みみもと
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まだ耳に奴の柔らかい舌の感触が残っているようで、火照った耳を手のひらで擦ってその感覚を掻き消そうとした。
知らない感覚に柔らかい爪痕を残した張本人は、こっちを馬鹿にしたようなハの字の眉、イタズラが成功した時の子供みたいな、奴らしいドヤ顔を浮かべている。呆れて正直に感想を述べた。
「…脳ミソが溶けちまうかと思ったぜ。」
「ふふ…また、してあげるね。」
最後のとどめにまだじんじんと痺れる耳に甘い言葉を流し込んで、仕上げに耳たぶにキスが落ちた。かもめは起き上がると、満足そうにニッコリと笑って、機嫌よく、情事の残骸…つまり、くしゃくしゃのティッシュを片付ける。情けなくも心地よい疲労に浸っていると、やがて明かりを消して、ロッカーのあの時のように、かもめが胸元へ忍び込んでくる。俺の腕を巻きつけて、寝る姿勢に落ち着いたところで、腕に力をこめた。
「…だけど、なぁ?かもめ。」
「…ん?」
「今の、どこで覚えて来たんだ?」
「ど、どこでってそれは…」
「俺には言えない所か?」
「えと…ぁ…アジトに転がってた大人向け読み物で…」
思わずため息が出る。意図した訳ではないそれにさえ、かもめは大袈裟に反応した。
「あのヤローのポルノ雑誌か? 熟読するなんてお前も相当な物好きだな、ん?」
「あの、ほんと、そこで喋るの、だめ…」
「そこって何処だよ。」
「次元の声、低いから、だめなんだってば…」
腕の中でバタバタともがくが、息を耳にゆっくりと吹きかけると、体を小さくして大人しくなる。
「さて、このあとお前はどうしてたっけな。」
***