ライスボウルの楽しみ方

** この作品は2015年の甲子園ボウルの試合内容に準じております。**

今年のライスボウルは、学生代表K大対社会人代表Fの対戦だ。
ヒル魔とセナは、リビングでテレビ観戦をしていた。
一応アメフトプレプレイヤーとしては、試合をチェックしなければならない。
だけどここ最近、ライスボウルは社会人が圧倒的に強すぎて、面白くないのだ。
だからスタジアムに足を運ばず、テレビ観戦することにした。

だけど少しだけ期待はしていた。
K大は甲子園ボウルを最多優勝を誇る本命中の本命。
そしてFはXボウル初制覇、ライスボウルは初出場だ。
単にライスボウルのキャリアだけなら、K大の方が豊富だ。
だから例年ほど一方的にならないのではないかと。

本当に大人げないですよね。
ライスボウルって、ルール改定が必要だと思いませんか?
社会人代表は外国人助っ人は入れちゃいけないことにするとか。
セナは定位置であるソファに腰を下ろして、ブツブツ文句を言いながらテレビ画面を睨んでいる。

確かに大人げない。
ヒル魔は並んで座り、同じくテレビ画面を見ながら苦笑した。
とにかく最近の社会人は、補強の仕方がえげつないのだ。
強いチームは強い選手を集め、さらに外国人で補強する。
簡単に選手の補強などできない学生に、勝ち目がないのは当然なのだ。
もう学生代表対社会人代表で日本一のチームを決定するというやり方は無理があるのかもしれない。

でもまぁ社会人も大変だぜ?
勝って当たり前って思われてるんだから。
ヒル魔がそう答えると、セナは「まぁそうですけど」と拗ねたように口を尖らせた。
そんな横顔が可愛くて、思わずソファに押し倒したくなる。
だけどヒル魔は得意のポーカーフェイスで、そんな気持ちを押し隠した。
1/2ページ