第2話「ファーストコンタクト」
「あの子がアイシールド21?」
郁は思わずそう呟き、首を傾げた。
ネットなどでスーパースターのように扱われている彼は、どう見ても子供にしか見えなかったのだ。
訓練初日、関東図書隊・図書特殊部隊は奥多摩訓練場の入口で待っていた。
泥門高校アメフト部、泥門デビルバッツを出迎えるためだ。
入口から実際の訓練施設までは、山道を登ることになる。
そこを勝手知ったる特殊部隊員たちが案内し、そのまま合同訓練となる。
参加するのは堂上班を含めた4班。
そして隊長の玄田と「面白そう」という理由で志願した進藤だった。
合同訓練とはいえ、実際は一緒にできることは少ないだろう。
年齢も基礎体力も鍛えるべき部分も違うからだ。
だが今回は訓練場を初めて貸し出す、いわばテストケースになるはずだ。
彼らがどんなトレーニングを行ない、どんな風に訓練場を使うのか。
特殊部隊としては、大いに興味があった。
「まだ来ないんですかね?」
郁がそんなことを言うと、まるでそれに応えるように車がこちらに向かってきた。
それを見た特殊部隊の面々は、度肝を抜かれることになる。
郁は「えええっ~!?」と叫び、堂上も「何だ、あれは?」と呆然とする。
そこに現れたのは、いわゆるデコトラ。
やたらとデカく、無駄に派手なトラックだ。
ボディにチーム名にもなってる悪魔の蝙蝠、デビルバットのロゴと絵がアメコミ風に描かれている。
「すみません!お待たせしました!」
デコトラが停車し、真っ先に荷台から降りてきたのは、小柄な少年だった。
すると今回の貸し出しの責任者である玄田が、一歩前に出た。
少年は玄田に駆け寄ると、ペコリと頭を下げた。
「関東図書隊、特殊部隊隊長、玄田竜助一監だ。」
「泥門デビルバッツ、主将の小早川瀬那です。」
トップ同士が名乗り合い、握手を交わす。
そうしている間に、荷台からは他の部員たちが降りて来て荷物を下ろし始めた。
「あの子がアイシールド21?」
郁は思わずそう呟き、首を傾げた。
玄田の身長が185センチ、対する少年は160センチあるかないか。
しかもアメフト選手とは思えないほど、線が細い。
ネットなどでスーパースターのように扱われている彼は、どう見ても子供にしか見えなかったのだ。
「堂上教官より小さい」
郁は心の中で思っただけのつもりだったが、思わずダダ漏れた。
そして次の瞬間、堂上の拳骨が落ちてくる。
それを見ていた少年の顔が、情けないものに変わった。
いかにも「うわぁ、痛そう」と言わんばかりの表情だ。
アメフトの方が痛そうだけどな。
郁はぼんやりとそんなことを考えた。
これが郁とアイシールド21との記念すべきファーストコンタクトだった。
郁は思わずそう呟き、首を傾げた。
ネットなどでスーパースターのように扱われている彼は、どう見ても子供にしか見えなかったのだ。
訓練初日、関東図書隊・図書特殊部隊は奥多摩訓練場の入口で待っていた。
泥門高校アメフト部、泥門デビルバッツを出迎えるためだ。
入口から実際の訓練施設までは、山道を登ることになる。
そこを勝手知ったる特殊部隊員たちが案内し、そのまま合同訓練となる。
参加するのは堂上班を含めた4班。
そして隊長の玄田と「面白そう」という理由で志願した進藤だった。
合同訓練とはいえ、実際は一緒にできることは少ないだろう。
年齢も基礎体力も鍛えるべき部分も違うからだ。
だが今回は訓練場を初めて貸し出す、いわばテストケースになるはずだ。
彼らがどんなトレーニングを行ない、どんな風に訓練場を使うのか。
特殊部隊としては、大いに興味があった。
「まだ来ないんですかね?」
郁がそんなことを言うと、まるでそれに応えるように車がこちらに向かってきた。
それを見た特殊部隊の面々は、度肝を抜かれることになる。
郁は「えええっ~!?」と叫び、堂上も「何だ、あれは?」と呆然とする。
そこに現れたのは、いわゆるデコトラ。
やたらとデカく、無駄に派手なトラックだ。
ボディにチーム名にもなってる悪魔の蝙蝠、デビルバットのロゴと絵がアメコミ風に描かれている。
「すみません!お待たせしました!」
デコトラが停車し、真っ先に荷台から降りてきたのは、小柄な少年だった。
すると今回の貸し出しの責任者である玄田が、一歩前に出た。
少年は玄田に駆け寄ると、ペコリと頭を下げた。
「関東図書隊、特殊部隊隊長、玄田竜助一監だ。」
「泥門デビルバッツ、主将の小早川瀬那です。」
トップ同士が名乗り合い、握手を交わす。
そうしている間に、荷台からは他の部員たちが降りて来て荷物を下ろし始めた。
「あの子がアイシールド21?」
郁は思わずそう呟き、首を傾げた。
玄田の身長が185センチ、対する少年は160センチあるかないか。
しかもアメフト選手とは思えないほど、線が細い。
ネットなどでスーパースターのように扱われている彼は、どう見ても子供にしか見えなかったのだ。
「堂上教官より小さい」
郁は心の中で思っただけのつもりだったが、思わずダダ漏れた。
そして次の瞬間、堂上の拳骨が落ちてくる。
それを見ていた少年の顔が、情けないものに変わった。
いかにも「うわぁ、痛そう」と言わんばかりの表情だ。
アメフトの方が痛そうだけどな。
郁はぼんやりとそんなことを考えた。
これが郁とアイシールド21との記念すべきファーストコンタクトだった。
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