桜色の季節
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「大した大泥棒たち。」
かもめは頰を桜よりもピンク色に染めて笑った。
夜明け前に、桜の枝を公園からいくらか拝借してきたのだ。ベッドの脚に縛り付けた桜の枝から、シーツの上に花びらが降り積もる。花に埋もれるかもめは、服装も手伝って蝶のような有様だった。
「今回はかもめちゃんのお手柄だったからなぁ。」
「そう言うことだよ。」
労いの言葉に照れて頰を染めたかもめは、わざわざ水筒に淹れたホットワイン、ランチバスケットを見て、ますます子供のように笑った。チェックのブランケットを広げて、夕べから仕込んだ料理を広げる。窓から春先の風が吹き込んで、花びらをふわりと舞い上げた。
「本当にお花見みたい。」
「珍しくお前が欲しがったからな。」
「うん、そうだね。…二人ともありがとう…だいすき。」
耳をくすぐるような小さな告白に思わず頭を搔く。この笑顔のためには、どんな宝物だって安い。それは相棒も同じようで、頰をゆるゆるに緩ませて笑っている。かもめが俺たちに恭しく花かんむりを被せた。いい歳の男にはどうやったって似合わないが、この笑顔にはやはり、なんだって安いのだ。
「さて、乾杯しようぜ〜!」
ホットワインをカップに注いで景気良くぶつける。
「「「カンパ〜〜〜イ!!」」」
***