朝練です

あと1周。
黒子は淡々と体育館の外をジョギングで周回していた。

ウィンターカップが終わって、年が明けた。
今年の目標も分かりやすい。
インターハイ優勝、そしてウィンターカップ連覇。
そのために今年もひたすら練習するのみだ。

だがさすがに今は、ウィンターカップ前より練習量が減っている。
理由は簡単、場所の問題だった。
誠凛高校はバスケ部専用の施設などないから、少ない練習場所を譲り合って使っている。
そしてウィンターカップ前は他の部と交渉して、体育館を多く使わせてもらっていた。
だから今、他の部に譲るのは、仕方のないことだ。
結局ランニングなど基礎トレをしたり、カントクこと相田リコの自宅のジムを使わせてもらったりしていた。

だが今はそれでいいのだ。
ウィンターカップの頃のような張りつめた雰囲気で、1年中過ごすのは大変だ。
心静かに、体力作りに勤しめばいい。
そういう時期なのだと思う。

よし、終わった。
ジョギングを終えた黒子は、携帯電話を取りだして、時間を確認する。
授業まではあと20分、着替えたらちょうどいい時間だ。
肩にかけていたタオルでうっすらと滲んでいた汗を拭うと、教室に向かって歩き出した。
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