キャビンアテンダントと悪魔な少年
まったく何でこうなるのよ。
私は修羅場と化した機内を見回した。
遠征にきていたアメリカのアメフトチームが搭乗するって聞いてた。
カッコいい男の子いるかな~って期待してたのに。
でもどうしたことか。乗ってきたのは日本の高校生たち。
泥門デビルバッツとかいうアメフト部のメンバーだって。
最初は喜んだ。
私の担当の客席は満席のはずだったのに、座席はスカスカ。
カッコいい男の子は諦めたけど、楽できるかなぁと思って。
でもぬか喜びだったわ。ホントに、もう。
最初は顔に十字の傷がある金髪の男の子。
私の手を握って「落ちねーよな、この飛行機」って聞いてきた。
いるのよ、飛行機嫌いの振りして仲良くなろうとするヤツ。
よくよく見ると顔はなかなか。悪くない。
それにアメフトやってるから身体も引き締まってて。
でもしばらく観察してて諦めた。振りじゃないことがわかったから。
コイツ本気で飛行機ダメみたい。そんなヘタレ問題外よ。
十字傷の隣に座った黒いやや長めの髪の少年がヒソヒソ話している。
なぁスチュワーデス、かわいくねぇ?
鼻にバンソウコウを貼った猿みたいな顔の少年が同じく小声で答えている。
次男、ああいうのが好みなのか?
古いわね。もうスチュワーデスって言わないわよ。キャビンアテンダント。略してCAよ。
それにジナンって何?この子そういう名前なの?
それでもやや気分が上向いた私はその後一気にテンションが下がった。
俺はまもりさんの方がいいよ。若いし、綺麗だし。っていうか俺まもりさん一筋だから。と猿顔少年。
確かになぁ。それにあのスチュワーデス、胸ねぇな。と黒髪のジナンくん。
えぇえぇ。確かにあんたたちから見れば若くないわよ。
胸がなくて悪かったな!気にしてるのに!!
さて気を取り直して。飲み物を配りましょ。
オレンジジュース、コーラ、ウーロン茶。
ワゴンを押しながら、注文された飲み物を渡していく。
そして背が低い赤鼻の少年の番になった。
彼はお飲み物は?と聞いたらなぜか「デシ!」と答える。
何よ「デシ!」って?そんなモンないわよ。
でも何度聞き返しても同じ答え。
そこへどう見ても遠近感が狂ったデカイ少年がドスドスとこちらへ走ってきた。
きゃ~!やめてよ。飛行機が激しく揺れてる!下手すれば落ちる!
制するまもなく巨体の少年が私の目の前にやって来て、オレンジジュースと言った。
どうやら赤鼻の少年の飲み物を教えにきたらしい。
弟子は師匠と同じ物を飲むって言ってるんです。とニコニコ笑う巨体の少年。
何で2文字でそんなことわかるのよ。
呆れる私に追い討ちをかけるように。
茶髪の大きな眼鏡をかけた少年が、今週号のジャンプある?と聞いてきた。
ないわよ!そんなもの!
私は修羅場と化した機内を見回した。
遠征にきていたアメリカのアメフトチームが搭乗するって聞いてた。
カッコいい男の子いるかな~って期待してたのに。
でもどうしたことか。乗ってきたのは日本の高校生たち。
泥門デビルバッツとかいうアメフト部のメンバーだって。
最初は喜んだ。
私の担当の客席は満席のはずだったのに、座席はスカスカ。
カッコいい男の子は諦めたけど、楽できるかなぁと思って。
でもぬか喜びだったわ。ホントに、もう。
最初は顔に十字の傷がある金髪の男の子。
私の手を握って「落ちねーよな、この飛行機」って聞いてきた。
いるのよ、飛行機嫌いの振りして仲良くなろうとするヤツ。
よくよく見ると顔はなかなか。悪くない。
それにアメフトやってるから身体も引き締まってて。
でもしばらく観察してて諦めた。振りじゃないことがわかったから。
コイツ本気で飛行機ダメみたい。そんなヘタレ問題外よ。
十字傷の隣に座った黒いやや長めの髪の少年がヒソヒソ話している。
なぁスチュワーデス、かわいくねぇ?
鼻にバンソウコウを貼った猿みたいな顔の少年が同じく小声で答えている。
次男、ああいうのが好みなのか?
古いわね。もうスチュワーデスって言わないわよ。キャビンアテンダント。略してCAよ。
それにジナンって何?この子そういう名前なの?
それでもやや気分が上向いた私はその後一気にテンションが下がった。
俺はまもりさんの方がいいよ。若いし、綺麗だし。っていうか俺まもりさん一筋だから。と猿顔少年。
確かになぁ。それにあのスチュワーデス、胸ねぇな。と黒髪のジナンくん。
えぇえぇ。確かにあんたたちから見れば若くないわよ。
胸がなくて悪かったな!気にしてるのに!!
さて気を取り直して。飲み物を配りましょ。
オレンジジュース、コーラ、ウーロン茶。
ワゴンを押しながら、注文された飲み物を渡していく。
そして背が低い赤鼻の少年の番になった。
彼はお飲み物は?と聞いたらなぜか「デシ!」と答える。
何よ「デシ!」って?そんなモンないわよ。
でも何度聞き返しても同じ答え。
そこへどう見ても遠近感が狂ったデカイ少年がドスドスとこちらへ走ってきた。
きゃ~!やめてよ。飛行機が激しく揺れてる!下手すれば落ちる!
制するまもなく巨体の少年が私の目の前にやって来て、オレンジジュースと言った。
どうやら赤鼻の少年の飲み物を教えにきたらしい。
弟子は師匠と同じ物を飲むって言ってるんです。とニコニコ笑う巨体の少年。
何で2文字でそんなことわかるのよ。
呆れる私に追い討ちをかけるように。
茶髪の大きな眼鏡をかけた少年が、今週号のジャンプある?と聞いてきた。
ないわよ!そんなもの!
1/3ページ