好きだよ、とても
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かもめが一瞬で赤くなった。酒のせいかと思ったが、こいつはまだ一滴も呑んでいない。
「それって、なんか、」
「…お前の『好き』、そういう風に受け取ってもいいんだな?」
「………はい。」
湯気でも出そうなほど真っ赤になって、小さな声で返事をした。先程まで余裕ぶっていた女はどこかへ消えた。
「やっとスッキリしたぜ。…お前の態度が分かりづらいんだよ。他の野郎どもにも同じに親身にするから。」
「だ、だって、仲間内であからさまに贔屓はできないしっ…それでも私、お肉取り分ける時次元にだけ一切れ多くとかしてたんだよ?!」
「ンな主張が分かると思うか? 土台お前野菜だって盛り盛りに盛るじゃねぇか!」
「だって、タバコの害とか心配だし!次元だって、全然その、私のこと、なんとも思ってない風だったから、絶対、その、片思いだって…。」
そう言われると、自分も悪かったような気がしてくる。一度もこの胸をくすぐるもどかしい気持ちを口にした事はなかったのだから。嬉しいような、恥ずかしいような、悲しいような、楽しいような。
「…かわいい。」
「…ッ!?」
「お前はかわいいよ。ずっと思ってたさ。…言わなかったけどな。」
かもめは半分べそをかいたような有様で、クッションをぎゅうぎゅうに抱きしめた。
「それ、…いいの。次元が私のこと、嫌いじゃないって、思っても。」
嫌いじゃない、どころか。
「俺だって、お前には付かなくていい嘘なら付かねぇよ。聞かれりゃ答えるさ。」
「…すき? …私のこと。」
それは今にも消え入りそうな声で、お伺いでも立てるようで。いつもの能天気でボンヤリした態度はどこかへ消えてしまっていた。ああ、こいつのこんな顔を見るのははじめてだ。
ああ、かわいい。
「好きだ。とっても、な。」
かもめの言葉尻を真似て答えると、もうかもめは一気に泣き出してしまった。かわいいかわいいやつを、ソファで抱いて慰めながら、笑ってしまうほど拙い夜が更けた。
Fin
「それって、なんか、」
「…お前の『好き』、そういう風に受け取ってもいいんだな?」
「………はい。」
湯気でも出そうなほど真っ赤になって、小さな声で返事をした。先程まで余裕ぶっていた女はどこかへ消えた。
「やっとスッキリしたぜ。…お前の態度が分かりづらいんだよ。他の野郎どもにも同じに親身にするから。」
「だ、だって、仲間内であからさまに贔屓はできないしっ…それでも私、お肉取り分ける時次元にだけ一切れ多くとかしてたんだよ?!」
「ンな主張が分かると思うか? 土台お前野菜だって盛り盛りに盛るじゃねぇか!」
「だって、タバコの害とか心配だし!次元だって、全然その、私のこと、なんとも思ってない風だったから、絶対、その、片思いだって…。」
そう言われると、自分も悪かったような気がしてくる。一度もこの胸をくすぐるもどかしい気持ちを口にした事はなかったのだから。嬉しいような、恥ずかしいような、悲しいような、楽しいような。
「…かわいい。」
「…ッ!?」
「お前はかわいいよ。ずっと思ってたさ。…言わなかったけどな。」
かもめは半分べそをかいたような有様で、クッションをぎゅうぎゅうに抱きしめた。
「それ、…いいの。次元が私のこと、嫌いじゃないって、思っても。」
嫌いじゃない、どころか。
「俺だって、お前には付かなくていい嘘なら付かねぇよ。聞かれりゃ答えるさ。」
「…すき? …私のこと。」
それは今にも消え入りそうな声で、お伺いでも立てるようで。いつもの能天気でボンヤリした態度はどこかへ消えてしまっていた。ああ、こいつのこんな顔を見るのははじめてだ。
ああ、かわいい。
「好きだ。とっても、な。」
かもめの言葉尻を真似て答えると、もうかもめは一気に泣き出してしまった。かわいいかわいいやつを、ソファで抱いて慰めながら、笑ってしまうほど拙い夜が更けた。
Fin