オール夢「お姫様の日」
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五ヱ門は、どうやら調理が済んだようで、和服に似合わないピンクのミトンをつけて、土鍋を持って仁王立ちしている。
「わあ、いい匂い。和食を作ってくれたの?」
「その…かもめ殿は食欲があまり無いかも知れぬとルパンに聞いて…某、精進料理を…。」
褒めるとしどろもどろになる五ヱ門が可愛くて笑ってしまう。次元は桃を片付けて、作業部屋のルパンを呼びに行った。食卓を片付けて、鍋敷きを置くと、ホッとしたように五ヱ門は土鍋を下ろした。蓋を開けると、ふんわりと出汁の匂いが鼻をくすぐる。麦飯を出汁で柔らかくトロトロに煮たものが、卵とじにされた雑炊。ネギや生姜や、新鮮な薬味の香りが食欲をそそる。懐かしい日本料理に心が踊る。きっとこの土地でこれだけの食材を揃えるには、うんと苦労をしただろう。
「ありがとう、五ヱ門。とっても美味しそう。」
さて、お皿とお箸と…と立ち上がれば、五ヱ門に自分がやるから!とたしなめられてしまった。箸や小皿を取り出す背中で、五ヱ門は続けた。
「…かもめ殿、我々、男衆ゆえ、至らぬところも多いと思うが、常にお主を守るぐらいの気概は持っている故、何かあれば、すぐ頼りにしてほしい。些細なことでも。」
目を見て言えないところが五ヱ門だよな、とニヤニヤしてしまう。はだけた和服の胸元から、引き締まった筋肉が覗いて色っぽい。ちょっとイタズラ心が湧いて、夢中で食事の支度をする五ヱ門の傍にそっと近づく。
「お主に頼られることは、決して迷惑などではなく、某たちに男としての自覚や…自信を与えるものだ。そしてお主はもう十分すぎるほどこの一味を支えているし…役立っておる。お主のような可憐な乙女がいてくれるだけで、どれほどここの風通しが良くなったか。」
ちゅ
隙をついて、軽くほっぺにキスしてやった。
みるみる真っ赤になる五ヱ門の顔。
「うん、ありがとう、五ヱ門。」
これくらいいいよね? だって今週は、私、お姫様らしいし。
絶句する五ヱ門をよそに、ルパンと次元が食卓に着いた。
「お~、いいねぇ、雑炊か。こんな日にはぴったりだな。」
「あっれぇ五ヱ門ちゃん、真っ赤になってどうしたの?」
「ど…どうもしていない!」
「かもめちゃん、イタズラしたでしょ。」
「ちょっとお礼のご挨拶をしただけだよ。」
片目を閉じてほっぺたをツンツン、とつつけばあら~っとルパンが目尻を下げる。次元だけが不愉快そうに、「なんだそれ、んな挨拶されてねぇぞ。」と膨れた。
Fin