ロマンチック・フラグ
高野さんには、ロマンチック・フラグが立ってますね。
すっかり酔っ払った律が、陽気な声を上げる。
高野は顔をしかめながら「何、それ?」と聞き返した。
律の担当作品の重版決定をが決まったのをいいことに、高野は律を部屋に連れ込んでいた。
再会して間もない頃は何だかんだと逃げようとしていた律だが、今は違う。
困ったような恥らうような表情で、素直に誘いに応じてくれる。
そこで少々酒を飲ませて、羞恥心を酔わせてからベットに押し倒すのがいつものパターン。
だが今日はどうやら飲ませ過ぎてしまったようだ。
やっぱり編集長になる人はそうでなくっちゃダメなんですかね~?
律はそう言いながらケラケラと笑った。
高野はため息をつきながら「だからロマンチック・フラグって何?」と重ねて聞き返す。
律は得意気な表情で「それはですね」と解説を始めた。
再会して初めての高野さんの誕生日は、ドライブデートで雪が降ってましたよね。
その後の俺の誕生日の時は、桜が満開だったじゃないですか。
東京はクリスマスイヴに、早々雪なんか降らないんですよ。
3月にソメイヨシノが満開になることだってありません。
出張に行けば真冬でしかも平日なのに、花火大会に当たるって!?
どれだけロマンチックがついて回ってるんですか!
機嫌がよくても、からむのか。
しかもかなり呂律が怪しい。
高野は一気にまくし立てる律に呆れるしかなかった。
あ!そう言えば、もうすぐ高野さん、誕生日ですね。
きっとまたロマンチックが発動しますね。
律はそう言うと、床にゴロリと倒れて、そのままスゥスゥと寝息を立て始めた。
どうやら一瞬で眠ってしまったらしい。
高野は思わず「早!」と声を上げた。
まったく勝手にハードルを上げないで欲しい。
高野は苦笑しながら、眠ってしまった律の髪をくしゃりとなでた。
とにかく今年の誕生日も、かわいい恋人に祝ってもらえるようだ。
編集長のプライドにかけて、ロマンチックなことを起こしてやるしかない。
【終】
すっかり酔っ払った律が、陽気な声を上げる。
高野は顔をしかめながら「何、それ?」と聞き返した。
律の担当作品の重版決定をが決まったのをいいことに、高野は律を部屋に連れ込んでいた。
再会して間もない頃は何だかんだと逃げようとしていた律だが、今は違う。
困ったような恥らうような表情で、素直に誘いに応じてくれる。
そこで少々酒を飲ませて、羞恥心を酔わせてからベットに押し倒すのがいつものパターン。
だが今日はどうやら飲ませ過ぎてしまったようだ。
やっぱり編集長になる人はそうでなくっちゃダメなんですかね~?
律はそう言いながらケラケラと笑った。
高野はため息をつきながら「だからロマンチック・フラグって何?」と重ねて聞き返す。
律は得意気な表情で「それはですね」と解説を始めた。
再会して初めての高野さんの誕生日は、ドライブデートで雪が降ってましたよね。
その後の俺の誕生日の時は、桜が満開だったじゃないですか。
東京はクリスマスイヴに、早々雪なんか降らないんですよ。
3月にソメイヨシノが満開になることだってありません。
出張に行けば真冬でしかも平日なのに、花火大会に当たるって!?
どれだけロマンチックがついて回ってるんですか!
機嫌がよくても、からむのか。
しかもかなり呂律が怪しい。
高野は一気にまくし立てる律に呆れるしかなかった。
あ!そう言えば、もうすぐ高野さん、誕生日ですね。
きっとまたロマンチックが発動しますね。
律はそう言うと、床にゴロリと倒れて、そのままスゥスゥと寝息を立て始めた。
どうやら一瞬で眠ってしまったらしい。
高野は思わず「早!」と声を上げた。
まったく勝手にハードルを上げないで欲しい。
高野は苦笑しながら、眠ってしまった律の髪をくしゃりとなでた。
とにかく今年の誕生日も、かわいい恋人に祝ってもらえるようだ。
編集長のプライドにかけて、ロマンチックなことを起こしてやるしかない。
【終】
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