へそ曲がり達のクリスマス
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ぬいぐるみもらったのなんかはじめて。」
そういって微笑むかもめは、まるきり子どもみたいで、自分が的外れをしたわけではないことがわかった。安堵と、その顔に腹がくすぐられたようになって、思わずネクタイを緩める。
「これ、どうして?」
「ルパンに聞いたら、お前がそう言うプレゼントにちょっと憧れてるって言われてな。いつかショーウィンドー、じっと見てただろ。」
「ありがとう。」
かもめは素直にお礼を言って、両手に収まる程度の小さなクマの両手を握って遊び始めた。
「気に入ったか?」
「うん。」
「機嫌、治ったか?」
二つ目の質問には、ギクリと肩を震わせて返事をしなかった。まだ何か解消できていないらしい。かもめ好みに合わせた甘めのココアを一口啜って続ける。
「おもちゃ屋なんて入ったのは随分久々だったぜ。」
「でしょうね。でも、このぬいぐるみがいたお店って、おもちゃ屋さんって言うか、ぬいぐるみのセレクトショップだったはずでしょ?」
「そこまでは知らねぇ。…確かにぬいぐるみばっかりだったな。熊の。」
「そうだよ。この熊だって、ちっちゃいけど、そんなに安くなかったはずだよ。ビンテージものだもん。」
「…それ買う時な、随分店員に色々訊かれたぜ。」
「そのはずだよ。ちゃんと大事にしてくれる人にしか売らないタイプのお店だもん。」
「道理で。」
「何が?」
「お前のことを聞かれたんだよ。どんな色やものや音楽が好きで、どういう性格してるのか。随分小っ恥ずかしいことまで聞かれたぜ。」
「例えば。」
「お前のどういうところが好きなのか、とかな。」
かもめは飲みかけのココアを気道に詰まらせて大げさにむせた。どういうわけか、耳まで赤くなっている。背中を擦ってやると、降参しましたとでも言うように、かもめは両手を上げた。
「おいおい、恥掻いたってのは俺だってのに。」
「もういいよ、わかった、わかったから…。」
「…機嫌、治ったか。」
「ばか、もう、嫌い。」
そう言ってかもめは、言葉とは反対に、胸の中へもたれこんできた。
「…なんて言ったの。」
「教えてやんねぇ。」
「素直じゃないね。」
「お互いにな。」
「でも、好きよ。そう言う一筋縄じゃいかないところ。」
「その言葉、そっくりそのままお前に返すぜ。」
***
そういって微笑むかもめは、まるきり子どもみたいで、自分が的外れをしたわけではないことがわかった。安堵と、その顔に腹がくすぐられたようになって、思わずネクタイを緩める。
「これ、どうして?」
「ルパンに聞いたら、お前がそう言うプレゼントにちょっと憧れてるって言われてな。いつかショーウィンドー、じっと見てただろ。」
「ありがとう。」
かもめは素直にお礼を言って、両手に収まる程度の小さなクマの両手を握って遊び始めた。
「気に入ったか?」
「うん。」
「機嫌、治ったか?」
二つ目の質問には、ギクリと肩を震わせて返事をしなかった。まだ何か解消できていないらしい。かもめ好みに合わせた甘めのココアを一口啜って続ける。
「おもちゃ屋なんて入ったのは随分久々だったぜ。」
「でしょうね。でも、このぬいぐるみがいたお店って、おもちゃ屋さんって言うか、ぬいぐるみのセレクトショップだったはずでしょ?」
「そこまでは知らねぇ。…確かにぬいぐるみばっかりだったな。熊の。」
「そうだよ。この熊だって、ちっちゃいけど、そんなに安くなかったはずだよ。ビンテージものだもん。」
「…それ買う時な、随分店員に色々訊かれたぜ。」
「そのはずだよ。ちゃんと大事にしてくれる人にしか売らないタイプのお店だもん。」
「道理で。」
「何が?」
「お前のことを聞かれたんだよ。どんな色やものや音楽が好きで、どういう性格してるのか。随分小っ恥ずかしいことまで聞かれたぜ。」
「例えば。」
「お前のどういうところが好きなのか、とかな。」
かもめは飲みかけのココアを気道に詰まらせて大げさにむせた。どういうわけか、耳まで赤くなっている。背中を擦ってやると、降参しましたとでも言うように、かもめは両手を上げた。
「おいおい、恥掻いたってのは俺だってのに。」
「もういいよ、わかった、わかったから…。」
「…機嫌、治ったか。」
「ばか、もう、嫌い。」
そう言ってかもめは、言葉とは反対に、胸の中へもたれこんできた。
「…なんて言ったの。」
「教えてやんねぇ。」
「素直じゃないね。」
「お互いにな。」
「でも、好きよ。そう言う一筋縄じゃいかないところ。」
「その言葉、そっくりそのままお前に返すぜ。」
***