お酒と、秘密と。
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「で、何だったんだ、あいつが知ってる俺のトッテオキの秘密ってヤツは。」
「ん…な、内緒…。」
「聞き捨てならねぇな。」
強い腕が私を追い詰める。壁ドンならぬ、ソファドン?なんだそれ…
近づいた顔、髭が私の顎先をくすぐる。
「気に入らねェ。」
「た…大した秘密じゃなかったよ…。」
「大した秘密じゃないなら何で教えられねぇんだよ。」
「は…はずかしいから…。顔、近いって…」
「教えるまで動かねぇぞ。」
「る…ルパンは…。」
なんと言ったらいいのか。うまく言葉が続かない。
「ルパンは、次元が、私のこと、とっても好きだって…。」
「…なんだそりゃ。秘密でも何でもねぇじゃねぇか。」
「うん…ヒミツでもなんでもなかったんだけど、私、なんだかのぼせちゃって…。」
もう、詳細は黙っておこう。
次元は詰めた距離を離れて照れ臭そうに頭を掻いた。無理矢理に口角を下げようとするその微妙な表情、私は大好きだ。
「…知ってるだろ、俺がお前を気に入ってるのは。」
「知ってるつもりだけど、やっぱり、何度でも、信じられないくらいうれしいから…」
素直な気持ちはまるでアルコールだ。口にすれば、舌がヒリヒリして頬が熱くなる。
「好きだぜ、お前のこと。」
「私もすきだよ、次元…。」
もう大人の関係なのに、その日はむずむずするほど擽ったかった。決まりの悪さに窓の外に目を向ければ、気の早い春の花が蕾を膨らませている。
初めて気持ちを確かめ合った日のような暖かさだった。
Fin