三人寄れば…
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コツン コツン
ヒールの音が薄暗い廊下に響いている
均等に並べられたキャンドルの火がゆらりと廊下を歩いていく女性のドレスと共に揺れるのが儚げで今にも消えてしまいそうにある。
カツン
歩みが止まった。
廊下が終わり、大きな扉の前まで訪問者が辿り着いたのだ。
「入りなさい」
中から、老人の声が聞こえる。その声を聞いた途端、周りの空気が凍った。
それは言葉の通り、凍ったのだ。冷気がドアの隙間からこちらに漏れているし、ピキピキと氷が音を立てているのが聞こえる。
「失礼します」
これは、お怒りだと訪問者は笑っているが、額の冷や汗が凍っている
訪問者がドアに触れると
ギィィ
なんとも重そうな音を立てながら扉が勝手に開く
中には、大きな机とそれを囲むように透明な椅子が並べられており、空席は一つだけなのがすぐ分かった。
「遅刻だ、お主」
この中で一番図体がデカい大男が訪問者を睨みながら、食事をしていた。
「大変失礼致しました。しかし、遅れた理由は皆様の期待以上のものと自負しております。」
にっこりと笑いながら、訪問者は大きな声で告げた。その言葉にそこにいた全員が訪問者の方を見て、笑顔を向ける者、不安そうな顔をする者、苦虫を噛み潰したような顔をする者と様々な表情に変わった。
「それでは見つけたという事で良いのかの…その前になんだそれは…ころころと姿を変えるなといつも言っているじゃろ」
先程、扉の中から聞こえた老人の声が先ほどとは打って変わって小さく、かすれて聞こえる。
「これは失礼致しました」
訪問者はそういうと
パチンッ
指を鳴らした
すると、訪問者の体を突風が覆い見えなくなったかと思えば、一瞬にして風が消えた。
中から現れたのは、先ほどまでの高いヒールを履き、美しいドレスよりもさらに美しい顔立ちの美女ではなく、水色の長髪で男性にも女性にも見える顔立ちをした人物だった。
服も先ほどとは真逆の和装で、足元は下駄に変わった。
「ねぇねぇそんなことより、どうなの?どうなの?早く聞かせてよー」
頭に王冠を身に付けた男の子のような女の子のような子供が手足をジタバタさせながら、訪問者に訴えている。
「お行儀が悪いわよ、これだから、貴方はあんなことも…」
「うるさいよ、ばばぁ!」
「なんですって!!」
子供を注意した金髪の美女が取っ組み合いを始める勢いで机に爪を立てている
「皆様、待ちに待ったことですから、急ぐ気持ちもわかります…しかし、何事にも順序が御座います。それは、偉大で聡明な皆さんであれば重々承知なはずですので、まずは…」
訪問者が子供と金髪美女を制し、全員の視線を自分に向けさせ、両手を広げ、大袈裟に振る舞いながら、皆が集まる場所から離れ、奥の一層暗い場所向かっていった。
よく見えていなかったが、そこにあったのはキングサイズほどのベールに包まれたベッドがあった。
ベッドで眠っていたのは、裸の女性であった
女性と言っても少女のようにも見えて、年齢が良く分からない顔立ちであるが、先ほど美しいといった女性達と同じぐらい、いやそれ以上に美しく、純粋無垢という言葉が1番当てはまる顔、雰囲気、身体である。
訪問者はその子の顔を見るとクスッと笑った
「やっと、見つけたよ…長かった…ホントにお寝坊助さんなんだから」
小声で話しかけ、何かを決意したように、大きな机の方に向き直り、少しずつ近づいていった。
「それでは、皆々様、大変お待たせ致しました。
楽しく、面白く、時に涙が出るかもしれない…
そんなお話でございます
出だしはやはり、こうですかね
あるところに・・・・・・・・・・・
(あらすじ?終)