スーパーボウル 4th season

** この作品は2012年のスーパーボウルの試合内容に準じております。**


「183センチかぁ。。。」
セナは今タッチダウンを決めたばかりの選手のデータを見ながら、ため息をついた。

今年のスーパーボウル、セナはヒル魔とテレビ観戦している。
3年前と一昨年は、高校の部室でチームメイトとテレビで見た。
昨年はヒル魔と一緒に、スタジアム観戦。
そして今年はヒル魔のマンションの大画面テレビの前だ。
よくよく思い起こせば、ヒル魔と2人きりの空間で見るのは初めてのことだ。
だが残念ながら、恋人同士でソファに並んで座っても、甘い雰囲気にはならない。
やはりアメフトに関することだと2人とも真剣になるからだ。

今年のカードはAFC覇者ニューイングランド・ペイトリオッツ VS NFC覇者ニューヨーク・ジャイアンツ。
ペイトリオッツが王道のチームなのに対して、ジャイアンツは何とも微妙だ。
レギュラーシーズンの黒星が多いのだ。
要所の大事な試合では勝つのだが、相手チームのミスとかいわゆる運の部分も大きい。
それでいて弱いチームに、あっけなく負けていたりする。
そのせいなのかどうなのか。
第1クォーターはジャイアンツが先制したものの、少々盛り上がりに欠けるスタートだった。

ヒル魔はテレビの音声を、英語に切り替えてしまっている。
日本語音声ではNFLの醍醐味は味わえない、というのがヒル魔の持論だった。
確かにその臨場感は英語で見た方が格段に上だが、英語が堪能でないセナには少々厳しい。
日本ではNHKの放送であるが、アメリカでは民放での放送だ。
だからCM時間には解説が止まり、映像だけが流れる。
その間にヒル魔が今までの流れを説明してくれたりもする。
だがやはりできれば日本語の解説を聞きたいと思う。

とにかく今までの観戦とはどうにも感じが違い、去年までのようなハイテンションにならない。
だがやはり目指す夢の舞台の試合なのだし、しっかり見ておかなくては。
セナは気を気を取り直して、試合に集中した。
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