2匹の子猫
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
数日切らしていたので久し振りのタバコだ。ジッポライターで火をつけると、冴えた音と一緒にまろやかな煙が広がった。言いようのない苛立ちを、吸い込んだ煙とゆっくり吐き出す。
他人が居る前では一切やらないが、かもめは甘えたがりだ。
ソファに寝そべっていれば必ずと言っていいほどソファと俺の背の間に割入ってくるし、構って欲しいときは猫のように体を寄せる。撫でて欲しい時は手を導いてねだるし、ベッドの中では言うまでもない。
そんな子猫のようなかもめが、ここ数日全くと言っていいほど触れて来ない。避けられているのかとも思ったが、本人の機嫌はいたって悪くなさそうで、思い当たる節もない。寂しい、というよりは、何となく、物足りない。
***
「ルパン、最近かもめ、おかしいと思わねぇか?」
「おかしいって何が?」
「いや…何つうか。」
結局一番身近な人間に意見を求めることにしたが、かもめが最近甘えて来ない、なんて言ったら、この相棒は指を指して笑うのだろう。ありありと目に浮かんで、まだ笑われてもいないのに腹が立った。揶揄われると面倒なので、慎重に言葉を選ぶ。
「いつもと違うだろ。」
「いつもと? さァてね…俺はオンナノコの変化には敏感な方だけどな。」
大泥棒が顎に手を当てて推理を始めた。
「今朝会った時はふつうに元気だったし…機嫌だって悪くない。さっきほっぺたを突っついた時も、いつもと同じにぷにぷにだったし。」
「お前ね。」
「触りたくなるほっぺだよな、かもめちゃん。」
無言で睨め付けると、ルパンは悪い悪い、と、全く悪びれもせずに謝った。
「…意外と嫉妬深いよねぇ次元ちゃんは。あとは、仕事っぷりもいつもと変わらない首尾だったし…あ。」
「何だ?」
「いや、これはきっと関係ねぇなぁ。」
「何だよ?」
「し〜つこいねぇ、ったく、何だってんだ? かもめちゃんと何かあったってのか?」
痛いところを付かれて口をつぐむ。目の前の男はニヤリと笑った。
「話してみろよ、このルパン三世様が聞いてやっから。」
結局この男にはさして隠し事ができないのだ。タバコを噛み締めると、白く伸びた灰がタバコから落ちた。
***
他人が居る前では一切やらないが、かもめは甘えたがりだ。
ソファに寝そべっていれば必ずと言っていいほどソファと俺の背の間に割入ってくるし、構って欲しいときは猫のように体を寄せる。撫でて欲しい時は手を導いてねだるし、ベッドの中では言うまでもない。
そんな子猫のようなかもめが、ここ数日全くと言っていいほど触れて来ない。避けられているのかとも思ったが、本人の機嫌はいたって悪くなさそうで、思い当たる節もない。寂しい、というよりは、何となく、物足りない。
***
「ルパン、最近かもめ、おかしいと思わねぇか?」
「おかしいって何が?」
「いや…何つうか。」
結局一番身近な人間に意見を求めることにしたが、かもめが最近甘えて来ない、なんて言ったら、この相棒は指を指して笑うのだろう。ありありと目に浮かんで、まだ笑われてもいないのに腹が立った。揶揄われると面倒なので、慎重に言葉を選ぶ。
「いつもと違うだろ。」
「いつもと? さァてね…俺はオンナノコの変化には敏感な方だけどな。」
大泥棒が顎に手を当てて推理を始めた。
「今朝会った時はふつうに元気だったし…機嫌だって悪くない。さっきほっぺたを突っついた時も、いつもと同じにぷにぷにだったし。」
「お前ね。」
「触りたくなるほっぺだよな、かもめちゃん。」
無言で睨め付けると、ルパンは悪い悪い、と、全く悪びれもせずに謝った。
「…意外と嫉妬深いよねぇ次元ちゃんは。あとは、仕事っぷりもいつもと変わらない首尾だったし…あ。」
「何だ?」
「いや、これはきっと関係ねぇなぁ。」
「何だよ?」
「し〜つこいねぇ、ったく、何だってんだ? かもめちゃんと何かあったってのか?」
痛いところを付かれて口をつぐむ。目の前の男はニヤリと笑った。
「話してみろよ、このルパン三世様が聞いてやっから。」
結局この男にはさして隠し事ができないのだ。タバコを噛み締めると、白く伸びた灰がタバコから落ちた。
***