パピヨン・ボヤージュ
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薄い綿のワンピースに袖を通したかもめは、まるきり少女のようだった。
「それ、なんとかならねぇのか?」
「今、あのちっちゃいスーツケースに入るような服しか持ってないんだって。」
「そりゃあそうなんだろうけどよ…。」
エレベーターの中の鏡に映る二人組は、どう見ても誘拐犯と誘拐されたご令嬢、といった風情だ。チンと音を立ててドアが開く。
「私だっていつもは気を使ってるんだよ?並び立って遜色ないように。」
「そりゃありがとよ。」
俺の昔馴染みが仕事を振って来た。今連れ合いが居る、といえば、かえって好都合だと言うので、そのまま連れて来た次第だ。また若いだのロリコンだのと面倒なことを聞かれるんだろうと気が重い。
「来たな、次元大介。…そちらが君の連れ合いか?」
「初めまして、かもめよ。」
「これはこれは…噂には聞いていたが。今回の仕事には適任だな。」
「どう言う要件だ?」
「実は、女学院に潜入して、盗み出して欲しいものがあるんだ。」
ぷふっとかもめが吹き出した。
「待って、私がいなかったら次元一人を女学院に送り込むつもりだったの?」
「この女学院には名家のご令嬢しか入れなくてね、必ず一人か二人、専属の執事がつくことになって居るんだ。」
「なるほど。」
「決行の日は女学院の感謝祭。ターゲットは女学院の理事長室に保管された金印。…やってくれるね?」
***