ニコチアナの花
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挙式は3日後ということで、一度解散することになった。不審な点の多さに、私は調べたいことが沢山あった。
五ヱ門はかつて世話になった住民の所に身を寄せるつもりのようで、くれぐれも注意をするように言って別れた。私たちは観光地のほうへホテルを取った。
船を降りた時には気付かなかったが、街中には、所々に結婚式のための装飾が見える。国王クラスではないとは言え、この島の実験をにぎる財閥の挙式だ。関心度が高いのは当たり前のことだ。
しかしながら、結婚なんて、本人たち二人以外に何の意味もないことなのに、よくもみんな飽きず関心を持っていられるものだ。
永遠なんて、この世に存在しないものを、人前でこれ見よがしに誓い合う理由って何だろう。
それとも、一瞬でも永遠を感じて身を寄せあうことこそ尊いのか。
考えごとに集中していたら、急に止まった次元の背中に勢いよくぶつかった。いつの間にかホテルに到着していたらしく、紳士的にもドアを開いてくれている。
「今日は随分大人しいな。」
「ちょっと考え事してるの。」
「お前、考え事すると本当にぼーっとするよな。」
ホテルのロビーに一足踏み込めば、所狭しと並べられた白いドレスに思わず息を飲んだ。あまりにも綺麗だったから。そしてその中の一着に目が離せなくなった。
それが、クリストフ財閥の婚礼の儀が近づいたために、キャンペーンで並べられたウエディングドレスだと気付いたのは、営業らしいお姉さんに声をかけられたからだ。
「ご試着如何ですか?」
「いえ…見ていただけですから。」
「着るぶんにはタダですから!どうぞ着て行って下さいよ。」
「そんな…予定もないのに試着なんてできません。」
「ドレスがあなたを呼んでいますよ、私、営業長いから分かるんです。是非着てあげてください!」
ちょっと袖を通して見たい気持ちと、そんなことしている場合か?という気持ちが綯交ぜになって困ってしまうと、面白がるように次元が口を挟んだ。
「着てみりゃいいじゃねぇか。」
「次元ったら…。」
「さぁ、是非是非!きっとお似合いですよ。」
ドレスの前に立って、まじまじと観察する。ドレスの前はざっくりと胸元が開いていて、下は膝が覗く程度のミニ丈。後ろは薄いチュールが幾重にも重なってゆったりとドレープが付いている。質の良いシルクを基調に、ゴールドがふんだんにあしらわれて、女の子なら誰でもため息をつくような、上品な砂糖菓子みたいなドレスだった。
ああ、と、少し納得する。こんなに素敵なものが着れるのなら、一瞬でも永遠を信じたくなるだろうと。
***
五ヱ門はかつて世話になった住民の所に身を寄せるつもりのようで、くれぐれも注意をするように言って別れた。私たちは観光地のほうへホテルを取った。
船を降りた時には気付かなかったが、街中には、所々に結婚式のための装飾が見える。国王クラスではないとは言え、この島の実験をにぎる財閥の挙式だ。関心度が高いのは当たり前のことだ。
しかしながら、結婚なんて、本人たち二人以外に何の意味もないことなのに、よくもみんな飽きず関心を持っていられるものだ。
永遠なんて、この世に存在しないものを、人前でこれ見よがしに誓い合う理由って何だろう。
それとも、一瞬でも永遠を感じて身を寄せあうことこそ尊いのか。
考えごとに集中していたら、急に止まった次元の背中に勢いよくぶつかった。いつの間にかホテルに到着していたらしく、紳士的にもドアを開いてくれている。
「今日は随分大人しいな。」
「ちょっと考え事してるの。」
「お前、考え事すると本当にぼーっとするよな。」
ホテルのロビーに一足踏み込めば、所狭しと並べられた白いドレスに思わず息を飲んだ。あまりにも綺麗だったから。そしてその中の一着に目が離せなくなった。
それが、クリストフ財閥の婚礼の儀が近づいたために、キャンペーンで並べられたウエディングドレスだと気付いたのは、営業らしいお姉さんに声をかけられたからだ。
「ご試着如何ですか?」
「いえ…見ていただけですから。」
「着るぶんにはタダですから!どうぞ着て行って下さいよ。」
「そんな…予定もないのに試着なんてできません。」
「ドレスがあなたを呼んでいますよ、私、営業長いから分かるんです。是非着てあげてください!」
ちょっと袖を通して見たい気持ちと、そんなことしている場合か?という気持ちが綯交ぜになって困ってしまうと、面白がるように次元が口を挟んだ。
「着てみりゃいいじゃねぇか。」
「次元ったら…。」
「さぁ、是非是非!きっとお似合いですよ。」
ドレスの前に立って、まじまじと観察する。ドレスの前はざっくりと胸元が開いていて、下は膝が覗く程度のミニ丈。後ろは薄いチュールが幾重にも重なってゆったりとドレープが付いている。質の良いシルクを基調に、ゴールドがふんだんにあしらわれて、女の子なら誰でもため息をつくような、上品な砂糖菓子みたいなドレスだった。
ああ、と、少し納得する。こんなに素敵なものが着れるのなら、一瞬でも永遠を信じたくなるだろうと。
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