虜(とりこ)
いつもご指名いただいて、ありがとうございます。
セナは妖艶な笑みとともにそう言った。
ここは会員制のいわゆる秘密倶楽部といわれる店だ。
合法、非合法を問わず、様々な快楽が手に入る。
ただし入会金も1回ごとの料金はべらぼうに高い。
そもそも倶楽部にそこそこ金を落としている会員からの紹介でなければ入会できない。
つまり会員になるには、なかなか大変だったりする。
セナはその倶楽部でナンバーワンの男娼だった。
男でありながら、男の客を相手に性の相手をする。
最初はごく一部の特殊な性癖の客だけが相手だった。
だが今では評判を呼び、女性の娼婦と同じくらいの売り上げをたたき出している。
あどけない外見と、素人っぽい初々しい態度。
だが実際の行為に及ぶと、激しくて熱い。
セナがこの倶楽部で働くのは、止むに止まれぬ事情からだった。
姉が病気で、多額の治療費がかかるのだ。
両親を早くに亡くして、頼れる身内もなく、姉と2人で寄り添うように生きてきた。
その姉が病に倒れたときに、セナは学校を辞めて、てっとり早く稼げる男娼を選んだのだった。
本当は早く、こんな仕事は終わりにしたい。
学校に戻って、ちゃんと卒業して、普通の仕事につきたい。
だが姉の体調はなかなか回復しない。
しかも最近では身体が順応し始めている。
金のためと割り切った性行為が、気持ちいいと思ってしまうときがあるのだ。
もっと稼いで早く終わらせなくてはと、セナは焦っている。
今日の客は「十文字」と名乗るこの金髪の男だ。
よほど金回りがいいのか、ここ何ヶ月かほぼ毎日のように顔を出す。
初めてセナが男に抱かれて気持ちがいいと思ったのは、この男だ。
男はセナの身体をいつも念入りに愛撫し、執拗に嬲るのだ。
冗談じゃない。
男なんて金を巻き上げるための道具でしかない。
セナはそんな気持ちを押し隠して、男に笑顔を向けた。
男はセナの髪に手を伸ばして、いとおしげにくしゃりと撫でた。
セナは妖艶な笑みとともにそう言った。
ここは会員制のいわゆる秘密倶楽部といわれる店だ。
合法、非合法を問わず、様々な快楽が手に入る。
ただし入会金も1回ごとの料金はべらぼうに高い。
そもそも倶楽部にそこそこ金を落としている会員からの紹介でなければ入会できない。
つまり会員になるには、なかなか大変だったりする。
セナはその倶楽部でナンバーワンの男娼だった。
男でありながら、男の客を相手に性の相手をする。
最初はごく一部の特殊な性癖の客だけが相手だった。
だが今では評判を呼び、女性の娼婦と同じくらいの売り上げをたたき出している。
あどけない外見と、素人っぽい初々しい態度。
だが実際の行為に及ぶと、激しくて熱い。
セナがこの倶楽部で働くのは、止むに止まれぬ事情からだった。
姉が病気で、多額の治療費がかかるのだ。
両親を早くに亡くして、頼れる身内もなく、姉と2人で寄り添うように生きてきた。
その姉が病に倒れたときに、セナは学校を辞めて、てっとり早く稼げる男娼を選んだのだった。
本当は早く、こんな仕事は終わりにしたい。
学校に戻って、ちゃんと卒業して、普通の仕事につきたい。
だが姉の体調はなかなか回復しない。
しかも最近では身体が順応し始めている。
金のためと割り切った性行為が、気持ちいいと思ってしまうときがあるのだ。
もっと稼いで早く終わらせなくてはと、セナは焦っている。
今日の客は「十文字」と名乗るこの金髪の男だ。
よほど金回りがいいのか、ここ何ヶ月かほぼ毎日のように顔を出す。
初めてセナが男に抱かれて気持ちがいいと思ったのは、この男だ。
男はセナの身体をいつも念入りに愛撫し、執拗に嬲るのだ。
冗談じゃない。
男なんて金を巻き上げるための道具でしかない。
セナはそんな気持ちを押し隠して、男に笑顔を向けた。
男はセナの髪に手を伸ばして、いとおしげにくしゃりと撫でた。