テレビ

俺たちはロッカールームへと降りていった。
部室の地下にあるその部屋は1年生が交代で掃除することになっている。
今週は俺たちがロッカールームの掃除当番だった。

俺が泥門高校に入学したのは、泥門デビルバッツが10何回目かのクリスマスボウル制覇を果たした翌年。
帝黒アレキサンダースとの対戦成績も勝ち越して、関東は関西に劣るという定評を完全に覆した。
そのメンバーに名を連ねて、レギュラーを獲得して、クリスマスボウルに出場する。
高校生活をアメフトに賭けようと決意した俺の夢だ。

初めてこの部室を見たときには、かなり驚いたものだ。
外見が完全にカジノ仕様なのだ。
一時期はルーレット台やスロットマシンなんかがあって、本当に生徒相手にカジノを開いていて。
その上がりは部費に計上されていたという話を聞いた。
部員が増えてスペースがないので、撤去せざるを得なかったとか。
クリスマスボウルで優勝して、部費が増えたから不要になったとか。
でも俺は信じていない。
スロットマシンやルーレット台の値段の方が、カジノの稼ぎよりも高いのではないかと思うからだ。

地下にあるロッカールームにまつわる話だって、いろいろおかしい。
もともとは武器倉庫だったとか。
なんで武器?日本の高校で武器を装備する理由なんて思いつかない。
あと昔は悪魔によって閉ざされた部屋だとか。
どうしていきなり怪談テイスト?意味がわからない。
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