お酒と、秘密と。
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酒は人の本性を現すらしい。俺も若い頃は飲み方が分からずバカをやったもんだ。最近だって、仕事仲間と寄り集まるとつい飲み過ぎる。人が変わるほど酔うことはまずないが。
久しぶりに静かな夜だった。アジトで、いつものようにバーボンを軽く一杯やって、そろそろ床に着こうかというころ、インターホンが鳴った。こんな時間に。玄関から耳慣れた声がする。
『じィげェん、居るんだろう!』
「何だってんだ、こんな夜更けに。」
訝しくてドア越しに返事をする。面倒はごめんだ、俺はもう眠りたい。
『お前に土産だよ!』
ドアホールから覗き込むと、ぐったりしたかもめを背負った相棒の姿があった。慌ててドアを開ける。鼻をつく酒の匂い。
「バカヤロッ…てめェこんなになるまで呑ませやがったな?!」
「いや俺だってこんなになるとは思ってなかったって!ちょっとかもめちゃんの本性が見てみたかったっつーか…」
「ふぁ…じげん…?」
顔を真っ赤にしたかもめが顔を上げる。いつも若干舌足らずな口調が今日は輪をかけて幼い。
「わぁ…!じげんだ…会いたかった…」
ルパンの背中から降りて俺の首にかじりついてくる。まるで子供だ。甘えられて嬉しいような気と、自分以外の男の前でここまでへべれけになりやがってという苛立ちとで、むず痒くなる。
「お前、絶対許さねぇ。」
「お〜怖!…俺だって無理強いはしてねぇって!」
「じゃあなんでここまでぐでんぐでんになってるんだよ、こいつの飲み方じゃねぇだろ?」
かもめは酒に強くはない。自覚があるので、仲間内で飲んでも決して潰れるまで飲まないタイプだ。俺の前でさえも。
「…るぱんがね、」
「あ?」
胸元で辿々しくかもめが弁明する。
「もうのめにゃい、っていったら、このばーぼん、一杯のめたら、じげんのとっておきのひみつ、おしえるって、言ったから。」
「…そんでお前、無理して飲んだのか?」
「あし、ふわふわする…」
「…ルパン。」
「…っそんじゃ無事送り届けたし、俺様帰るわ〜!!んじゃな!!」
いうが早いかルパンは扉を閉めて出て行った。あいつ絶対許さねぇ。
***