そして出逢いは交差して
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今回は一体どれくらい殴られれば済むんだろう。
彼は生き延びろと言った。でも、ねえ、ルパン三世、生きるのは難しいことだよ。生きているって痛くて苦しいことがたくさんあるもの。そして何より、そう簡単に人は死ねないのよ。生き延びたい時ほど簡単に死んでしまうのと同じで。
着替える暇も与えられず、私はいつもの悪趣味な赤い扉の前に傅いた。
「失敗したそうじゃないか。」
「…予告時刻よりも早く、ルパンに遭遇し、戦闘する間もなく、気絶させられてしまいました。」
いつもみたいにいきなり頭を踏んづけられんのかな、と思って身構えていると、髪を掴まれて、無理やり上を向けられた。
「ほう、驚いた。馬子にも衣装とは言ったもんだな。」
先ほどまでの張り詰めた空気が、穏やかに、でも奇妙な熱を持った嫌な感じに変わった。
そういえばブカブカのつなぎ以外の姿であの人の前に立ったのは初めてだ。
やべ、まずったかも。
「立って、回って見せなさい。」
下手に刺激を与えたくなくて、言われた通りにする。
あの人は満足げに息をついて、思惑ありげに顎を撫でた。
「日本人はよほど発育が悪いのかと思っていた。が、お前はあの野暮ったい服の下に隠れて、きちんと成長していたんだね。」
後ろから、あの人の手が肩の周りをいやらしく撫でる。気持ち悪い。私の小さな胸を鷲掴みにして耳元で囁く。
「大きくなったね。」
不快感が頂点を迎えた時、コンコン、と、乾いたノックの音がした。
「イヴァン様、会合の時間です。」
あの人は舌打ちをして、口惜しそうに胸から手を離した。
「お仕置きは後でゆっくり、してやろう。」
***