判のコールを遠くに聞きながら、セナは顔を顰めた。
点こそ取ったものの、素直には喜べない。
この先のことを思えば、代償は大きかった。
年が明け、NFLはプレーオフに突入した。
2つのカンファレンスの上位チームが、それぞれトーナメント形式で戦う。
勝ち残ったカンファレンス優勝チームがスーパーボウルに進む。
セナのチームはプレーオフを勝ち進み、本日は準決勝だ。
この試合に勝ち、さらに決勝戦に勝てば、カンファレンス優勝。
あと少しで憧れのスーパーボウルに手が届くのだ。
だがその大事な試合、セナはベンチスタートだった。
残念ながら、今のセナのポジションは盤石なものではない。
チームには絶対的なエースランニングバック、パンサーがいる。
そして今、セカンドのポジションを争っている状況だ。
毎試合出場はできていないが、時折出してもらっている。
日本人としては快挙なのだが、セナはもちろん満足していない。
そして試合は進み、最終クォーター。
点差は3点、負けていた。
ここで負ければ、今シーズンはここで終わり。
だが残り時間を考えれば、充分逆転できるチャンスはある。
ここでセナに声がかかった。
期待されているのは、もちろん逆転すること。
得意のチェンジオブペースで試合をかき回し、チャンスを作るのだ。
「Set Hut Hut!」
コールがかかるなり、セナは走り出した。
先程までとは違う動きに、相手チームの選手は合わせにくそうだ。
セナはそのチャンスを見逃さない。
マークについた選手の隙を突き、ボールを受け取った。
こういうとき、セナの強みが生きる。
小柄であるから、狭い隙間も通りやすいのだ。
ゲームクロックを確認すれば、残り10分を切っている。
この先はわかりやすい。
点を取れば勝ち、取らなければ負けだ。
セナは華麗にカットを決め、一気にゴールラインを目指した。
だけど全力疾走ではなく、残り時間を使い切るようなペース配分も必要。
スリリングな展開に、会場は盛り上がる。
スタジアムを揺らすような大歓声は、まさにNFLの世界だ。
だがゴールラインを駆け抜ける寸前、敵のラインバッカーにタックルされた。
さらにボールを奪おうと手を伸ばしてくる。
セナは体勢を崩しながら、ゴールラインの向こうに倒れ込んだ。
正直言って、この倒れ方はあまりカッコ良くない。
かなり形は悪いが、それでも何とかタッチダウンだ。
「Touchdown!」
審判のコールを遠くに聞きながら、セナは顔を顰めた。
右の足首がひどく痛む。
おそらくタックルされたときに、捻ったのだ。
そしてここで試合終了のホイッスルが鳴った。
「まいったな。」
セナはヨロヨロと立ち上がりながら、ため息をついた。
試合には勝てた。
そして決勝点を自分の手で取ったものの、素直には喜べない。
この先のことを思えば、代償は大きかった。
シーズン残り2試合、このタイミングでケガなんて間が悪すぎる。
1/2ページ