緋色の終焉
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沈黙の後、イヴァンの耳触りな高笑いが響いた。
「ーーーハッハッハッハ…ハハ…ハハハ…傑作だ、こりゃあ傑作だ。次元大介。よくもまああんな小娘を手篭めにしてくれたなあ? お陰で、お陰で世界は私のものだ!!!!」
馬鹿女…だからお前はクソガキなんだ…そのクソガキは意外にも、少しも恥ずかしいことなんてない、とでもいうような、真剣で、きりりとした顔をしている。間違っていることなんて何もないとでも言うように。
思い出す。アンビバレンスの美学。
イヴァンは新しい指---赤い蛇を纏う手でメダルを拾い上げ、猫なで声で続けた。
「助かったよ、我が娘。汚い汚いドブネズミ。結局お前は最後まで私の期待に応えてくれたね。」
かもめは聞いたこともない低い声で答えた。
「お前みたいな父親しらねぇ。」
イヴァンは、ルィティモ・プァーヴァルの背中にメダルをはめ込んでいく。
かちゃり、
かちゃり、
ああ畜生。これが世界の終わりだなんて。
かちゃり、
かちゃり、
かちゃり、
せめて、
かちゃり、
かちゃり、
かちゃり、
最後に、
かちゃり、
かちゃり、
かちゃり、
かちゃり、
タバコを一本、吸いたかったな。
ガチャリ
「ではな、諸君。ご苦労だった。世界の終わりまでしばし微睡むがいい。それとも汚いドブネズミ同士でまぐわうのか? 精々余生を大切にな。ハハハハハハッ」
イヴァンがルィティモ・プァーヴァルの操縦席、開かれたグリフォンの背中に乗り込んだ。
と同時に、扉は勢いよく閉まり、吹き出した野郎の血が、雨のように降り注いだ。
***