コンビニデビュー
「ちょっとコンビニに寄っていい?」
それは学校帰りのこと。
俺が振り返ってそう聞くと、後ろを歩く律が「はい!」と答えた。
そんなに声が裏返るほど、緊張することないだろうと思うんだけど。
俺は苦笑しながらコンビニに入ると、律も後からついてきた。
「すごく、いい匂いしますね。」
それまで緊張して無口だった律が、店に入るなり急に元気になった。
まるで引き寄せられるように、いい匂いの元-おでんの鍋に近づいていく。
「何?食べたいの?」
鍋の前でクンクンと鼻を動かしていた律が、ビクッと震えた。
そして「すみません!」と慌てて、おでんから離れていく。
別に怒ってないし。
犬みたいな動きが意外と面白かったから、ちょっと残念だ。
「何か奢るから、好きなモン選べよ。」
俺はそう言って、何とはなしにスイーツのコーナーを指差した。
男にススめるものじゃないのかもしれないけど。
小さくてかわいいケーキたちは、何だか律に似つかわしい気がしたのだ。
「そんな悪いです。自分で買いますから!」
律はそう言って、綺麗な目をさらにキラキラさせながらケーキを見ている。
俺は店内用の買い物カゴを取って、ペットボトル入りのお茶を放り込んだ。
最近流行っている漫画のキャラクターの携帯ストラップがおまけについている。
すると律が俺の横に来て「お茶についているそれ、何ですか?」と驚きの声を上げた。
どうにも妙な律のリアクションに、俺は「ひょっとして」と思う。
それは学校帰りのこと。
俺が振り返ってそう聞くと、後ろを歩く律が「はい!」と答えた。
そんなに声が裏返るほど、緊張することないだろうと思うんだけど。
俺は苦笑しながらコンビニに入ると、律も後からついてきた。
「すごく、いい匂いしますね。」
それまで緊張して無口だった律が、店に入るなり急に元気になった。
まるで引き寄せられるように、いい匂いの元-おでんの鍋に近づいていく。
「何?食べたいの?」
鍋の前でクンクンと鼻を動かしていた律が、ビクッと震えた。
そして「すみません!」と慌てて、おでんから離れていく。
別に怒ってないし。
犬みたいな動きが意外と面白かったから、ちょっと残念だ。
「何か奢るから、好きなモン選べよ。」
俺はそう言って、何とはなしにスイーツのコーナーを指差した。
男にススめるものじゃないのかもしれないけど。
小さくてかわいいケーキたちは、何だか律に似つかわしい気がしたのだ。
「そんな悪いです。自分で買いますから!」
律はそう言って、綺麗な目をさらにキラキラさせながらケーキを見ている。
俺は店内用の買い物カゴを取って、ペットボトル入りのお茶を放り込んだ。
最近流行っている漫画のキャラクターの携帯ストラップがおまけについている。
すると律が俺の横に来て「お茶についているそれ、何ですか?」と驚きの声を上げた。
どうにも妙な律のリアクションに、俺は「ひょっとして」と思う。
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