乙骨憂太、最期の日
ついに終わるんだ。
ごく普通の朝、憂太は唐突に悟った。
その途端、頭の中でこれまでの人生が走馬灯のように回り始めた。
憂太は、自室で目を覚ました。
昨日も普通に仕事をして、普段通りの時間に寝た。
そして今朝も起床し、当たり前の一日が始まるはずだった。
だが起き上がろうとしても、起き上がれない。
枕元のスマホで時間を確認することさえできない。
自分の身体が動かないと分かった瞬間、悟った。
思いのほか長くなった自分の人生がついに終わるんだと。
五条悟亡き後、乙骨憂太は五条家の当主代理になった。
理由は簡単、遠縁とはいえ道真の血を引いているから。
そして五条家の親類縁者の中で誰よりも強い呪術師であったからだ。
本当は当主になって欲しいと言われた。
だけど憂太は強く固辞し、代理であり続けた。
そして五条家の術師たちの力を借りながら、なんとかやってきた。
ちなみに今、憂太が寝ているのは五条本家の当主の部屋。
かつて五条悟が過ごした部屋をそのまま引き継いでいる。
憂太の頭の中で、これまでの人生が走馬灯のように回る。
祈本里香との出会いと別れ。
仙台の高校で起こした傷害事件。
呪術高専に引き取られて、仲間と出会ったこと。
百鬼夜行、アフリカでの放浪、渋谷事変と死滅回游、人外魔境新宿決戦。
そしてそれからの呪術界の再編に奔走した日々。
『あんまり早くこっちに来ちゃダメだよ』
里香は消える瞬間、そう言った。
憂太はそれを思い出して、笑う。
そこから結構長い時間、生きてしまった。
子供どころか孫もいるって言ったら、里香はどんな顔をするだろう。
笑うだろうか?怒るだろうか?
それともいくら何でも長過ぎ!と呆れるだろうか?
そもそもすっかり老人となった今の憂太では、里香もわからないかもしれない。
多くの呪術師を見送った。
戦って死んだ者も、そうでない者も。
そんな中、思い出すのはやはり自分をこの世界に導いてくれた恩師のことだ。
忘れたくても忘れられない、蒼い瞳が美しい彼。
あの人はきっと今の憂太を見て、笑うだろう。
お爺ちゃんになった憂太、ウケる~!とか言って。
呪霊に殺されるでも、事故や病気で死ぬでもない。
ある朝突然、眠るように息を引き取る。
呪術師っぽくない最期だけど、まぁ悪くないだろう。
とっくに覚悟はしていたし、後継者や遺産などもちゃんと文書にしてある。
つまり終活も万全、後は逝くだけ。
でも、そうだ。最後に。
憂太は意識が遠のく寸前、やるべきことを思い出した。
だから静かに目を閉じ、最後の力を振り絞った。
ごく普通の朝、憂太は唐突に悟った。
その途端、頭の中でこれまでの人生が走馬灯のように回り始めた。
憂太は、自室で目を覚ました。
昨日も普通に仕事をして、普段通りの時間に寝た。
そして今朝も起床し、当たり前の一日が始まるはずだった。
だが起き上がろうとしても、起き上がれない。
枕元のスマホで時間を確認することさえできない。
自分の身体が動かないと分かった瞬間、悟った。
思いのほか長くなった自分の人生がついに終わるんだと。
五条悟亡き後、乙骨憂太は五条家の当主代理になった。
理由は簡単、遠縁とはいえ道真の血を引いているから。
そして五条家の親類縁者の中で誰よりも強い呪術師であったからだ。
本当は当主になって欲しいと言われた。
だけど憂太は強く固辞し、代理であり続けた。
そして五条家の術師たちの力を借りながら、なんとかやってきた。
ちなみに今、憂太が寝ているのは五条本家の当主の部屋。
かつて五条悟が過ごした部屋をそのまま引き継いでいる。
憂太の頭の中で、これまでの人生が走馬灯のように回る。
祈本里香との出会いと別れ。
仙台の高校で起こした傷害事件。
呪術高専に引き取られて、仲間と出会ったこと。
百鬼夜行、アフリカでの放浪、渋谷事変と死滅回游、人外魔境新宿決戦。
そしてそれからの呪術界の再編に奔走した日々。
『あんまり早くこっちに来ちゃダメだよ』
里香は消える瞬間、そう言った。
憂太はそれを思い出して、笑う。
そこから結構長い時間、生きてしまった。
子供どころか孫もいるって言ったら、里香はどんな顔をするだろう。
笑うだろうか?怒るだろうか?
それともいくら何でも長過ぎ!と呆れるだろうか?
そもそもすっかり老人となった今の憂太では、里香もわからないかもしれない。
多くの呪術師を見送った。
戦って死んだ者も、そうでない者も。
そんな中、思い出すのはやはり自分をこの世界に導いてくれた恩師のことだ。
忘れたくても忘れられない、蒼い瞳が美しい彼。
あの人はきっと今の憂太を見て、笑うだろう。
お爺ちゃんになった憂太、ウケる~!とか言って。
呪霊に殺されるでも、事故や病気で死ぬでもない。
ある朝突然、眠るように息を引き取る。
呪術師っぽくない最期だけど、まぁ悪くないだろう。
とっくに覚悟はしていたし、後継者や遺産などもちゃんと文書にしてある。
つまり終活も万全、後は逝くだけ。
でも、そうだ。最後に。
憂太は意識が遠のく寸前、やるべきことを思い出した。
だから静かに目を閉じ、最後の力を振り絞った。
1/3ページ