ジャリプロパニック
秋大会が始まり、デビルバッツは何とか勝ち進んでいる。当然練習にも熱が入る。
「ねぇねぇ、そこの少年。ちょっといいかなぁ~♪」
黒美嵯川をランニングして戻ってきたセナは、最初は自分が声をかけられているのだとは思わなかった。
そのまま校門からグラウンドに入ろうとして、肩を叩かれてようやく気づく。
「僕ですか?」
呼吸を整えながら振り返って、相手を見て。あ!と声が出る。
薄くなりかかった頭髪をオールバックにした中年の男。
眼鏡もスーツもやたら派手で、猫なで声が少し気持ち悪い。
セナはその男に見覚えがあった。
「ミ、ミラクルさん、でしたっけ?」
「あら~名前知っててくれたの~?」
いちいち語尾に~がつく、この何となく気持ち悪い男はジャリプロ社長だった。
セナはセナとしてではなくアイシールドの時に、このミラクル伊藤と出会っている。
セナは春の王城戦で桜庭と衝突し負傷させてしまい、アイシールド越しに睨まれたのだ。
やばい。僕の正体バレちゃう?
だが、ミラクル伊藤は全然気にする素振りもなく、爆弾を投下する。
「キミ、ジャリプロに入らない~?」
「はい~?」
セナは思わず普段より2オクターブも高い声で聞き返してしまった。
「ねぇねぇ、そこの少年。ちょっといいかなぁ~♪」
黒美嵯川をランニングして戻ってきたセナは、最初は自分が声をかけられているのだとは思わなかった。
そのまま校門からグラウンドに入ろうとして、肩を叩かれてようやく気づく。
「僕ですか?」
呼吸を整えながら振り返って、相手を見て。あ!と声が出る。
薄くなりかかった頭髪をオールバックにした中年の男。
眼鏡もスーツもやたら派手で、猫なで声が少し気持ち悪い。
セナはその男に見覚えがあった。
「ミ、ミラクルさん、でしたっけ?」
「あら~名前知っててくれたの~?」
いちいち語尾に~がつく、この何となく気持ち悪い男はジャリプロ社長だった。
セナはセナとしてではなくアイシールドの時に、このミラクル伊藤と出会っている。
セナは春の王城戦で桜庭と衝突し負傷させてしまい、アイシールド越しに睨まれたのだ。
やばい。僕の正体バレちゃう?
だが、ミラクル伊藤は全然気にする素振りもなく、爆弾を投下する。
「キミ、ジャリプロに入らない~?」
「はい~?」
セナは思わず普段より2オクターブも高い声で聞き返してしまった。
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