第10話「タイムアップ」
「絶対に負けないから。」
「その言葉、そっくりお返しします。」
郁とセナは握手をしながら、意気込みを語る。
そしてついに最後の勝負の幕が切って落とされた。
ついに合同合宿最終日となった。
最後に1時間ほどのゲームを行ない、終了となる。
当初は選抜メンバーでやることになっていたが、結局全員参加となった。
集大成のゲームであるから全員参加したいし、その方がお互い実戦に近いからだ。
泥門デビルバッツの方が人数が多いので、ヒル魔と武蔵、栗田が審判を務めることで調整した。
それでも泥門が少し多いが、特殊部隊側は「それでもいい」とした。
実際の抗争では、人数合わせなんかないからだ。
決められたルールは明快だった。
フィールドは訓練用のグラウンド、その端に降下訓練用の足場を設置した。
これが仮想の図書館だ。
この頂上に、本を見立てた紙束を背嚢に入れておく。
そして泥門デビルバッツは良化隊役で、それを奪いに行くのだ。
時間外にフィールドの外に背嚢を持ち出せれば泥門、守り切れば図書隊の勝ちだ。
郁とセナはゲーム前に、握手をした。
笑顔を交わし合ったが、内心では闘志満々だ。
お互いに絶対に負けられない。
双方のエースはそんな決意を込めて、フィールドに立った。
そしてついに始まった。
まずは泥門デビルバッツが、降下練習用の足場目指して走る。
単純に走力では、泥門が上だ。
郁はセナと互角に走れるが、それ以外のメンバーは総じて重量が重い。
予想通りセナが足場に上がり、泥門の他の面々は郁たちが追いかけるのを防ぐ。
まず背嚢を手にしたのは、泥門デビルバッツだった。
セナは足場の上から、背嚢を投げた。
下でそれを受け止めるのはもちろん、今や高校ナンバーワンレシーバーの呼び声も高いモン太。
そしてモン太が背嚢を持って走り出す。
機動力に優れた堂上班がモン太を取り囲むが、ここで追いついてきたセナが背嚢を受け取った。
そして約1時間ほどのゲームは一進一退の状態だった。
背嚢を持つ時間は圧倒的に、泥門の方が長い。
だが特殊部隊側は壁のようにフィールドの脇を固め、外に出さない。
超攻撃型チームの泥門デビルバッツと、専守防衛の図書特殊部隊。
それがはっきりと現れる形となった。
そしてついにラスト数分となった。
抗争をイメージしたゲームなので、このまま外に背嚢を出せなければ特殊部隊の勝ちとなる。
セナは背嚢を受け取り、最後の勝負に出た。
もちろんそれを追いかけるのは、堂上班だ。
4人がかりで進路をふさぎ、セナの進路を妨害する。
「絶対に負けない!」
セナはそう叫ぶと、ついに大技を連続で炸裂させた。
代名詞であるステップ、デビルバットゴーストと最終奥義のデビル4ディメンジョン。
デビルライトハリケーン、デビルスタンガンと次々に技を繰り出し、躱していく。
堂上、小牧、手塚を置き去りにして、最終防衛ラインである特殊部隊員たちの壁もすり抜ける。
最後の最後に本気を出したアイシールド21に、特殊部隊側は全員「やられた」と思った。
だが最後の最後、セナに追いついた郁が思い切りセナの腰に飛びついた。
横から飛びつかれた形のセナの動きが止まり、そのまま倒れ込む。
全員が固唾を飲んだその瞬間、タイムアップだ。
止めたか?それとも逃げ切られたか?
勝負はセナと郁の手にゆだねられた。
「その言葉、そっくりお返しします。」
郁とセナは握手をしながら、意気込みを語る。
そしてついに最後の勝負の幕が切って落とされた。
ついに合同合宿最終日となった。
最後に1時間ほどのゲームを行ない、終了となる。
当初は選抜メンバーでやることになっていたが、結局全員参加となった。
集大成のゲームであるから全員参加したいし、その方がお互い実戦に近いからだ。
泥門デビルバッツの方が人数が多いので、ヒル魔と武蔵、栗田が審判を務めることで調整した。
それでも泥門が少し多いが、特殊部隊側は「それでもいい」とした。
実際の抗争では、人数合わせなんかないからだ。
決められたルールは明快だった。
フィールドは訓練用のグラウンド、その端に降下訓練用の足場を設置した。
これが仮想の図書館だ。
この頂上に、本を見立てた紙束を背嚢に入れておく。
そして泥門デビルバッツは良化隊役で、それを奪いに行くのだ。
時間外にフィールドの外に背嚢を持ち出せれば泥門、守り切れば図書隊の勝ちだ。
郁とセナはゲーム前に、握手をした。
笑顔を交わし合ったが、内心では闘志満々だ。
お互いに絶対に負けられない。
双方のエースはそんな決意を込めて、フィールドに立った。
そしてついに始まった。
まずは泥門デビルバッツが、降下練習用の足場目指して走る。
単純に走力では、泥門が上だ。
郁はセナと互角に走れるが、それ以外のメンバーは総じて重量が重い。
予想通りセナが足場に上がり、泥門の他の面々は郁たちが追いかけるのを防ぐ。
まず背嚢を手にしたのは、泥門デビルバッツだった。
セナは足場の上から、背嚢を投げた。
下でそれを受け止めるのはもちろん、今や高校ナンバーワンレシーバーの呼び声も高いモン太。
そしてモン太が背嚢を持って走り出す。
機動力に優れた堂上班がモン太を取り囲むが、ここで追いついてきたセナが背嚢を受け取った。
そして約1時間ほどのゲームは一進一退の状態だった。
背嚢を持つ時間は圧倒的に、泥門の方が長い。
だが特殊部隊側は壁のようにフィールドの脇を固め、外に出さない。
超攻撃型チームの泥門デビルバッツと、専守防衛の図書特殊部隊。
それがはっきりと現れる形となった。
そしてついにラスト数分となった。
抗争をイメージしたゲームなので、このまま外に背嚢を出せなければ特殊部隊の勝ちとなる。
セナは背嚢を受け取り、最後の勝負に出た。
もちろんそれを追いかけるのは、堂上班だ。
4人がかりで進路をふさぎ、セナの進路を妨害する。
「絶対に負けない!」
セナはそう叫ぶと、ついに大技を連続で炸裂させた。
代名詞であるステップ、デビルバットゴーストと最終奥義のデビル4ディメンジョン。
デビルライトハリケーン、デビルスタンガンと次々に技を繰り出し、躱していく。
堂上、小牧、手塚を置き去りにして、最終防衛ラインである特殊部隊員たちの壁もすり抜ける。
最後の最後に本気を出したアイシールド21に、特殊部隊側は全員「やられた」と思った。
だが最後の最後、セナに追いついた郁が思い切りセナの腰に飛びついた。
横から飛びつかれた形のセナの動きが止まり、そのまま倒れ込む。
全員が固唾を飲んだその瞬間、タイムアップだ。
止めたか?それとも逃げ切られたか?
勝負はセナと郁の手にゆだねられた。
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