ニコチアナの花
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何度かしつこくねだって、しぶしぶ、といった感じで、次元は服を脱ぎ始めた。頬杖をついてぼんやりと眺めていると、じろじろ見るんじゃないと唸られた。
「今更何を照れてるの。」
「照れてんじゃねぇ、気色悪ぃぜ、お前。」
仕方なく背中を向ければ、しばらくして水位がふわ、と上がった。後ろから抱え込むように、彼が湯船に入ったのだ。
いつもソファにそうするように、バスタブのへりに肩を掛けて深く腰を落ち着けた。私はその胸元に濡れた頭を預ける。
「あったかいね?」
「まぁな。」
自分から誘ったのに、なんとなく気恥ずかしくて、手持ち無沙汰に濡れたタオルでクラゲを作る。
彼は今だに縄跡が気になって仕方がないようだ。
「どうせすぐ治るってば。元々汚い体だし。」
何気なく首を擦り、振り向きながら軽口を叩けば、見たこともないほど怖い顔をしていた。
「かもめ。」
「な…何?」
「お前、冗談でもそんなこと言うんじゃねぇ。」
「どしたの…急に。」
「この際だから言ってやる。自分のことをそんな風に卑下するのはやめろ。金輪際な。」
「だって…。」
「だってもクソもねぇよ。」
言葉の乱雑さとは相反するような優しい手つきで抱きしめられて、心臓がはね上がった。
「自分の価値が分からないんだろう?」
次元の言葉が少しも理解できなくて混乱する。その様子を察したのか、彼はほんの少しタバコの香るため息をついた。
「…言葉で言ったって、納得しそうにねぇなァ。」
私の首にもたれかけた頭をひねって、
次元は私の古い傷跡に舌を這わせた。予測もしていなかった、ざらついた舌先のくすぐったさに、身体が震える。手が緩んで、タオルのクラゲは死んだ。
彼は腕を伸ばして、ホテルに備え付けられた時代遅れな海面スポンジを取った。水を含んでズグズグになった石鹸を泡だてはじめた。
「おら、こっち向け。」
「なんなの、次は。」
「体、洗ってやる。」
***