桜色の季節
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朝目が覚めると、ベッドの端に大きなプレゼントの箱が沢山あった。まるでクリスマスの朝みたいでーーこんなプレゼントを沢山もらうようなクリスマスを経験したことはもちろんないのだけどーーパステルカラーの箱とシフォン生地のリボンに包まれたプレゼントは、私の心をくすぐった。
箱を開けてみると、石鹸のような清潔で甘い香りがした。薄地の白いワンピース、赤いチェックのブランケット、春の花を沢山連ねた花輪や、うっとりするような春色のリップ、歩くのには向かない可愛い靴が入っていた。
箱の一番底には、メッセージカード。
「おしゃれして、目隠しして待ってて!」
これはルパンの字だな。企みはわからないけど、その素敵なプレゼントへ着替えて、薄くお化粧をした。幅の太い白いリボンで、おとなしく目を塞ぐ。
『…から…そっち…ろよ!』
『…! …前が…うわあ!』
目を塞いで5分ほど経った。外が何やら騒がしい。壁に何かがぶつかる音と、男二人が言い争う声。気になって目隠しを取りたくなって、約束のために膝をぎゅっと抱えた。
コンコンコン
控えめなノックが響く。
『目隠ししてるか。』
「してるよ。」
『入るぞ。』
「どうぞ。」
何かがわさわさと音をたてている。一体なんだろう。ふわりと甘い香りが香ったかと思えば、目隠しのリボンを解かれた。
私の目の前には、一面の桜が広がっていた。
***