終わりのはじまり
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身体中をくまなく拭いてやって、目立つ傷には手当をして、俺のシャツを着せた。自分の体にはぴったりと誂えたそれも、かもめは大きすぎて、もともと小さなかもめがもっと小さく見えた。
程なくしてルパンが紙袋を抱えて帰ってくる。
「何をそんなに買ったんだよ。」
「いやいや好みがわかんなくって。」
とにかく下着を履かせようと紙袋を漁るが、如何にもこうにもいかがわしい。
「テメェ…自分の好みで買い物しやがったな?」
「男ならみ〜んな好きでしょ?」
グフフと笑う相棒に、呆れて返す言葉を失った。
一番マシに見えるものを手に取る。黒…。
「お前向こう向いてろ。」
「何でぇ次元ちゃんばっかりずるいなァ。」
「同意もなく見る裸なんて燃えねぇよ。思春期でもあるめぇし。」
「か〜っこつけちゃってェ。」
半分ほど足を通したところで、ルパンがこちらを向いていることに気づく。唸ってやると、きゃ〜っとわざとらしく悲鳴をあげた。
丁寧に足を揃えて、毛布で包んでやる。
「もういいぞ。」
「次元ちゃん、大事にするねぇ。」
「馬ッ鹿野郎。こいつに借りがあるだけだ。」
息をしているのか不安になって、口元に手を当てる。わずかに風を感じて、自分でも驚くほど安心する。
一服欲しくなって、思い直して棒付きキャンディの封を開いた。イチゴ味。
「吸わねぇの?」
「願掛けだよ。…こいつこのまま起きねんじゃねぇか?」
「キスしてみな。目を覚ますかも知んねえぜ?」
「けっ。馬鹿馬鹿しい。おとぎ話じゃあるめぇし。」
床に寝転んで足を組んだ。
「疲れてんだろ? ベッドで休めよ。俺が見てるからさ。」
「生憎床で寝るのに慣れちまってな。」
「あぁ、そーかい。じゃ、おやすみ王子様。」
「はっ倒すぞ。」
馬鹿馬鹿しい。馬鹿馬鹿しいが。
眠り姫のおでこにキスを落として、自分も眠りについた。
***