桜色の季節
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「一時的とはいえ、お前、よくルパンを担げたな。」
「火事場のなんとかって奴だよ。おかげで身体中がバキバキ。」
「お世話になりました。…ありがとよ、かもめちゃん。」
本当に自分でもよくやれたと思う。無茶をした代償に体は素直に悲鳴を上げていた、次元は、アジトに車を停めると、足をかばうルパンに肩を貸した。
「っ痛て… おい次元、もっと優しくしろよ。」
「文句言うな。」
私も後に続こうとしたけれど、立ち上がろうとした所で足首に鈍い痛みが走った。ひどく捻挫してしまったらしく、そのまますとんと座席に腰を下ろしてしまう。その様子に気づいた次元は、背広を投げてこちらによこした。
「かもめは少しそこで待ってろ。」
オープンカーなので、僅かでもじっとしていれば冷える。絹のような薄いドレスでは尚の事。背広に、つい先ほどまで着ていた彼の温もりを感じる。
彼とたばこの混じった匂いを嗅ぎながら目を閉じていると、体が宙へふわりと浮かんだ。
「次元。」
「こりゃ大分腫れてるな。医者に診てもらわねぇと…。」
足首を見ながら次元がつぶやく。当たり前のように、軽々と横抱きにされて、胸の高鳴りに一瞬痛みを忘れた。真剣な彼の眼差しにドキドキしてしまう。
「か…肩貸してくれれば歩けるよ。」
「こっちの方が早いだろ。それとも抱かれるのは嫌か?」
「そんな事…。」
「今日はお前の大手柄だったんだ。気にしなくていい。」
ベッドに運ばれて、優しく靴を脱がされた。素足に彼の指が触れて肌が疼く。お湯を汲んできてくれたので、顔を洗って化粧を落とす。すっかり埃だらけになってしまったドレスの背中のファスナーに、彼が手を伸ばした。夜から脱皮をするように、私は深い色のドレスを脱いだ。
「台無しになっちゃったね。」
「気に入ってたか?」
「うーん…どうだろ、私には大人っぽすぎた気がする。」
「俺は、結構好きだったぜ。」
彼がタオルで体を拭いてくれた。まるで壊れ物のように丁寧に。手負いだから優しくしてくれているんだと察するけど、そんな触れ方では私を火照らせるばかりだ。裸のままで名前を呼ぶと、腕まくりをした彼が困ったように笑った。
「…次元。」
「何だその目は。熔けたような顔しやがって。」
「次元があんまり優しく触るから…。」
「我慢してるのがお前だけだと思うなよ。」
頭をわしわしと撫でて、優しくおでこに唇を寄せてくれた。
「ルパンを診てくる。今日は隣で寝るから、困ったことがあったら呼べよ。」
***