好きだよ、とても
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「おぅい、次元。どうしたんだよ、ボンヤリして。」
「ん、おう、悪ィ。」
相棒に退屈凌ぎでチェスの相手をさせられたが、どうにも身が入らない。
「んだよ、恋煩いか?」
適当な軽口だったのだろうが、今の自分の肩をギクリと震わせるには充分だった。
「ば、ばっか、ちげえよ。」
「あら、アラララ…?」
結局コイツにロクな隠し事はできない。
***
「なんだ、ンなことかよ。」
しどろもどろ、濁しながら動揺の理由を伝えると、何故かルパンは憤慨したように答えた。
「しょ~っがねぇな〜…かもめっちゃ〜ん!!」
泥棒の大声に、自室から頭を掻きつつかもめが出てきた。何か作業をしていたのか、酷くめんどくさそうだ。
「…どしたの? ルパン、大声出して。何かご用?」
「俺様のこと、好き?」
「…っふふ、何? 好きだよ? 普通に。」
「五ヱ門のことは?」
「ま、好きかな。」
「ふーじこちゃんは?」
「概ね好きで、時々きらい。」
ルパンに、な?とドヤ顔を返される。なんら特別な意味のない、親愛の情だろうとでもいいたげだ。だが、違うんだ。俺に向けられたそれは、なんかもっと湿っぽくて、儚げで。
「次元ちゃんのコトは?」
続くルパンのそのセリフに、かもめは急な呼び出しの理由がわかったようで、ああ、と呆れたように、眉毛を半分だけ上げて、視線をこちらに向ける。
「なぁんだ、もう。知ってる癖に。…すきだよ。」
用がないなら私戻るね、と、かもめは部屋に帰っていった。
「な、意味わかっただろ。」
「あ、あぁ…。」
ますます分からなくなっちまった。ルパン、お前には見えなかっただろう? 舌足らずなすきだよの後に、唇が、『特別に』と動いた所なんて。
***