2匹の子猫
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今日はようやく仕事が落ち着いて、のんびりした昼下がりだった。朝からマーケットで色々と入り用なものも買えて、みんな思い思いにわずかな休暇を過ごしている。スリリングな私たちの生活の、ほんのひと時のまどろみの時間。
やっと今日補填できたのだけど、次元の最後のタバコが切れてから三日、仕事も立て込んでいたし、気が立って、何となく疲れている風な彼に手をかけたくなくて、ほんのちょっぴり距離をとってみた。
私は結構寂しかったのだけど、彼は全くそんなそぶりは見せなくて、やっぱり普段しつこく甘えすぎていたかな、と反省する。彼は大人で、だからこそ甘えたくもなるのだけど、もっと大人な関係を意識した方がいいのかもしれない。そんなことを考えつつ、お湯を沸かしていると、後ろからルパンが抱きついてきた。ジタンと香水が香る。
「わあ。どうしたのルパン。」
「ちょ〜っと甘えたい気分なのよね。」
何となく寂しさを感じていた私に、ルパンのいたずらっ子みたいなじゃれつきは嬉しかった。ルパンは甘えるのが上手だ。
「ふふ。なんか嫌なことでもあった?」
「嫌なことがないとかもめちゃんに甘えちゃダメかい?」
「そんなことはないけど。私じゃ役不足じゃないかな?」
「そんなこと無いさ。」
何となく次元の視線が気になった。相変わらず室内だというのに目深に帽子をかぶって、口角を下げて、一体どこを見ているのやら。
「甘えるのもいいけど、お手伝いしてほしいな、ルパン三世ちゃん。人数分のカップを出してくれない?」
「はぁ〜い。」
「いい子、いい子。」
素直に返事をするルパンを軽く撫でると、彼は目を細めて子供のように返事をした。カップを三つ器用に運んで、次元と何やらこそこそと話している。本人たちに言ったらきっと否定されてしまうけど、このささやかな兄弟のようなやりとりが微笑ましくて胸がほっこりする。
「何のお話?」
「まぁ、その、こっちの話。」
入れたてのコーヒーを片手に話に混ぜてもらおうとしたら、何だか煙に巻かれてしまった。ルパンだけが楽しそうにクスクスと笑っている。
***