メルモール
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「メルモールなんてお前の趣味だったか?」
「なんだって良いだろ。」
「モナン、ドライフルーツ、アイスクリーム。」
「これは俺のポケットマネーだ。お前らの買い物じゃない。」
カートを押しながら、カゴの下に隠していた買い物について、鋭い相棒の指摘に思わず帽子を下げる。組織というほどじゃないが、大の大人3人と小さい大人が1人、悪い女が時々1人となれば、買い物にも一苦労だ。
日用雑貨と食品で二手に分かれて買い物に出向いた。こっちは食品担当だ。
一般にも向けられた業務用のアウトレットは、大量買のお客でごった返していた。
買い物を終えると、先に済ませたらしい五ヱ門とかもめがフィアットで待っていた。二人で所在なさげにカップのカプチーノを啜っている。ルーフにはトイレットペーパーやら洗剤やらがうまいこと積んであることと、二人の鼻の頭が赤くなっているところを見ると、随分待たせたらしい。
「中で待ってりゃ良かったのによ。」
「迷子になっちゃうよ。私も五ヱ門も、キー持ってなかったし。」
「…かもめ殿、早く帰ろう。」
五ヱ門は車を開けるなり助手席に滑り込んだ。
「…何かあったのか、あいつ。」
「それがね、このお店キッズスペースがあるじゃない? 通りがかったら小さい子達がサムライサムライって喜んじゃって…。」
かもめは肩を揺らしてくすくすと笑う。後部座席に肩を寄せて座ると、自分の右手がかもめの膝頭に触れた。
「…と、悪ィ。」
手を離すと、かもめは首を傾げてのみかけのカプチーノを差し出した。
…そういう意味じゃないんだが。
だが断れば、しゅんとしょげかえるのだろう。差し出されたカップの端に口を付けると、かもめは満足そうに口角を上げた。
「おいしい?」
「…悪くない。」
「〜ったく見せつけてくれちゃって。」
エンジンを掛けながらルパンが大袈裟にため息をついた。
かもめは仲間の手前だと思い出したらしく、口を尖らせていくらも隠れないカップの後ろに隠れた。
***