ヒル魔さんのヒトリゴト

1年の差など大したことはないと思っていた。
事実セナが高校を卒業してしまえば、大したことはないだろう。

だが今は。高校3年生のセナと俺。この1年は意外と大きかったりする。
高校を卒業すると行動も考え方も変わる。そもそも生活時間帯が違う。

昨夜もそうだった。
明日は学校だからと渋るセナをかなり無理矢理、俺の部屋に連れ込んだ。
よし、いよいよとコトに及ぼうとした途端。
明日早いんで、あまり激しいのはダメですと念を押された。

そして朝。今日は午後まで予定がない俺。
登校するため身支度をするセナを、ベットの中から見ている。


1年の時に比べて、背も伸びたし、筋肉もついた。
それでもセナの身体は細くて、見るからに華奢な印象だ。 
見た目はそんななのに、抱くと柔らかくて気持ちいい。不思議だ。
え?まだ背は伸びてるって?筋肉もまだまだ?
いやいや、恋人としてはなるべくそのままがいいと思う。
マッチョなセナとか、デカいセナなど、想像できない。

肌は白い。生意気にも日焼け止めなんか塗ってるらしい。
ヒル魔さんは何もしなくても、焼けないのが羨ましいですよ。
セナは時々そんなことを言う。
俺としては、日に当たっても白い自分の肌はあまり好きじゃないんだが。

ヒル魔さんに触れられる身体ですからね、とセナは照れくさそうに笑う。
わざわざ日焼け止めなど面倒だろ?と聞いたらそう言われた。可愛いヤツ。
そういうコトならもっといい日焼け止めでも買ってやろうか。
でもいつか小麦色のセナも抱いてみたい気もする。
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