レーテーの雫ー中編ー
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叩きつける雨の中で立ち尽くした。
何かを思い出せそうな予感と、先程までの心地の良かったやりとり、突然の拒絶に、頭の中がぐるぐると渦巻いていた。
思い出さないほうがいい過去だったの?
自分がひたすらに囚われて居た過去を否定されたようで、呼吸が苦しい。古い傷痕が小さくなって喉をぎゅうぎゅう絞めつけてるみたいだ。頬を伝うのは雨か、涙か。
歩いて、廃ビルの一室に忍び込む。重たくなった繋ぎを脱いで絞った。
「っくしゅん」
悲しみが怒りに変わってきた。思い出さないほうがいい過去でも、私だけ知らないのはずるい。
人生っていう強制参加の催し物で、自分の弱さにルールも説明されないのは癪じゃないか。
大体、私は弱い訳じゃない。強くはなくても、強くなろうとしてた。…忘れた、何かのために。
とにかく自分の拠点に戻って、体制を立て直そう。もっと情報を探ろう。
そう思って、雨止みを待ってからドアを開けた瞬間。
カチャリ
こめかみに冷たいものが触れた。
「捕まえた。」
激しい雨に人の気配を感じることが出来なかったんだ。こんな時、あの人が居てくれたら。遠のいていく意識の中で、何故だか懐かしい、黒い脊中を思い出していた。
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叩きつける雨の中で立ち尽くした。
何かを思い出せそうな予感と、先程までの心地の良かったやりとり、突然の拒絶に、頭の中がぐるぐると渦巻いていた。
思い出さないほうがいい過去だったの?
自分がひたすらに囚われて居た過去を否定されたようで、呼吸が苦しい。古い傷痕が小さくなって喉をぎゅうぎゅう絞めつけてるみたいだ。頬を伝うのは雨か、涙か。
歩いて、廃ビルの一室に忍び込む。重たくなった繋ぎを脱いで絞った。
「っくしゅん」
悲しみが怒りに変わってきた。思い出さないほうがいい過去でも、私だけ知らないのはずるい。
人生っていう強制参加の催し物で、自分の弱さにルールも説明されないのは癪じゃないか。
大体、私は弱い訳じゃない。強くはなくても、強くなろうとしてた。…忘れた、何かのために。
とにかく自分の拠点に戻って、体制を立て直そう。もっと情報を探ろう。
そう思って、雨止みを待ってからドアを開けた瞬間。
カチャリ
こめかみに冷たいものが触れた。
「捕まえた。」
激しい雨に人の気配を感じることが出来なかったんだ。こんな時、あの人が居てくれたら。遠のいていく意識の中で、何故だか懐かしい、黒い脊中を思い出していた。
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