へそ曲がり達のクリスマス
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階段を降りると、キッチンから何やら音がする。見慣れた背中が二つ。キッチンに置き忘れたものを思い出して、サーーっと血の気が引いた。
「ルパン!五ヱ門!! ばっかお前ら…! 何勝手に食ってやがる!」
「だって広げて並べてあったから。食べていいのかと思って。」
「これはいい味だ。甘いが、さっぱりとして、しつこくない。いくらでも食べられる。」
「これは俺のなんだよ!勝手に食うんじゃねぇ!」
皿のクッキーを庇うが、既に3分の1ほど食べられてしまっている。
「沢山あるんだからいいじゃねぇか1枚や2枚。次元のケチ。」
「お前らが食ったのは1枚や2枚じゃないだろう!」
「そんなに食べられたくなければ、名前でも書いておけばいいものを。」
「馬鹿言う前にそのモグモグやってる口を止めやがれ!」
なんとか皿を持ち出して、部屋に上がる。支度を終えて階段を降りようとしたかもめと鉢合わせた。
「なんだか騒がしいね、一体どうし…」
言いかけてかもめは、手元の皿を見て息を止めた。
「俺が、貰ったからな。」
かもめは無言で頷いた。
「…玄関で待ってる。」
「ああ。」
階段を降りる背中に、一欠片を口にしたときから伝えたくて堪らなかったセリフを投げた。
「滅茶苦茶、旨かった。」
かもめはびくりと震えて、後ろからでも分かるほどに耳を真っ赤に染めて、階段を駆け下りていった。
Fin