ニコチアナの花
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私から次元に、喫煙について口やかましく言ったことはない。たばこを吸ってる次元が、かっこよくて好きだから。そして下手に我慢させるより、好きに吸わせたほうが、ずっと長生きしてくれそうだから。
今回のことで、はじめて喫煙を控えた彼を観察するのだけど、意外なことに、意外なことに、大変かわいらしい。
てっきり苛立って手がつかなくなるかと思いきや、なんだかやたらに甘えてくるのだ。とは言っても、常人のような分かりやすい甘え方ではなく、ちょっとこちらの作業を邪魔してみたりだとか、通りすがりに体を軽くぶつけてみたりだとか、まるで甘え方の下手くそな野良猫のようで、心の底から愛おしくなる。甘える、というよりは、落ち着かなさをどうにかしようとして私を弄っているに過ぎないんだろうけど。
「この仕事が終わったら、好きなだけ吸っていいからね。」
仕事の下準備を続ける私の膝の上に、珍しくも頭を預けて横になる彼がかわいそうで可愛くて、励ましにもならない言葉を投げかける。
そういえば、ヘビースモーカーになる人って口唇期に十分な愛情を得られなかった傾向が高いんだっけ。すっかり無口な野良猫になった彼が、眉間のシワを深くして唸った。
「…口が寂しいぜ。」
「ガムでも買って来てあげようか?それとも私の指でも吸う?」
ふざけて彼の口元に指をチラつかせれば、苛立ったように食いついて、甘く歯を立てた。驚いて小さく声を上げると、彼は意地悪く笑った。
「お前がいいって言ったんだろ?」
「本当に吸うとは思ってないよ。」
口答えすれば、指の間に舌を這わされて、情けない声が漏れてしまう。
「コイツぁタバコよりいいかも知んねぇな。」
「…明日に響かない程度にしてね。」
今回の件に関しては、ちょっと浮かれ過ぎかもな、と、次の日の朝、シャワーの前に、身体中の歯型と小さな痣を見て、しみじみ反省したのだった。
***
今回のことで、はじめて喫煙を控えた彼を観察するのだけど、意外なことに、意外なことに、大変かわいらしい。
てっきり苛立って手がつかなくなるかと思いきや、なんだかやたらに甘えてくるのだ。とは言っても、常人のような分かりやすい甘え方ではなく、ちょっとこちらの作業を邪魔してみたりだとか、通りすがりに体を軽くぶつけてみたりだとか、まるで甘え方の下手くそな野良猫のようで、心の底から愛おしくなる。甘える、というよりは、落ち着かなさをどうにかしようとして私を弄っているに過ぎないんだろうけど。
「この仕事が終わったら、好きなだけ吸っていいからね。」
仕事の下準備を続ける私の膝の上に、珍しくも頭を預けて横になる彼がかわいそうで可愛くて、励ましにもならない言葉を投げかける。
そういえば、ヘビースモーカーになる人って口唇期に十分な愛情を得られなかった傾向が高いんだっけ。すっかり無口な野良猫になった彼が、眉間のシワを深くして唸った。
「…口が寂しいぜ。」
「ガムでも買って来てあげようか?それとも私の指でも吸う?」
ふざけて彼の口元に指をチラつかせれば、苛立ったように食いついて、甘く歯を立てた。驚いて小さく声を上げると、彼は意地悪く笑った。
「お前がいいって言ったんだろ?」
「本当に吸うとは思ってないよ。」
口答えすれば、指の間に舌を這わされて、情けない声が漏れてしまう。
「コイツぁタバコよりいいかも知んねぇな。」
「…明日に響かない程度にしてね。」
今回の件に関しては、ちょっと浮かれ過ぎかもな、と、次の日の朝、シャワーの前に、身体中の歯型と小さな痣を見て、しみじみ反省したのだった。
***