ままごと
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「日の出か。」
悪党どもに暦はない。仕事納めは大晦日、密航船の上で、やたらめでたい夜明けを見た。
久しぶりに、故郷での仕事だった。景気の悪さや土地の狭さで、日本で仕事をすることは、最近めっきり減ってしまったが、今回は狙いの密航船が日本を経由するということで、意図せず降り立ったのだ。相棒が時計を眺めつつ立ち上がる。
「さってと、あけましておめでとうってか?」
「お前のめでたい背広がいつも以上にめでてぇな。」
「ンフフ、今年もよろしく頼むぜ、次元ちゃん。五ヱ門ちゃん。」
「今年こそ面倒事は御免被るぞ。」
「違ぇねぇ。」
ぽてぽてと愛おしい足音が後ろから追いかけてくる。振り向いてルパンは間抜けな猫撫で声を出した。
「かもめちゃ〜ん、あはっぴぃにゅ〜いや〜ん」
「あれ、もう年明けちゃった? …今年もよろしくおねがいしまーす。」
「ああ、よろしくさん。」
「よろしく。」
気の抜けた挨拶を交わしながら、現ナマを分け合った。
「オレは不二子と正月休暇にラスベガスにホテルをとってんだけど、お前らはどうよ?」
「拙者はすぐにも修行に立つ予定だ。」
「相変わらず熱心だねぇ。次元は?」
「俺ももう少しコッチに用があるからよ。」
「ほぉん、かもめちゃんは?」
「私も少し。」
「そうか…じゃ、またそのうちな。」
別れはいつも淡白なものだ。別々の方向を向いて歩き始める泥棒たちの背中をしみじみと見つめた。傍らの一番小さな泥棒に問いかける。
「お前もまだコッチに用事があんのか。」
「まぁね。」
「…じゃ、俺はもう行くぜ。」
「病院に?」
やはりか。
ギクリと猫背を震わせて振り向くと、かもめは口をへの字にくたっとまげて、ジト目になっている。
「…バレてたか。」
「どれだけ貴方と一緒にいると思ってるの? …利き腕怪我して一体一人でどうするつもり?」
「お前をここに留まらせるのは忍びなくてな…。」
「わたしが同じ事したら怒る癖に。」
返事に迷って頭を掻いていると、かもめは俺の分まで荷物をまとめて先を急いだ。
「ほら、行くよ。」
***
悪党どもに暦はない。仕事納めは大晦日、密航船の上で、やたらめでたい夜明けを見た。
久しぶりに、故郷での仕事だった。景気の悪さや土地の狭さで、日本で仕事をすることは、最近めっきり減ってしまったが、今回は狙いの密航船が日本を経由するということで、意図せず降り立ったのだ。相棒が時計を眺めつつ立ち上がる。
「さってと、あけましておめでとうってか?」
「お前のめでたい背広がいつも以上にめでてぇな。」
「ンフフ、今年もよろしく頼むぜ、次元ちゃん。五ヱ門ちゃん。」
「今年こそ面倒事は御免被るぞ。」
「違ぇねぇ。」
ぽてぽてと愛おしい足音が後ろから追いかけてくる。振り向いてルパンは間抜けな猫撫で声を出した。
「かもめちゃ〜ん、あはっぴぃにゅ〜いや〜ん」
「あれ、もう年明けちゃった? …今年もよろしくおねがいしまーす。」
「ああ、よろしくさん。」
「よろしく。」
気の抜けた挨拶を交わしながら、現ナマを分け合った。
「オレは不二子と正月休暇にラスベガスにホテルをとってんだけど、お前らはどうよ?」
「拙者はすぐにも修行に立つ予定だ。」
「相変わらず熱心だねぇ。次元は?」
「俺ももう少しコッチに用があるからよ。」
「ほぉん、かもめちゃんは?」
「私も少し。」
「そうか…じゃ、またそのうちな。」
別れはいつも淡白なものだ。別々の方向を向いて歩き始める泥棒たちの背中をしみじみと見つめた。傍らの一番小さな泥棒に問いかける。
「お前もまだコッチに用事があんのか。」
「まぁね。」
「…じゃ、俺はもう行くぜ。」
「病院に?」
やはりか。
ギクリと猫背を震わせて振り向くと、かもめは口をへの字にくたっとまげて、ジト目になっている。
「…バレてたか。」
「どれだけ貴方と一緒にいると思ってるの? …利き腕怪我して一体一人でどうするつもり?」
「お前をここに留まらせるのは忍びなくてな…。」
「わたしが同じ事したら怒る癖に。」
返事に迷って頭を掻いていると、かもめは俺の分まで荷物をまとめて先を急いだ。
「ほら、行くよ。」
***