アマプラ・ショック
「うっそぉ!」
パソコンを操作しているセナの声が裏返る。
何事だと後ろから覗き込んだヒル魔は、その原因を察して肩を落とした。
アメリカでNFLプレイヤーとして暮らしているセナとヒル魔。
2人きりのとき以外は、ほぼ英語で喋っている。
もちろん日常会話には何の問題もない。
ヒル魔は英語が堪能で、むしろ日本語より喋りやすいくらいだ。
だがセナはやはり日本語の方が楽だった。
だから娯楽として見るコンテンツは日本のものばかりだ。
特に好むのは、日本のアニメだった。
しかも感化されやすく、最近はよく指を立てて「領域展開」なんて呟いている。
ヒル魔としては、ミーハーすぎると呆れるばかり。
だがマジな顔で繰り返すのを見ると、遠からず術式が発動するのでは?と思い始めている。
そんなセナにとって必須なのは、動画サイトだ。
月々の定額料金を払って見放題というオーソドックスなタイプ。
作品数も多く、かなり楽しめる。
だがその動画サイトが、値上げをする。
セナはそのお知らせを見て驚き、固まっているのだった。
「ヒル魔さん、知ってました?アマプラ値上げ!」
「ああ。少し前からニュースになってたし」
「何で教えてくれなかったんです!?」
「値上げったって、月100円程度だろ?」
「月100円も、ですよ!」
「何で、涙目?」
ヒル魔としては、セナの金銭感覚が理解できない。
月々数千円のこづかいで頑張る学生なら、月々100円は一大事だろう。
だけどセナは億単位の年俸をもらっているNFLプレイヤーなのだ。
月100円がここまで嘆く材料になるとは、思えない。
「もう解約しちゃおうかな。」
セナはため息とともにそう言った。
そこまでケチるかと言いかけたヒル魔は、セナの表情を見て口を閉じた。
パソコンを操作しているセナの声が裏返る。
何事だと後ろから覗き込んだヒル魔は、その原因を察して肩を落とした。
アメリカでNFLプレイヤーとして暮らしているセナとヒル魔。
2人きりのとき以外は、ほぼ英語で喋っている。
もちろん日常会話には何の問題もない。
ヒル魔は英語が堪能で、むしろ日本語より喋りやすいくらいだ。
だがセナはやはり日本語の方が楽だった。
だから娯楽として見るコンテンツは日本のものばかりだ。
特に好むのは、日本のアニメだった。
しかも感化されやすく、最近はよく指を立てて「領域展開」なんて呟いている。
ヒル魔としては、ミーハーすぎると呆れるばかり。
だがマジな顔で繰り返すのを見ると、遠からず術式が発動するのでは?と思い始めている。
そんなセナにとって必須なのは、動画サイトだ。
月々の定額料金を払って見放題というオーソドックスなタイプ。
作品数も多く、かなり楽しめる。
だがその動画サイトが、値上げをする。
セナはそのお知らせを見て驚き、固まっているのだった。
「ヒル魔さん、知ってました?アマプラ値上げ!」
「ああ。少し前からニュースになってたし」
「何で教えてくれなかったんです!?」
「値上げったって、月100円程度だろ?」
「月100円も、ですよ!」
「何で、涙目?」
ヒル魔としては、セナの金銭感覚が理解できない。
月々数千円のこづかいで頑張る学生なら、月々100円は一大事だろう。
だけどセナは億単位の年俸をもらっているNFLプレイヤーなのだ。
月100円がここまで嘆く材料になるとは、思えない。
「もう解約しちゃおうかな。」
セナはため息とともにそう言った。
そこまでケチるかと言いかけたヒル魔は、セナの表情を見て口を閉じた。
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