コンビニ弁当

ガサガサと耳障りな音に、ヒル魔は顔を顰めた。
すっかり聞きなれた筈の音。コンビニの袋の音だ。
別にこの音が嫌いなのではない。
1人でコンビニ弁当を食べるというこの状況が気に入らなかった。

親と一緒に生活をしていないヒル魔にとって、それは当たり前だった。
寂しいとか、侘しいなどと思ったこともなかった。
だが今日はあの小さな少年と食事をする筈だった。
そんな甘い関係に、慣れきってしまっている自分。

コンビニ云々よりもそれに気が付いてしまった事。
それがヒル魔の機嫌を悪くしている原因だった。
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