キスミー・クイック
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「次元、お前最近なんか元気ないな?」
アジトの居間で、もう何度も見たことがあるマカロニ・ウェスタンを見るともなしに眺めていると、相棒がスコッチウィスキーを片手にやってきた。かもめが蚤の市で買って来た、レトロなぐい呑のような、蕎麦猪口のような器を差し出しながら、痛いところを突っ込む。
「歯痛だよ。」
「お前の歯医者嫌いも筋金入りだねぇ。」
「ほっとけ。俺は歯医者が嫌いなの。」
「珍しいじゃねぇか、お前が元気ないってのは。」
「俺はそんな元気溌剌なキャラだったか?」
「そうじゃねぇが、感情がはっきりしてる方だろう? お前は。こんなに漠然と元気がないのは初めてだ。…かもめちゃんも心配してたぜ?」
原因の張本人の名前に、思わず帽子を深く被り直した。その仕草を察して、相棒は酒を一口啜る。
「…かもめちゃんとなんかあったのけ?」
「いや、何もねぇよ。何もなさすぎるくらいだ。」
「…そういや最近夜半に出掛けるよな。」
「だから、何にもねぇって。」
「かもめちゃんが夜出歩くのは今までで始めてだよな。一体どこに…。」
「だから、何も無いって言ってるだろう!」
分かりやすく声を荒げてしまう。相棒は顔色の一つも変えずに、酒を勧めた。
「まあ飲めよ。…そんで、何があったんだ?」
***