溶けるほどあつい冬
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実際、クリスマスなんて俺ら悪党には縁がない。イベントにはしゃぐ大泥棒を除いては。
所謂聖夜、ルパンの奴は予告通り不二子と出かけて、残された俺たちはいつもと変わらない夕食をとった。いつもと変わらない時間が過ぎる。境目の曖昧な今年を振り返る下らないテレビを眺めていたら、いつの間にか夜が更けていた。
「あれ、次元。おふろまだなの?」
廊下で枕を抱えたかもめとすれ違う。
「今から。なんだお前、枕なんて持って、どこに行く気だ?」
「次元の部屋。」
「あぁ?」
聞き返すと、かもめは顔を赤くして違うのと慌てた。
「べ、別に深い意味はなくて。その、ちょっと寂しくなっちゃったから…。」
「…先に部屋で待ってろ。」
「へ、変な意味じゃないからね? 勘違いしないでよねっ…」
そんなかわいい事をして、他にどんな意味があるというのか。だが、半ば呆れた気持ちで熱いャワーを浴びて部屋に戻った時には、言葉通りかもめは自分の枕を抱きしめたまま眠っていた。
苛立ちに叩き起こそうとするが、子供のような寝顔に思い止まった。
…全くなんて奴だ。
ついでに夕べの、無邪気に大泥棒に抱きつくコイツを思い出す。クリスマスなんて祝う柄じゃないが、俺よりもコイツを喜ばせる人間が居るのは気に入らない。
***