へそ曲がり達のクリスマス
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「ねぇ次元、なんで私がこのクマが欲しかったか分かる?」
「さァな。」
部屋の引き出しから、あるものを取り出して、恭しくクマに被せる。
それは、小さな中折れ帽子。
不機嫌そうな灰色のクマに視線を奪われたのは、大好きな人になんとなく似ている気がしたからだった。忘れられなくて、暇なときに余り布でこさえていた小さな帽子。目算で作ったから、少し大きすぎてしまったその帽子は、つぶらな目元を隠して、より一層彼に似た。
「ほら、やっぱり可愛い。誰かさんに似て。」
次元はなんとも言えない顔をして身じろぎしている。改めて見ると、本当に可愛いクマだ。どっかの誰かさんに似て。ちっちゃなクマの、けむくじゃらの頰に唇を寄せる。本物のけむくじゃらさには負けだな。
「…お前も本当、大概だよな。」
「それってどう言う意味?」
「可愛いってこったよ。」
彼はちぎれそうなほど帽子を深く被り直して立ち上がった。
「機嫌が直ったなら、行くか、メシ。」
***